日記: 10月5日(2020年)

 「結構自炊をする派」の私の煮炊き道具は、主として鉄中華鍋&鉄フライパンで構成されている。

 特にその中でも最古参の中華鍋に至っては、かれこれもう在職15年にもなろうか。最新参の20 cmパンで2年ほど。いずれもしっかり油が馴染み、手にもなじんだ頼もしい相棒たちだ。

 さて、今回話題にしたいのは、そんな鉄鍋たちの洗い方だ。

 鉄鍋はよく言われるように、洗剤で洗ったりはしない。らしい。まぁ、そういう話を昔から聞いているので、私も長いことそういう作法に則っている。

 ではどうするのかといえば、使い終わったら、熱いまま水をどしゃーっとかけて、「たわしの類」で汚れをこすり取るだけ。あとは空鍋を火にかけ、水分を飛ばして、終わりだ。汚いとかそういうことは考えない。雑菌は加熱で飛んだものとする。油分その他は、ある程度残っていても、その分次回の料理の味わいが深くなるというもの。というおおざっぱな気持ちでいればよい。雑に使えるのがいいところだ。

 油が馴染んでいない頃は、ここで薄くサラダ油を塗布する向きもあるが、私はそんなことはしたことがない。よっぼど自炊の頻度が下がらない限り、別にそれで錆びたりはしない。

 さて、ここで問題になるのが、上でかっこ書きした「たわしの類」だ。何を使うべきか。

 これで最もよく使われているのは、おそらく竹のささらではないかと思う。どういうものかは各自検索をしてもらいたいけど、要するに竹ひごを束にしたような、そういうものだ。硬質で短い竹ぼうきと言ってもいい。

 私も長く、鉄鍋の後始末にはささらを使っていた。でも今は使っていない。

 では今は何を使っているのかというと、そう、それが写真のブツ、「柄付きのスチールたわし」だ。

 鉄鍋には竹ささら、という固定概念を打ち破った時は快感だった。いやー、いいですよ。いいですよ、これ。これ、いいですよ(今日はこれが言いたかった)。

 スチールたわしは竹のささらより、金属だけあって硬度が高く、汚れの削り能力が高い。それでいて、金属特有の滅菌力(感覚的なものです)があるぶん、竹よりも衛生的な気がする(感覚的なものです)。もう私はささらには戻れない。

 ただそんな柄付きのスチールたわしにも欠点はある。それは、入手性が低い、ということだ。

 長い柄のついたスチールたわし、という商品が思った以上に、世の中で流通していない。「短いグリップ付き」とか、「柄のないもの」はいくらでもあるけど、ささらと同等程度の長さを持ったものは少ない。手に入れにくい。そこがとても残念だ。ぜひ各社競い合うように、柄付きスチールたわし開発に励んでほしい。

 ちなみに、なぜ長さが必要かというと、それはもう熱いからだ。熱く熱せられた鍋にどばしゃーっと水道水をかけて洗う、という作業の性質上、熱い鍋肌や、即座にお湯と化す水道水には、直接触れられない。そこを素早く磨くには、ある程度距離を開けて使える道具が必要になる。そういう視点で見れば、ささらが今もって使われている理由のひとつも、「長さを持った磨き道具」であるからなのだろう。

 というわけで柄付きスチールたわし。スチールたわしの磨き能力と、ささらの長射程とを併せ持った素晴らしい道具だ。鉄鍋愛好家諸氏にオススメします。

日記: 10月5日(2020年)」への2件のフィードバック

    1. アバター画像Nez/蝿 投稿作成者

      炒め物くらい専用の鍋ならいけそうだけど、カレー煮こんだり、あんかけ作ったりすると厳しそう!

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