日記: 6月10日 (2007年)

 予告どおり超特急で香港を往復してきたんだけど、率直な感想を述べよう。

 大して面白くはなかった。

 異国に入り込んだ感はそこそこ味わえたし、純粋な旅の楽しみはあったけど、なんというか費用と時間と緊張感とを代償にしただけの興奮は、ついに得られなかったのだ。またどこかへ行く機会があっても、次は違うところにいきたいな、という気分。

 旅の感想が面白いというものになっていたら、写真付き紀行文でも著すにやぶさかではなかったんだけど、そんなわけで正直そこまでするほどの動機も得られない程度にしか、興奮を得られずに終わった。なので、淡々と諸事にまつわる感想を述べて終わらせてしまおうと思う。

 なお、香港に思い入れがあったり、好きだったりする人はごめんなさい。もう一回のんびりいければまた違うのかもしれないけど、これが今回の私の正直な感想なのです。うえっへっへ。


 ・天気

 雨。これで旅行の楽しさは半分以上、潰えた。

 ・距離

 遠い。飛行機で4~5時間。あと2時間も足せばハワイが視野に入ると思うと、同一文明圏にしては遠いと感じる。距離と異国感とが正比例になっていない。

 ・街

 日本とあまり変わらない。歌舞伎町と秋葉原を足して2で割って、さらに汚くしたような印象。だから違和感なく歩けるけど、それゆえに全く面白くない。そもそも歌舞伎町や秋葉原のような繁華街を歩くことが、決して好きではない私だから、当然な帰結といえよう。

 ・人

 日本語は通じない。英語も半分弱しか通じない。では困るかというと、ふしぎと困らない。多くの商店主は観光客慣れしているようで、会話できなくてもなぜか意思が通じやすいし、国際都市らしくあらゆる標識には英語が併記されていた。

 あと香港のカップルの、恐ろしくベタベタする文化が目に付いた。どうも抱き合いながら歩くのがデフォルトらしく、どいつもこいつも合体しながら、歩きにくそうに街を歩いていた。実に羨ま・・・もとい、暑苦しい。それにしても中国娘はスタイルの良い、かわいい娘が多く、にもかかわらず割と多くのケースで、不細工な男とくっついているのが解せなかった。

 ・交通

 スターフェリーと地下鉄とピークトラムに乗った。

 スターフェリーは、案外楽しい乗り物だった。香港を一番綺麗に見ることができるのは、この船上だったように思う。ただ私が乗った時は早朝で、客室がガラガラと言っていいほどに空いていたから、実に優雅だったけど、あれが混雑していたなら、単なる満員電車に早変わりしていたに相違ない。

 地下鉄は、実に近代化されたものだった。日本と同等か部分的にはそれ以上の便利さ。なんの不自由もなく、直感的に利用できる。但し、駅や地下道がえらい長いケースが多く、駅の中の移動でかなり疲れた。雨だったから、地下の移動は重宝したけどね。いずれにしても、地下鉄の使い勝手がよいのは、イギリスの影響だろうか?

 ピークトラムというのは、香港の観光名所「ビクトリアピーク」へ到る電車。箱根登山鉄道の親戚と思えばOK。凄まじい急勾配を登っていく電車で、そのジェットコースターの初動時のような車内の傾き加減は、なかなか楽しかった。だけど、傾く体を背もたれで支えるために、眼下に広がる景色には背を向けて移動する(背中を下にする)ので、景色を楽しむ、という点ではあまり面白みのない乗り物だった。登り下りともに、景色のよい側の窓際をキープできたんだけど、それでさえこういう感想だから、それ以外の席ではさらに感想が悪くなることだろう。

 ・飯

 ホテルの朝食以外は、街の焼味(ロースト)の店で焼鳥丼を、粥麺屋でエビワンタンメンを食った。あとは機内食とマックだ。

 焼鳥丼は、鳥、豚、チャーシュー、魚等々の中から、好きな食材のローストを選び、それをご飯の上に乗せて出してくれるというもの。ランチタイムは飲み物つきで30~40香港ドル弱だったかな。600円とかそんなくらい。結構高いけど、盛りもかなり大盛りだ。

