今回試したのは、写真のもの。
カルディで買える「海南鶏飯の素」だ。
ここ数年で海南鶏飯、あるいはカオマンガイという料理の、日本での認知度は急上昇している。かくいう私も、この数年来、好んで食べるようになった。
そして、そんなご時世を反映するように、「海南鶏飯の素」というような商品も、今回言及するカルディのものだけではなく、いくつもの食料品メーカーから、相争うように発売されている。
でも、実際にそれらを自分で作ってみると、どのメーカーのものを試してみても、どうも美味しくはなかった。
いや、不味くもなかったんだけど、エスニック料理店で食べるものとは全く違った。いわば「変わり種炊き込みご飯」にしかならなかった。違う、これじゃぁないんだよ!
だからそれ以来、「海南鶏飯の素」のような商品には、見向きもしていなかった。
しかし、今回カルディで見かけた「海南鶏飯の素」は、事情が違った。
売り物としての属性は同じだ。ご飯を炊くための「スープの素」と最後につける「ソース」という構成。従来商品となにもかわりはない。違っていたのは、陳列棚における販売状態だった。
私が訪れた店舗では、「海南鶏飯の素」の隣に、ジャスミンライスが売られていたのだ。
以前、幾たびかの「海南鶏飯の素」での失敗で強く感じたのは、「結局これは日本の米だとダメなんだろうな」ということだった。長粒種の持つパラパラ感は、日本の米ではどうしたって出せない。
しかし、今この陳列棚には、それを解決できるかもしれないものがある! ソリューションがある! ジャスミンライスがある! これは試さないわけにはいかないだろう!
ってなわけで、カルディの「海南鶏飯の素」とジャスミンライスとの組み合わせで、今度こそはの思いを込めて、海南鶏飯を作ってみたのだった。
作り方はいたって簡単で、「海南鶏飯の素」と米と水と鶏肉を炊飯器に入れて炊くだけだ。
炊飯が進むと、やがていい匂いが部屋に立ち込めてきた。これは・・・エスニック料理店の匂いだ! ほんものの匂いだ!
異国の香りにいやがうえにも期待が高まっていった。
1時間ほどで炊飯は完了した。炊飯器から鶏肉を取り出し、スライスして、盛りつけたご飯の上に乗せた。
そして一口。パクっ。
・・・おお、旨い。
残念ながらお店の味には今一歩及ばない。当然だ。でも、以前に日本の米で作った「海南鶏飯」に比べれば、数段上の、つたないながらも、ちゃんと「海南鶏飯」と言い張れる程度には、本物感のある出来栄えだった。
言うなれば、以前のものは「海南鶏飯」ですらなかった。しかし今回のは紛れもなく「海南鶏飯」だ。付属のソースも、黒いほうは好みじゃなかったけど、白いほうはとても美味しかった。
あえて難を言うなら量かな。レシピ通りに米2合に鶏肉300gで作ったけど、米が多い割合に感じられた。ペース配分をミスっただけかもしれないけど、残り0.5合くらいは米だけで食うことになってしまったよ。
ともあれ、これはなかなかの成功体験になった。「海南鶏飯の素」もよかったけど、それにも増してジャスミンライスの勝利だ。食材そのものの異国感が、料理に新鮮さを与えてくれた。今までろくに使ったことがなかったけど、ジャスミンライスという食材には、料理次第でまだまだ未知の発見が眠ってそうだ。
新しい扉が開いた気がするよ。