日記: 4月7日(2009年)

 まとめ買いした文庫本の2つ目を読破した。

 今回読んだのは、「奪取(真保裕一:講談社文庫)」だ。

 偽札作りを目論む青年の、友情と、情熱と、愛と、笑いの物語。もともと評判のいい作品だったので、まず間違いはなかろうと思って読み始めたんだけど、評判どおりに文句なく面白かった。かなり軽いノリの作品で、マンガやいわゆるライトノベルに近い感覚。活字慣れしていない人に本を勧める場合などにはもってこいだと思う。

 あえて文句をつければ、ややマンガっぽ過ぎるというか、ノリと勢いで突き進んでいる感がなきにしもあらずなのが気になったかな。背景設定や専門知識の描写が緻密なだけに、肝心の物語のネタ部分が大雑把なのが気に掛かった。99%まで細かく細かく積み上げていった舞台を、いざ切り抜ける段になると、最後にものをいうのは力押しというのがもったいない。もっとスマートに決着をつけてくれたほうが、ドラマチックではなくても私好みだった。ま、趣味の問題だけども。

 とはいえ、そんな細かい文句を無理やり探さない限り、非常に面白いエンターテインメント作品だったよ。面白さの種類としては、私の読んだ本の中では「走らなあかん、夜明けまで(大沢在昌)」に近いかな。これも大好きな作品だけど、それに匹敵する面白さだった。どちらもマンガ気分で気楽に読めるのが、疲れた日々にはちょうどいい。

 ってことで、電車通勤/学のお供に、Fly Dukedomは「奪取」をオススメするものであります。

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