カテゴリー別アーカイブ: 日記: 2009年04月

日記: 4月7日(2009年)

 まとめ買いした文庫本の2つ目を読破した。

 今回読んだのは、「奪取(真保裕一:講談社文庫)」だ。

 偽札作りを目論む青年の、友情と、情熱と、愛と、笑いの物語。もともと評判のいい作品だったので、まず間違いはなかろうと思って読み始めたんだけど、評判どおりに文句なく面白かった。かなり軽いノリの作品で、マンガやいわゆるライトノベルに近い感覚。活字慣れしていない人に本を勧める場合などにはもってこいだと思う。

 あえて文句をつければ、ややマンガっぽ過ぎるというか、ノリと勢いで突き進んでいる感がなきにしもあらずなのが気になったかな。背景設定や専門知識の描写が緻密なだけに、肝心の物語のネタ部分が大雑把なのが気に掛かった。99%まで細かく細かく積み上げていった舞台を、いざ切り抜ける段になると、最後にものをいうのは力押しというのがもったいない。もっとスマートに決着をつけてくれたほうが、ドラマチックではなくても私好みだった。ま、趣味の問題だけども。

 とはいえ、そんな細かい文句を無理やり探さない限り、非常に面白いエンターテインメント作品だったよ。面白さの種類としては、私の読んだ本の中では「走らなあかん、夜明けまで(大沢在昌)」に近いかな。これも大好きな作品だけど、それに匹敵する面白さだった。どちらもマンガ気分で気楽に読めるのが、疲れた日々にはちょうどいい。

 ってことで、電車通勤/学のお供に、Fly Dukedomは「奪取」をオススメするものであります。

日記: 4月6日(2009年)

 ネットブックの検討から数日。いろいろな検討を重ねた結果、チョイスしたのは、ASUSのN10Jcだ。

 N10Jcはネットブックというか、従前のモバイルノートの範疇になるのかな? スペック、性能、価格ともに、ネットブックと小型ノートの境目のような存在だ。多少のコスト&サイズ増よりも、性能を優先させた結果といえる。

 N10JcはAtom使用のノートで、ディスプレイは10インチクラス、ってことでベースのスペック的にはネットブックといえる。しかしそれに加え、グラフィック処理を独立したGeforceのチップで行っているという部分が、ただのネットブックとは一線を画すところだ。これでCPUが良ければ、完全な高性能小型ノートなんだけども、その部分をAtomにすることで気楽さやモバイル性能を主張しているのだろう。ネットブックブームに寄っているともいえる。

 N10Jcはもともとの搭載メモリは1GBなんだけど、そこだけは即攻で2GBに変更した。さらに、4Gamerに非常にためになるチューニングの記事があったので、それを参考にしてのカスタマイズも完了し、いざ使用だ。

 ・・・で、まぁいろいろやってみた。

【ブラウザ】

 まずはいきなりブラウザをIE8にしたんだけど・・・これはちょっと使いにくかった。何が使いにくいかというと、このブログの更新だ。文字入力時のフォームの自動スクロールがおかしくて、更新できたもんじゃないのだ。出先でのサイト更新は、このノートで想定している主用途のひとつなので、それが満足にこなせないのは、私にとっては問題外だ。いま、このエントリーはN10Jcで更新してるんだけど、途中からブラウザ上での入力をあきらめて、テキストエディタに打ったものをコピペする作戦に転換せざるを得なかった。

 ・・・って全然N10Jcと関係のないレビューだな。これではIE8のレビューではないか。

 えーと、とりあえず上記問題点を除けば、IE8を使ったWeb閲覧には何の不自由も重さも感じなかった。ネットブックの基本的な操作は、当然苦もなくこなせるようだ。逆に言えば、これができないようではネットブック以下といえる。

【タイピング】

 さて前述したように、この文章はすべてN10Jcで打ってるんだけども、小型だからといって別にキーボードは打ちにくくないね。デスクトップや、A4ノートで打つのと大差ないイメージで打鍵できる。ただ、ShiftやCtrlの位置やサイズにまだ慣れないので、括弧や記号類、英文上の大文字などを打つのが少々難しいかな。とはいえ全体として、キータイプにはまったく問題はないように思えるよ。

【ゲーム】

 まだ実はぜんぜん試してない。唯一試したのはEQ2だけど、さすがにEQ2は厳しくて、最低画質の設定でもFPSは一桁台だ。チャットや移動、生産くらいは、十分にできそうだけどね。当座のメインゲームであるEQ2が厳しいってのはちょっと残念だけど、これは想定の範囲内だ。6万そこらのモバイル機でEQ2がサクサク動くほどには、世間も進化していないはずだ。とりあえずは、ログインできる、くらいで満足しておこう。

 とはいえ世の中のレビューでは、「MHFくらいは余裕」「FF11もOK」らしいから、その辺では楽観視してる。EQ2以外の私がPCで遊びそうなことは、大抵できるんじゃないかな?

