日記: 6月28日(2018年)

 春以降、季節が良くなったので、またチャリ通をしている。

 チャリ通をはじめたばかりの頃は、自転車を妙に大切に扱っていたので、職場と自宅以外の場所にチャリを置いておくのが心配で仕方がなく、それゆえに自転車の機動力を生かした寄り道なんかも、全くしていなかった。

 でも、さすがに3年も経つとそういう心配性なところも薄れてきたので、今シーズンは積極的に帰路に寄り道をしている。活動内容は主に、夕食を求めていろいろな食べ物屋さんを開拓するという、いわゆるグルメ紀行的なもので、趣味と実益を兼ねた、充実した通勤(充実しているのはむろん帰りだけ)を行えている。

 さて、そんなわけでこの日も、職場帰りに、あるラーメン屋を開拓しに立ち寄ることにした。

 その店は、食べログなどのウェブ上の評価は、決して高くはなかった。せいぜい★3くらいの、普通な感じ。ただ、別の店を開拓した帰りに、その店の前を通りかかったところ、外観は喫茶店風のオシャレな感じだったし、写真付きで掲示されていたおすすめメニューが「塩ラーメン」だったのが、塩ラーメン好きの私の琴線に触れたので、試してみようと思ったのだ。

 が、それが間違いだった。

 入店すると、きれい目な外観とはうってかわって、小汚い店内だった。外観だけきれいにしている、というよりは、きれいにしようと思えばできるのに、ずぼらで掃除をしていない、という種類の汚さ。そしてカウンターの向こうには60歳前後の、覇気がなく、清潔感もない、どちらかというと生理的嫌悪感を催すタイプの親父さん。

 入店した勢いでそのまま席に着き、予定通り塩ラーメンを注文してしまったものの、すでにこの時点で失敗した気持ちでいっぱいだった。即座にUターンすればよかったかなぁ、と感じていた。

 そして極めつけに入店を後悔したのは、その直後だった。

 見つけてしまったのだ。Gを。黒光りするヤツを。それも近年まれにみる巨大なヤツを。カブトムシかよ、ってな感じのヤツを!!!

 この店の環境は、よほどMr. Gにとっても住み心地が良い、つまり・・・な場所なのだろう。育ちも育ったりとしか言いようがない、長年住みついてこそ実現できそうな、サイズ感、ボリューム感だった。まさにG級なGだった。

 よくよく見渡せば、店内には少なくとも2つのホイホイが完備されていた。しかし、それもかなりくたびれていて、機能しているようには見えなかった。対策はあきらめているということは明らかな風情だった。

 そもそもいちゃだめだし、対策で連想させるのもだめだし、対策するならするでちゃんとやらないとだめだし、もうなにもかもだめだ。

 飲食店からGを完全に消すのは難しい。それはわかるけど、明らかに努力不足だから弁解の余地なしだ。基本的にやる気がみられない。

 やがて塩ラーメンは完成し、食べたわけなんだけど、もう味もへったくれもなかった。ただただMr. Gがこちらに向けて移動しないことだけを願い、一刻も早く退店できることを願う、苦しいだけのひと時だった。

 最近はこういう不潔店は都内では絶滅したものと思っていたけど、くしぶとく生息しているんだなぁ。そういう点は、Gとよく似ている。

 二度と行かねぇぞ。

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