SWL: Secret World Legendsを遊んでみた

 生まれ変わったThe Secret World(TSW)であるところの、Secret World Legends(SWL)を2時間ばかり遊んでみたので、その感想などを述べたい。

 【概要】

 TSWは2012年にリリースされたMMORPG。現代のアメリカ、エジプト、ルーマニアを舞台に民間伝承や神話、クトゥルーなどをモチーフにした怪奇現象に立ち向かう、というような趣旨のゲームだった。

 円環状の習得ツリーを持つ特徴的なスキルビルドシステムと、ソロベースのシネマチック豊富なクエストドリブンの成長ライン、よくあるタイプのスクリプト対応型インスタンスダンジョン、それに薄すぎるエンドコンテンツ、が組み合わさった、まぁ、そこそこな出来栄えのMMORPGだった、と言っていいだろう。

 サブスクリプションモデルでスタートしたTSWは、その後パッケージのみで月額課金はなしのB2Pモデルになり、細々と存続していたようだ。

 SWLは、そのTSWをシステム面から作り直し、F2Pモデルのゲームとしてリスタートさせるものになる(なおTSWはTSWで存続するようだ)。

 シナリオや基本的な部分は変わらないものの、ゲームプレイは変わるということで、どう変わったのかに注目して遊んでみることにした。

 【戦闘】

 最も変わったのはおそらくこの点だと思う。

 TSWではMMORPG伝統の「ターゲットしてスキルを使う」という操作方式だった。

 それがSWLでは「レティクルに合わせた敵にスキルを使う」というFPS/TPS方式になっている。公式サイトも「MMOアクションRPG」と言っているようだ。

 んが、しかし。

 遊んでみると、そんなにその恩恵を感じられないかなー。遅延が大きいせいもあるけど、FPS的な軽快感はあまりなくて、レティクルを合わせないといけない、という煩雑さのほうが強く感じられた。

 思ったよりもプレイ感に感動がなくて、新しいゲームとして楽しめるかと思った身としては、少々拍子抜けした。

 【スキルツリー】

 TSWは円環状の特徴的なスキルツリーがあり、そのビルドで悩むのが面白かった。

 SWLではこれが普通の直線的に分岐する、文字通りのツリー状のスキルツリーに変更された。9種類の武器ごとに、パッシブとアクティブのスキルラインがあるという、よくある感じ。まぁ、わかりやすいからいいのかな。

 またスキル自体もいろいろと変更や追加がされていて、その辺は新鮮な気持ちで挑めて今のところプラスに働いている。スキル数自体が増えた気がするので、まずは全貌を把握せねば。

 【チュートリアル】

 TSWでは、チュートリアルがなかった。SWLでは、チュートリアルが序盤に挟まる。

 それ自体はいいのだけど、チュートリアルをさせるために、最初に使う武器を「いくつかのテンプレート(組み合わせ)の中から選ばされる」のが、ちょっと不満だった。例えば「ピストルをメインに、爪をサブにするぜ」と思ってゲームを始めても、そんな組み合わせはテンプレートにないので選べない。

 そして最序盤のビルドに自由度がなく、チュートリアルで「Nキーでスキルツリーを開き、このスキルを習得せよ」というような指示通りに育成させられる。ポイントがもったいない、ということになりかねない。

 せっかく比較的豊富なバリエーションを持つビルドシステムがあるのに、それを開発自らが無駄にしている、もったいない仕様だと感じた。

 TSWの時のように、各組織の練兵場で各武器を試射して、そこで持っていく武器を2つ選ぶ、というシステムのほうが、自由だし、不自然じゃないし、気分も盛り上がってよかったなぁ。

 【シネマチック】

 TSWおよびそれを受け継いだSWLでは、小さなサブシナリオですら、シネマチックなカットシーンでストーリーが描かれる。これはこのゲームの長所ではあるんだけども、英語を満足にヒアリングできない日本人としては、文字ではなく映像でストーリが語られるのは、正直厳しい。

 とはいえ、この点を補える機能として、TSWでは「カットシーンで字幕表示」というオプション項目があった。これには大いに助けられた。

 しかし、なんということか、SWLにはこのオプション項目が見当たらないのだ。公式Twitterに「字幕機能ないんかーい」と聞いてみたけど、ガン無視された。おかげでシナリオをヒアリングオンリーで理解させられる羽目になっている。

 自分にとってこの違いは、TSWからSWLになるにあたって、最もマイナスの影響がある痛いものだった。SWLではのんびりストーリーを楽しもうかな、と思っていた気持ちをいきなり打ち砕かれて、テンション大幅ダウンだ。

 【クエスト】

 TSWとほとんど変わってない感じ。メインクエスト、サブクエスト、ともに見覚えがあるものばかりだった。

 とはいえさすがに前回プレイが5年前なので、内容をそんなに覚えてはないから、そこそこ新鮮だったかな。パズルあり、謎解きありで、このあたりの出来はいいと思う。

 ただ、上述したようにストーリーを把握しにくいので、そのうち謎解きに問題が発生するかもしれない。

 【生産】

 武器に不要な武器を食わせると、その武器のレベルが上がっていく。みたいなシステムが搭載されたようだ。防具も同様。いらない武器種を無駄にしないで済むから、いいのかな。

 【総括】

 思ったより、微妙だったかなぁ。

 1番ネックなのは、やっぱりシネマチックに字幕が入らなかった、というところに尽きる。今回はシナリオをもっと見るぞ、と意気込んでいただけに、出鼻をくじかれた感じだ。

 戦闘に関しても、軽快にはなったけど、いちいちレティクルに敵を捕らえないといけないので、制限も増えて面倒にもなった。タゲってポチポチしながら、カメラを周囲に回す、っていうようなMMORPG伝統の周囲警戒もできない。良し悪し。

 スキルツリー/システムの変化が1番の見どころじゃないかな。ここだけが新鮮。

 ってなわけでSWL。おすすめ度は低いですが、英語を理解できる初見さんなら、無料で良質なゲームを楽しめるんじゃないかな、というところであります。

 私は、というと、週末に遊んだ時間が2時間、というところで察してもらえれば、と。もう少しやってみるけどね。


20170627追記
 字幕を表示させる方法がわかった。テンション微量に持ち直し。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です