カテゴリー別アーカイブ: 蘇英09: 3)観光地

蘇英09: バッキンガム宮殿

 ロンドン観光の最後に訪れたバッキンガム宮殿。

 ここは昼の近衛兵の交代儀式を見物するのが黄金コースで、だからその時間に合わせてツアーなどでは予定を組まれるんだけども、我々は夕方に立ち寄ったので、単なる派手な鉄格子で囲まれた建物を見ただけとなった。

 鉄格子とその奥の建物とでなる光景は、BBCの中継などの背景としておなじみの絵で、そういうものを見たという単純な喜びはあったものの、観覧物としての感動はそんなにないところだと思う。以前ここに来たときにそう思っていたので、今回はついで程度の立ち寄りと相成った。

 ところがこれは帰国後に知ったんだけども、現在は「7月26日 – 9月24日の間に限って一般入場が可能となっている(Wikipediaより)」らしいんだよね。うわー、思いっきり今回の旅行とかぶってるじゃないか。中に入ったことはなかったから、そんなことなら中に入ってみたかったよ。

 はじめから切り捨てていたから、まったく調べていなかった。チクショー。

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蘇英09: 交通機関

 観光地編のおまけ。交通機関にもいろいろと乗ったので、さばさばと感想を。

 【ブリティッシュ・エアウェイズの国際線】

 最初に期待していたのは客室乗務員。アングロサクソン女性は美女が多い。という思い込みがベース。しかし、実際のところ、肝っ玉カーチャンといった風情のおばちゃんばかりだった。

 機内食は、成田発のものは美味く、ヒースロー発のものは不味かった。ただし、「ヌードルをくれ」といえばカップヌードルをくれるという裏技(ってほどではないが)を使えば、小腹がすいたときに懐かしい味に出会える。

 私の乗った機の装備は、個人TVモニターつきだった。数十種類の映画や音楽を楽しめる。しかし日本語字幕、あるいは吹き替えのある映画は、わずか4,5種類しかなかったので、見たい映画は「英語の英語字幕つき」で必死のリーディングで見た。

 【ブリティッシュ・エアウェイズの国内線】

 左右2列の、合計4列のエアバス。当たり前だけど、表示から、客室乗務員のアナウンスから、機長の挨拶から、何から何まで全部英語。そういうのはちょっと緊張感がある。

 ちょっとボロかったかな?

 【エジンバラ空港の大型タクシー】

 夜の空港から、不案内なエジンバラ中心部への移動に利用。しかし、いったん待ち始めたはよいものの、寒空の下、待てども待てども車が来ない。それで何度も、「待つのをやめて、別の手段を探そうか」と思うんだけども、それまで待った時間を無駄にしたくなくて、ずるずる延々と待ち続けてしまった。

 結局待つこと20分。すっかり疲れ果てたところで乗れたものの、もう二度と利用すまいと誓った。

 【ScotRail】

 スコットランドの国鉄。エジンバラ―スターリング間の移動で利用。この国の鉄道利用のしきたりがわからず、切符を買うのに苦戦し、目的の電車を探すのにも苦戦した。でも、頑張って乗ってみると、ひとつ自分が成長した気分になって良かった。

 内部は日本の特急列車と同じような、4人1組の箱型の席がメインの構成の自由席。欧州人の体格からすると、少し狭いんじゃないかというサイズだったけど、我々にはいいサイズだった。

 列車は電化されておらず、ディーゼル機関車によって牽引されていた。時間通りには運行されていないだろう、という既成概念があったけど、少なくともこの日は定刻どおりの運行だった。

 【ロンドンの地下鉄】

 英国が誇る地下鉄。通称チューブ。世界最古の地下鉄で、開通は1863年だそうだ。これは新撰組の結成と同年だから、なんてことだ、としか言いようがない。

 しかし、その設計の古さのせいか、車内が狭い。しかも愛称チューブのとおり、円筒形のトンネルを、円筒形の車両が通るという設計のため、外縁部に近づくにつれ車内の天井が低くなり、余計に窮屈さが際立ってしまっている。体のでかい現地の人々には、いかにも似つかわしくない構造だ。

 でも、その便利さはなかなかのもの。さして広くないロンドン市内を、くまなくカバーしているので、旅行するにはどこへ行くにも役に立つ。ロンドンで有名なもうひとつの交通機関であるバス(2階建てのものはもう少ないようだけど)に比べて、利用の仕方に難しいところがないのもいい点だ。

 狭い以外の難点は、案外アクシデント等で頻繁に止まったりすることと、地面深くにあってホームまでが垂直方向に遠かったり、逆に地表面に近い駅になるとエスカレーターがなかったりするところかな。

 【徒歩】

 ロンドンは意外と狭い。というか、東京が広いともいえる。また、東京の山の手は坂ばっかりだけども、苦しさを感じるような坂はほとんどない。だからロンドンでは複数の観光名所を、徒歩でカバーできてしまうことが多い。