 というか、EQ2は数年前のゲームのくせに、どんだけハイスペック要求なんだろうか。

【動画】

 ニコニコ動画、OK。You Tube、OK。

 ・・・ただし、重いやつはコマ送りになる。たとえば、出撃SAtMが重い! その重い一部の動画を除けば、「とりあえず見られる」程度なら、とりあえず問題はないようだけど、重いってのは大問題だよなあ、とほほ。

 それと動画に限った話ではないけど、やはり解像度の壁は高く厚い。どうしても1画面に入る情報量が少なくて、動画サイトのような玉石混淆なところで、「あてもなく面白そうな動画を探すために眺める」というような動作をするには、自然とスクロールを多用せざるを得なくなるのが煩わしい。

 のだけど・・・。

【ポインティングデバイス】

 ・・・やはりタッチパッドは慣れないな。ネットでの情報収集力を左右する画面のすばやい遷移操作が、なかなか自在に行えない。今まで触ったタッチパッドの中では、わりかし素直な反応をするほうだとは思うけど、それでもマウス使用時に比べるとだいぶストレスがたまる。

 この記事を書くような、キーボード主体の作業はいいけど、ファイル操作やWeb閲覧などのポインタ主体のオペレーションには、素直にマウスを利用したほうがいいようだ。

【外観】

 ここへきていきなり外側の話。見た目はいい。薄いゴールドがかったシルバーと、マットブラック、それにアクセントにシルバーパーツと、そんじょそこらのプラスチックっぽいネットブックとは違って、高級感があり、所有欲をくすぐってくれる。惜しむらくは、カラーバリエーションがないことだ。そのせいで少し所有欲が低下する。

 サイズは店舗で比較したイメージだと、10インチモデルのEee PCよりもさらに一回り大きかった。とはいえそれほどの差でもなくて、「Eee PCが入るけど、N10Jcは入らない」というようなバッグは、世の中にそんなになかろうと思う。その程度の差。

 欠点は重さかな。6セルバッテリーゆえというのもあるだろうし、別個GPUをつんでいる影響もあるだろうけど、手で持ってわかるほどに、並んでいたネットブックの中では際立って重さを感じた。気軽におでかけに持っていく、というよりも、旅の機材、というくらいに明確に持っていく意図を持っている場合に初めて携帯する気がわくレベルだ。

 でもまぁ、見た目はかなり気に入っているし、そもそもこんなものを携帯電話のように「使うかどうかわからないけど毎日持ち歩く」ようなつもりもないから、問題はないとしよう。

 あ、あと発熱も気にならないレベルかな。これは酷使していないので、まだわからない。

【付属品】

 マウスと、ACアダプターと、キャリーバッグがついてきた。

 マウスは小型でケーブルを収納できるタイプ。モバイルマウスを持っていなかった私としては、余計な追加投資がいらなくて助かった。

 ACアダプター。比較しようがないけど、さほど大きくはない。可もなく不可もないんじゃなかろうか。でもマックのノートのような洗練されたデザインでも、もちろんない。この辺だけは、マックを見習って欲しいんだけど、コストの問題なのかなぁ。

 キャリーバッグは、申し訳程度のもので、「包める」だけと思ったほうがいい。耐衝撃性も耐圧性もまずなさそうな頼りない造りで、過酷なシチュエーションにこのバッグで持ち込むのは自殺行為だ。これなしで500円でも値引いてくれたら、喜んで手放すところだ。

 ちゅーことで、半ば衝動買いに近い行動で手に入ったN10Jc。全体として好感触で、辛めにつけて75点くらいかな。なかなかいいおもちゃになってくれそうなので、こそこそと非実用的な作業にあてがってみる所存だ。ぐふふ。

日記: 4月2日(2009年)

 ネットブックが欲しくなってきた。・・・ような気がする。

 欲しいは欲しいんだけど、なぜテンションが低いかというと、過去にノートPCを買って成功したことがないんだよね。漠然とした所有欲から、デバイスとして欲しくなって手に入れても、案外・・・というか全然使う機会がないまま時間が過ぎていって、結局ろくに使わないうちにPCの性能が時代遅れになってしまう。だからネットブックが欲しいという思いはあるものの、今回も同じ轍を踏みそうで、どうにもテンションは低いのだ。

 でもまぁ興味はあるので、ちょっと物色してみたよ。

 まずネットブックでなにがしたいかというと、1)出先でネット、2)出先でデジカメ等のデータストレージ、が大前提で、できれば、3)出先でちょっとしたゲーム、だ。ゆえにこだわるのは、a)容量、b)スペック、程度であり、付随する部分として、c)携帯性、d)デザイン、といったところになる。

 ってことで見ていったんだけど・・・ネットブックってスペックが同じようなのばっかりだな! OSがXPかVistaか、ストレージがHDDかSSDか、液晶サイズが10インチか8インチか、その程度にしか目立った差がない。あとはキーボードとか、タッチパッドとか、ウェブカメラとか、電池とか、その辺にも微量な違いがあるようだけど、とりあえずXPでHDDのモデルなら、私の要件は満たせそうだ。さて・・・。

 うーん、全然どれがいいのかわからんな。type-Pとかはネタとしては面白そうだし、高価なぶんすさまじく所有欲を揺さぶるんだけど、Vistaってのがありえない。残念。Eee PCは元祖なだけによさそうだけど、ヒネクレモノとしては定番をつかみたくないのと、ASUSと個人的に相性が悪いので敬遠。でもそれ以外にはほとんど決定打がないなぁ。

 これだけスペック横並びだと、店頭で、打鍵感、サイズ感、色、質感、デザイン、といった「そとがわ」をキーにして決めるモノなのかもしれないなぁ。うおー、めんどくせー。調べていくうちにまたテンション下がってきたわー。