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日記: 9月23日(2012年)

 カナダ旅行中にスマホを地面に落として破損してしまった。

 破損状況はタッチパネルのガラス面にひびが入っているというもの。ガラス面の下にあるであろう、タッチを感知する部品も同時に損傷しているようで、視覚的な問題のみならず、タッチパネルの操作自体をほとんど受け付けないという、機能的に致命傷を被っている状況になってしまった。

 これは困った。タッチできないスマホなど、ただの置き時計以下の存在だ。電話も、ネットも、メールも、データ操作も、すべてタッチパネルに依存しているので、本当になにもできない。スマホ内のデータをPCに退避させるような作業すらできないのだ。

 カナダのホテルからノートパソコンで検索し、必死で対応策を探った。PCならいざ知らず、スマホに関しては素人もいいところなので、なにが最適解なのかが、とんとわからない。結局いろいろ調べてわかったのは、私の今の知識では自力で何とかするのは難しいということと、auのショップに預けたらデータを消されるかもしれないということだけだった。

 データが消えるのは困る。これは公式ではない手段に頼るほかない。なんとか「スマホ修理業」のような業者をピックアップして、データを生かしたまま元に戻す方法がないかを探ってみることにした。Googleを駆使して、家から出向ける範囲に店舗を構えている業者を3つほど挙げ、それぞれに故障の状況と希望する復元内容(データを生かしてくれ)を記載して、問い合わせてみた。

 その返答結果は以下の通りだ。

 業者A: 無理っす
 業者B: 無理っす
 業者C: なんとかするっす

 業者A、Bの返答は、いずれも「国内メーカーのスマホは部品供給がないのでできません」というものだった。マニュアルどおりの返答という感じで、門前払いといった体だった。

 業者Cは、同じく「国内メーカーのスマホは部品供給がないのでできません」としながらも、「1)部品(白ロム)をお客様が入手してくれれば、中身の入れ替えはできます」「2)データだけをある程度退避する作業もできます」という代替案を2つ提示してくれた。対応もスーパー親切で、業者A、Bとは大違いだった。即座にこの業者を頼ることに決めた。

 提案1に関しては、同じ機種になるが完全復帰となる。型落ちした機種をもう一度金を払って買うことになるけど、最新機種よりは安く、面倒も少ない。

 提案2に関しては、別の機種に乗り換えた後で、退避したデータを戻すということになり、戻せるものと戻せないものが当然出てくるし、時間もかかるし、各種再設定も必要だ。

 提案1は現行機種のまま3万円強で2日、提案2は最新機種にすると7万円強で1週間と再設定にさらに1日、というような数字が想像できた。当面、現在の機種に不満はないし、すばやい環境復帰が希望だったので、提案1を採用することにした。

 提案1を採用したことを業者Cに連絡し、帰国後はよろしくね、と伝えおく。同時にカナダから通販で白ロムを手配し、帰国翌日には自宅に届くようにした。カナダにいながらにして、こういう手配が簡単に出来てしまう。こういうとこは、インターネットって本当にすごいよな、と思う。

 そして帰国。

 翌日には描いていた青写真どおりに、白ロムが自宅に届いた。すぐさまそれを持って業者Cの店舗に向かった。

 店舗に到着すると、「蝿様ですね」と店員に迎えられた。店員にはすでに話が通っていたらしく、スムーズに交渉が進み、ものの2分で依頼は完了した。その場で修理作業が始まり、2時間後には無事に復活したスマホが手元に帰ってきた。ほっと一安心だ。

 さて、今回の件は、いろいろと勉強になった。

 まず当たり前なんだけども、スマホに依存していると壊れた時がつらいということを思い知らされた。今回は旅行先で参照するメモや地図なんかを、すべてスマホに入れていたので、それにアクセスができなくなった途端に、急にいろいろと不便が生じてしまった。スマホが壊れるようなケースもあるということを想定して、紙に印刷したものも持っておくとか、ケースに入れておくとか、いろいろと代替策を準備しておくことも大事だとわかった。

 また、バックアップの重要性も痛感した。私のスマホは内臓メモリとSDカードという2つの記憶媒体があるんだけども、アドレス帳や撮った写真などは、まず内蔵メモリに入るようになっていた。これをいざという時のためにSDカードに頻繁にバックアップすべし、と購入時に言われてはいたんだけども、結局この半年というものろくにバックアップをしていなかった。今後は週1くらいで夜寝ている時にでもバックアップツールを走らせようと思う。

 そして、白ロムというものの存在すら知らなかったし、今回のような業者の存在や、その業態、業者ごとの対応の差など、新しい知見は多かった。本当に勉強になったよ。

 白ロムの価格2万7000円。工賃9800円。決して安い価格ではなかったけど、これを勉強代として、せめて今後に活かしていかねばなるまいな。うむうむ。