日記: 7月15日 (2005年)

 金曜夜9時という最悪な時間に、満員電車に乗り込む。車内の冷房は全開でかかっているものの、ぴったり密着した前後左右の36℃の熱源に妨げられ、すでにして耐え難い蒸し暑さ。幸い、いわゆる「キツイ香りの人」は近くにいなかったものの、不快極まりない一時だ。

 そんな中で、私の前の前にいるオッサンが非常に変な動きをしている。ひっきりなしに前後左右に移動し、周囲の人間を押し返しているのだ。直接接していない私にも、その圧力が波紋のように、数十秒おきに到達してくる。周囲の人間の目は、一様に「なにしてんたこのオッサン」という光を帯びている。

 しばらく観察してみると、どうやらこのオッサン、誰かと密着している状態が非常に嫌らしく(そら嫌だろうが)、なんとか前後左右の相手との間に数センチの空間を生み出したいようなのだ。気持ちはわからんでもないんだけど、その方法として、接してきた相手を、必要以上にはじき返すという、攻撃的な方法を選択しているのが、周りとしてはウザすぎるわけで、とても共感することはできない光景だ。

 結局そのオッサンは、すぐに電車を降りていったんだけど、ただでさえ不快な満員電車で、不快なオッサンに遭遇するというのは、まったくもって運がない話だ。トホホ。