 逆に言うと、人並み程度には健脚でないと面倒くさいかもしれない。

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蘇英09: チャイナタウン

 チャイナタウン。

 かつてインド、香港を領有した英国においては、インド料理、中華料理が、英国料理よりもはるかに質が高い。・・・というのは、本当だか冗談だかわからんけども、とにかく良く聞く話だ。そこで旅の締めくくりに、一足早くアジアの味を取り込んで、ほっと一安心しておこう、ということで行ってきた。

 この「帰国前に中華料理」という安心リハビリプランは、前回の英国旅行で実施して好評だったもので、今回はそれをまるっきり踏襲した。狙い通り、やはり中華は安くて美味く、奇妙な安心感を得ることができた。

 ちなみにこのチャイナタウンは、横浜の中華街などとは同列にとらえてはならない。あんなに大規模、かつ、洗練されたものではなくて、はるかに小規模で粗野なものだ。ただ、そんな狭い街区に、大量のアジア人がひしめく様子は興味深いし、香港を髣髴とさせる不思議なアジア臭は、やはり同じアジア人としては身近に感じられるものだった。

 写真は↓

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蘇英09: ケンジントン宮殿

 ケンジントン宮殿は、ケンジントン・ガーデンズ内にある宮殿で、故ダイアナ皇太子妃をはじめ、現在でも皇族が実際に住んでいる場所でもある。

 その内部のごく一部分が公開されていて、そこを見物してきた。

 ここも、もうこの旅行ではすっかりおなじみとなった、音声ガイドつきの見学スタイル。各部屋を回りながら、音声ガイドの解説を聞いて(時には聞き流して)見聞を深めた。

 旅行も終盤となったこの頃には、私の中に中世~近代英国風のテイストへの新鮮味が、すっかりなくなってきていて、実はケンジントン宮殿を見学した印象も、「エジンバラのホリールードハウス宮殿と同じような(同じに見えるのはおそらく私の無学ゆえだろう)印象だな」という程度しかひねり出せなかった。

 ただその内部からは、ロンドンの空模様と同様に、どこか寒々しい印象を強く受けた。

 部屋や天井の広さ、豪華さに対して、調度品が少ないこと、照明が乏しいことなどが、現代日本の明るくも窮屈な住宅状況に慣れた目からすると、物悲しく映るのかもしれない。また、故ダイアナ皇太子妃ゆかりの地としては、最大のものの1つであるだけに、彼女を題材にした展示も数多くあったんだけど、物悲しい雰囲気の理由の一旦は、彼女の悲劇が生んでいるのかもしれない。

 一つ特徴的だったことは、展示のテーマの多くが顕著に女性的な内容、ということがあった。例えば社交ダンスのステップの仕方、ドレスの針子の様子、衣装、食器、などなどが豊富で、武器、兵器、勲章、王冠、錫杖などが頻出していたこの旅行では、特異に感じられた。

 写真は↓

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蘇英09: ケンジントン・ガーデンズ

 ケンジントン・ガーデンズは、有名な公園ハイドパークの西に広がる公園だ。ハイドパークとの区分けがわかりにくくて、ハイドパーク内をひたすら西進すると、気が付いたらケンジントン・ガーデンズにいる、というような配置になっている。故ダイアナ皇太子妃が住んでいたケンジントン宮殿があることでも有名だ。

 今回のロンドン訪問ではここでやっと、「初めての場所」を観光することになった。

 ロンドンの公園は、ハイドパーク、セントジェームスパーク、リージェントパークと歩いたけども、ケンジントン・ガーデンズはそれらに勝るとも劣らない、気持ちのいい公園だった。

 ロンドンは(というか、欧州はみんなこうなのだろうか?)公園が多くて、そのどれもが実に贅沢で広々とした敷地を持っている。これは素直に羨ましい環境だ。公園内は都会の喧騒とは無縁で、一歩足を踏み入れれば、今自分が世界都市ロンドンのど真ん中にいることを、完全に忘れさせてくれる。今いる場所が、かつて7つの海を支配した大帝国の中心部だとは、なかなか信じがたいほどだ。

 敷地内にあるラウンド・ポンドという、いかにも英国らしいそのまんま過ぎる名前の丸い池には、無数の水鳥がひしめき合っていた。人間慣れしているその水鳥たちは、恐れることなくこちらの足元まで来てくれる。うろうろと水辺を歩き、跳ね、飛び回る様子を、至近で目にすることができるのは心躍るものだ。

 おしりふりふり歩き回るガチョウやハクチョウの姿に、心癒されるのは万国共通らしく、白人も、黒人も、インド人も、日本人も、にんまりとその姿を見つめて、午後のひと時を静かに過ごしていた。

 写真は↓

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