ヘルニア闘病記: 01.予兆

 最初の違和感はかかとだった。

 左足のふくらはぎからかかとにかけてが硬い。凍ってしまったように感じる。つま先を上げることが難しい。無理やり屈伸をしたりしてほぐせば、硬さはすぐに和らぐが、歩いたり立ったりしていると、またすぐに硬くなる。

 これが結局、椎間板ヘルニアの初期症状だったんだけど、このときはまだ筋肉の異常、つまりただの運動不足によるものだとか、就寝中に緊張していて固まっているせいだとか、そういうものだと思っていた。

 しかしそんな見立てに冷水を浴びせるように、3ヶ月ほどで脚の異常は次のステップに進み、それはもう少し暴力的なものになっていた。

 立ち歩いていると、左足のひざの裏側からふくらはぎにかけての、脚の内部が痛むようになった。痛む箇所が「脚の中」という感覚で、「骨をつねられている」という表現がしっくりくるような痛みだ。脚の表面をさすったり圧迫したりしても、到底届かない場所が痛く、慰みにならない。神経に病因があるのだな、ということは直感的にわかった。

 でも、我慢できない痛みではなかったし、少し座っているとすぐに痛まなくなるものだったので、そのまま放置していた。そのうち治るだろう、と高をくくっていた。ちなみに中国旅行に行ったときは、この状態だった。

 だが、一向にこの症状は改善しなかった。脚の痛みをごまかす生活は、時間がたつほどに悪化していって、やがて私は10分と歩けない体になっていた。

ヘルニア闘病記: 01.予兆」への2件のフィードバック

  1. Nez/蝿

    中国旅行はまず写真をスキャンする環境が
    必要になるという障害が。
    あのころはデジカメなんてなかったんだよなぁ。

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