蘇英09: スターリング城

 円錐形のスターリングの街の頂点に立つスターリング城。岩山の頂上に建てられ、難攻不落を誇ったこの城砦は、スターリング観光の目玉にして、この街のシンボルに相違ない。

 第一印象は、正直に言ってパッとしないと思った。エジンバラ城を見学したあとだったので、若干のスケールダウンという感が否めなかったのだ。加えて天候も災いしたと言っていい。青空の中気持ちよく眺めたエジンバラ城と、薄暗い風雨の中で覗き込むように見たスターリング城では、どうしても印象に差が出てしまう。

 しかし、スターリング城は噛めば噛むほど趣の出るよい城だった。

 時代に従って増築されていったと思われる、統一性のない建築物。どこか田舎の素朴さが残る、古めかしく、安っぽくすらもあるインテリア。どこを見ても、何か足りないというか、間の抜けた印象が否めない。高度に観光地化され、洗練されていたエジンバラ城と比べると、スターリング城はどうしても素朴で無骨といった印象になってしまうのだ。

 しかしそれこそがスターリング城最大の魅力であると言っていい。素朴で無骨で、そして少々間抜けであることが、「スコットランドっぽさ」を私の深層に投影してくれたのだ。私は「スコットランドっぽさ」を語るほどに、この土地の人々の気性を知るわけではないけれども、直感的に「これぞスコットランドだ」と私には思われた。

 城からの眺めも、スコットランドらしさという点では、エジンバラ城からの景観を凌駕すること数段だ。遠くバノックバーンの古戦場を望み、ウォレスモニュメントを望み、あるいは遥かなるハイランドに思いを馳せつつ虚空を眺める。純粋に景観が美しいという場所も、もちろん好きだ。でもそれ以上に、想像力の翼を羽ばたかせるような望み方ができるという点で、スターリング城からの景観は、私にとっては魅力的だった。

 スターリング城は、深い魅力と見所と景観に富んだ、私の大のお気に入りの場所となった。

 写真は↓


   

スターリング城入り口のロバート像

謁見の間(?)。実に素朴なホール
   

遠くウォレス・モニュメントが望める

場内の庭園
   

中世のキッチン

後背部へ伸びる城壁と小道
   

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