英国’14: 7.ボートン・オン・ザ・ウォーター

 ボートン・オン・ザ・ウォーターは、今回の旅行で最もいまひとつだった目的地だ。

 ボートン・オン・ザ・ウォーターはその名のとおりの水郷で、「コッツウォルズのヴェネチア」などと称されているらしい。流れる小川が清涼感と美観とを生み出している、実に美しい町という前評判だった。

 実際に訪れてみても、たしかに街を美しい小川が貫いていた。今回訪問した日のような夏の暑い日には、その涼しげな流れが目にありがたく、キラキラと光る水面と蜂蜜色の建物との調和が、コッツウォルズの他の街や村とはまた異なる雰囲気を形成していて、興味深いものでもあった。

 ではなにがいまひとつだったかというと、これはもう人。ヒト。人間。ホモサピエンス。これが多すぎた。

 夏休みに入ったこの時期、この水の街には涼を求める観光客が押し寄せていて、とにかく混雑を極めていた。小川の中では子供たちが縦横無尽に暴れ周り、それ自体はほほえましいことではあるものの、とても水の風景を楽しむような、落ち着いた心境にはなれない。英国人の夏のひとコマを垣間見れたという点では面白かったけど、コレジャナイ感が勝ってしまう。

 求めていたものはここにはないと判断し、早々にこの地をあとにしたのだった。

 ところで、ボートン・オン・ザ・ウォーターやストラトフォード・アポン・エイボンのように、英国には説明的な地名が多い。他にもコッツウォルズには、「ストウ・オン・ザ・ウォルド」とか、「モートン・イン・マーシュ」とかがあった。おそらく同一の地名を区別するためのものなんだろうけど、英語に縁遠い日本人からすると、名前の付け方が妙に文学的に感じられて面白かった。

メインストリート

河畔の様子1

河畔の様子2

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