MO2: Mortal Online 2を遊び終えての感想

 【総括】

 総括するとこのゲームの立ち位置は「大規模なギルド前提のゲーム」かな。Crowfallと同じ。UOとは違い「ソロでもギルドでも遊べるゲーム」では全くなかった。

 これは特徴であり、方針であるので、この方針に反するがゆえに、あえて搭載されていない、あえて採用されていないシステムがあることは、絶対的に悪いことではなく、あくまで個性だ。その方針が嫌なら別のゲームで遊べというようなことなのだろう。

 ただ、その方針がゆえに、私の中でこのゲームは、今、終わりを告げている。

 【良いところ】

 まず良いところを強調しておきたい。

 絶賛するけどPvP以外の部分は、UO以降のポストUOゲームや、UOの3D版と評されるゲームの中では、抜きんでて優秀だった。

 世界の広さ、綺麗さ、Chivalry式の戦闘、生産の多彩さ、スキルをコツコツ上げていける成長感のよさ、それらすべての要素の配置の仕方、世界への没入感。どれをとっても匙加減がちょうどよかった。作りたい世界への理想と、それを現実のMMOとして無理なく実装するための妥協とのバランスがよかった。UOから20余年が経過するとこうなるのか、という感慨すらあった。オープンワールドMMOの1つのお手本となりえるとさえ思った。おそらく資金的な問題で、どうしてもチープに思える部分も多分にあったものの、それを補って余りある個性が、そこにはあった。

 生産品にしても、スキルにしても、魔法にしても、なんなら日本語化にしても、まだ完全に実装が済んでいない要素は多い。未完成もいいところではある。でもそれが逆に、今後の発展への期待感になるくらいに、光るものを持っている。未来は明るい。

 最高の舞台が整った。

 のだが。

 【私にとって悪いところ】

 絶対的に劣っている、という意味の「悪い」ではなくて、私にとって不都合だったところ。それを言及したい。

 これはもうPvP関連の過酷さに尽きる。

 前述したように舞台装置は最高で、その世界の中で「狩人プレイだー」とか「冒険者プレイだー」とか「旅人プレイだー」とかのロールプレイをする余地が無限にある。

 であるにもかかわらず、実際にそれをしようと思うと、ただただ集団PKerに狩られるだけという、残酷な現実が待っていた。

 そしてこのゲームは、その残酷さをむしろ支援している。というか、それを抑止するシステムをあえて搭載していない。殺人や窃盗や馬殺しにシステム上の大きなデメリットは課されず、そういった被害に対抗するための姿を隠すような自己防衛スキルもない。逆の視点で見れば、そういったPvP的な衝突が発生した場合に、それができるだけ不発に終わらないように作られている。

 そこが私にとっては、大きな誤算だった。

 初期UOもMortal Online 2も、同じフリーPvPを採用している。でも、UOの場合、PKerに襲われても、もちろんなすすべもなく死ぬこともあったけど、即Recallしたり、隠れてやり過ごしたり、返り討ちにしたりできる余地があった。そしてシステム的に、襲う側にも大きめなデメリットがあった。そういった諸々が相まって、PKerが存在していても、ソロや少人数で生きていくことは、それなりに可能だと思える範疇に、ゲームバランスが収まっていた。

 しかし、Mortal Online 2の場合、UOにはあった「工夫さえすればソロでも生きていける」というような余地が、ほとんどない。逃げられない、隠れられない、返り撃てない。ソロや少人数で生きていくことは不可能だと断ぜざるを得ない。

 この現実に対抗するには、自分も群れるしかない。それも相手より、より多くだ。

 1人より3人のほうが強く、3人より10人のほうが強く、10人より30人のほうが強い。現実的と言えば現実的なのかもしれないけど、その数の論理を競うだけのゲームになっている。キャラを必要以上に育成したり、プレイスキルを鍛えることに意味はない。

 今はたぶん、3人に狩られている1人の人が辞めていっているフェーズだろう。この次は獲物であるソロプレイヤーが消え、狩られる側になった3人規模のプレイヤーが辞めていき、次に10人規模が辞め、30人規模が辞め、となって、最終的には超大型ギルドいくつかだけが残り、せっかくの可能性に満ちた舞台装置を使って、ChivalryやMordhau以下のクオリティーの戦闘を繰り返すだけのゲームになる、という未来があるのだろう。

 それを想像したとき、急速にこのゲームへの情熱が冷めてしまった。それが私にとっては悪いところだった。運営開発側の選んだ道なので、仕方がないのだろうけど。

 【悪いところ】

 普通に悪いところも、もちろんある。こうしてほしいなー、的なことがある。

 けど、まぁ、正直に言って、致命的に悪いと感じる部分は、そう多くはない、優秀なゲームだった。せいぜい初動時のサーバー騒動が問題だったくらいで、あとはオンラインゲームの悪習ではあるけど「永遠に開発中」なので、「今は未実装」という魔法のワードで済ませられることが多い。許せてしまう点が多い。

 戦闘面で言えば、「盾スタイルが空気」「弓騎兵の万能感」あたりが問題かな。でもこれも、人数を集めてPvPにいそしんでいる人たちにとっての問題であって、私のプレイスタイルでは、不利を気にせず剣盾スタイルで山賊に挑んだり、いっそ拳のみで戦ってみたりと、その時の気分でやりたいようにやってたので、あまり問題に感じはしなかった。

 本当に、ガワはいいんだ、ガワは。

 【まとめ】

 ってことで、Mortal Online 2。舞台装置は完璧だし、刺さる人(大規模ギルド員)には刺さるので、私においては終わったゲームだけど、案外細く長く続いていくゲームなのではないかな。前作もそういう立ち位置だったようだし。

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