 食べてみると、パリッ&シャクッといった食感の皮と、ジューシーな肉と、皮と肉とに挟まれた濃厚な脂身とが、甘辛いタレとご飯に実にマッチしていて、一口目から感動してしまった。ところが、調子に乗って食っていたら、だんだんと感想が変わってきた。皮や脂身が多すぎてしつこいのだ。結局、最後の方には脂っこさが立ちすぎて、少々食傷ぎみになってしまった。うまかったんだけど、量が多すぎ。そんな印象。半量でよかった。

 エビワンタンメンは、そのままエビワンタンメン。麺は、輪ゴムのような見た目と感触をもった、細く長く硬い麺で、日本ではあまり食べる機会のない代物。スープは塩ラーメンのそれに近く、さらに出汁を強烈に効かせたような味で、日本のラーメンのように脂が大量に浮いていたりはしない、さっぱり系。エビワンタンは、しっかりぷりぷりのエビが入ったものが4つ乗っかっていた。これで24香港ドル。400円くらいかな? 量は日本のラーメンの6割くらいだったけど、安いし実にうまかったよ。これは毎日でも食えると思った。

 いずれの店でも、日本語はおろか英語のメニューもなく、中国語のメニューをみて内容を想像し、指でメニューを差してオーダー。漢字文化圏でよかった。

 ・ショッピングモール

 多すぎだろ、ってくらいあちこちにオシャレ系ショッピングモールが乱立している。当然全く用がないので、IFCをざっと見たくらいで、あとは全部スルー。いったい香港には何軒のシャネルがあるのか、何軒のグッチがあるのか。

 ・ネーザンロード

 香港の九龍半島側のメインストリート。まぁ、それだけって感じ。感想は上の「街」の項と同様。

 ・ペニンシュラ

 ロビーにだけ入ったけど、その名に恥じぬ格調高いホテルだった。しかし私には格調高すぎて、ラフな格好の自分がいたたまれなくなり、早々に退場した。アフタヌーンティらしきことをしている大量の似非英国人がいた。

 ・女人街&男人街

 面白くもなんともない、と言わざるを得ない出店街だった。沢木耕太郎はここのどこに惹かれたのか理解に苦しむ。が、多分彼が行った頃は今ほど観光地化されていなかったし、垢抜けてもいなかったんだろう。行く価値は、私にとってはまるでなかった。

 ・香港歴史博物館

 まぁまぁ。3時間くらい居座った。英語か中国語しか表記がないので、読むのに時間がかかった。

 ・ビクトリアピーク

 早朝で誰もいなかった(展望台に4人とか)ので、それが純粋に気分がよかったし、霧が出る前に到着できたので、朝の澄んだ空気を通して、いい景色を堪能できたので、かなり好印象だ。眼下に広がるビル群や、庶民の集合住宅、香港と九龍の間を動き回る船舶の様子なんかもクリアに見わたせて、興味深かったよ。でも、簡単にいけるぶんだけ、感動は薄まってしまったかな。苦労して登ったダイアモンドヘッドの方が、天気もよくて達成感があったなぁ。

 ・夜景

 毎晩夜8時に、香港と九龍のビル群が光のショーを行っているとの情報を得ていたので、それを九龍半島から見てみた。だけど、斬って捨てるような言い方になってしまうけど、いかにもツクリモノ感がつよくて、なにも感動できなかった。ディズニーランドのエレクトリカルパレードに通じるものがあるんだけど、それにしては中途半端な印象が拭えない。風景としてはにせもので、エンターテインメントとしては未熟。といったところかな。

 ショーが終わってしばらくたった、夜10時ごろの静かな夜景の方が、よほど美しかったよ。

 ・総括

 買い物好き、ガラクタ好き、繁華街好き、には楽しいのかなという感じ。私は必要最小限の買い物しかできないし、繁華街が好きでもないので、歩き回って楽しむ動機があまり見つからなかった。博物館や美術館や歴史的建造物が豊富、ってわけでもないので、どうも興味が向かず、行動できないんだよね。

 ま、香港なるものがどんな場所なのか、その上辺だけでも触れることができたし、土地勘も多少ついたから、まぁいい経験になったといったところかな。

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