日記: 10月6日(2015年)

 ここ数日ツイートなどで断片的に報告をしているので、ご存知のかたもいるかと思うけども、納車をしたと思ったら、早速事故ってしまった・・・。
 
 相手方もいることなので、写真や特定可能情報は極力避けつつも、報告・記録として大雑把に経緯を記載しておこう。

 その夜、私は首都高にて、停まったり進んだりの渋滞に巻き込まれていた。

 あー、渋滞はめんどくさいのー。しかし、バイクに比べるとオートマ車で巻き込まれる渋滞は楽チンじゃのー。すり抜けられないけどのー。でもオーディオも聞けるし苦しみは軽減されるのー。

 などと思っていたら、突然。

 ごん!

 すさまじい衝撃が後方から車内を伝わった。

 直感で「カマ掘られたな」と思った。と同時に、玉突きにならないようにフルブレーキ。走行速度が低かったので、幸い前車にはぶつからずに済んだ。

 安全を確認しつつ車を完全に停止させ、後ろを振り向くと、数メートル後方にフロント部分がひしゃげた乗用車がハザードを出して停車していた。そのひしゃげ具合は他人の車のものではあったが、同じ衝撃が自分の車のリアにも加わっていることが推測されたため、自分の車を映す鏡のように感じられ、実に痛々しく見えた。

 ここまで車の心配ばかりをしていた。自分の体はどうだったのだろうか。よく覚えてはいないものの、シートベルトのストッパーが働くまでもなく、自分のバランス感覚だけで吸収できる程度の衝撃だったようだ。車体のクラッシュと、車両の移動とが、衝撃の大半を吸収したのだろう。この時点で目立った自覚症状はなかったし、あとから出そうにもなかった。これは幸いだった。

 安全を確認し、下車した。いままでにニュースなどで見聞きしてきた、高速道路上に安易に下車することで発生する数々の悲劇を思い返しながら、細心の注意を払うことを忘れなかった。

 相手方の車から下車した男性が近寄ってきた。相当気が動転していたのだろう。顔面蒼白といった風だ。申し訳ありません。お怪我はないですか。いろいろと声をかけられたが、こちらはまず安全の確保を優先したかった。

 「三角表示板と発炎筒を置いてもらっていいですか! うちのはトランクがつぶされたせいで出せないんで!」

 この時点でほぼ間違いなく、こちらは完全に無過失の追突被害者である、と確信していた。そのため加害者であるところの相手方に対しては、どうしても語気が強くなる。このときは事故直後ということもあって、ほとんど部下を叱責する口調だったと思う。

 私に安全確保の行動を要請された男性は、はじかれるように自車に戻り、発炎筒と三角表示板を設置し始めた。高速道路の路肩に立ち、ぼーっとその様子を眺めながら、自分の車両も遠めにチェックをする。

 リア部分は悲惨なほどつぶれていた。トランクドアは「く」の字に曲がり、バンパーは歯で噛んで潰したストローのようにぺしゃんこになっている。テールランプの透明プラスチックカバーは吹き飛び、道路に散乱している。私の愛車のテールランプカバーの残骸が、隣の車線を走る車列によって次々と踏み潰され、ざらめのように粉々に散っていく様子を、悲しみと申し訳なさの入り混じった感情で見つめていた。

 安全確保の行動を終えた男性に、続いて警察に連絡をさせた。自分でさっさと連絡をしなかったのは、「できるだけ加害者のお前が労力を払え」というような、狭量な感情に支配されていたからだ。

 しかし、男性が警察と電話をする様子を隣でしばらく見ていたのだが、これがまたさっぱり要領を得ない。動転しているのかもしれないが、話の進みが遅すぎるし、受け答えもなんだかどんくさい。なにより真実ではない情報が伝達されそうで怖くもあった。だんだんイライラしてきて、結局途中で私に電話を変わってもらってしまった。警察にてきぱきと現状や事故現場の説明を行い、速やかに手配を完了させた。この行動には、自分のほうが格が上だぞ、という姿を見せ付けたい気持ちがあったのかもしれない。今思えば余計な行動だった。

 警察を待つ間に、保険屋への連絡を行った。数週間前に入ったばかりの通販型自動車保険。この時点では混乱していたので、加入直後にいきなり保険を使うことになったことについて、運がいいような悪いような複雑な心境でいた。でも今にして思えば当然ながら、保険屋の対応はそれ以前のものだった。

 どんな事故でしたか? なるほど。そうなりますとお客様の支払いはない方向で処理される可能性が高いですので、こちらが対応することはないかと思います。もし何かお困りになりましたら、また改めてご連絡下さい。

 あぁ、そうか。私に責任がないので、その責任を肩代わりする保険屋の出番もないわけか。そらそーだよな。いざという時の相談をする可能性がゼロではないものの、このケースでは保険を使うという発想自体が、基本的には不要だったわけだ。

 とはいえこの時点で、予想していた私の無過失が、第三者の意見で裏付けられたのは心強かった。

 あっさりと保険屋との会話が終わってしまったので、あとは警察の到着を待つだけとなった。車両の状況の確認などを行いたい気もしたものの、慌てて危険を犯すことは避けた。最低限ガソリンが漏れたりはしていないようなので、今得る情報はそこまでにして、路肩で待機を続けよう。車両の詳細な検分は、警察がガードしてくれてからでも遅くはない。

 警察を待つ間に、相手方の男性がきて、また謝罪やら何やらをされたが、この時点では煩わしいだけだった。追突に悪気はないのだろうが、感情は別問題だ。やはり直後にいい感情は抱けない。それにここでしおらしいことを言っていても、いざ賠償交渉になったら面倒くさいことを言ってこないとも限らない。甘い顔はできなかった。

 それでもあちらが接触を続けてきたので、お互いの過失を確認した。というかさせた。私が急ブレーキを踏んだというような事実はなく、まるで私に落ち度はなく、相手方のミス100%だと確認し合った。口頭とはいえ言質を取った。録音したろか、とも思ったがそこまではしなかった。接触をしている限り、自分が嫌なことしか言えないとわかっていたので、そのあとはしばらく距離を置いた。

 警察がやってきて、事情聴取をおこなった。相手方と別々に行ったのであちらがどういう感じだったのかはわからない。こちらは淡々と状況説明を行った。警察からも、こちらの保険屋が出てこないであろうことなどを、遠まわしに言われた。これも私の無過失を裏付ける態度におもわれ、また自信がついた。

 警察に単刀直入に、0-10で賠償責任はないですよね、と訊いたが、確たる返答はしてくれなかった。保険屋が決めることなのでそれは言えない。言えることがあるとすれば、道路交通法上、直進走行中の運転手には後方の安全確認義務はないということだ。そこで察してくれ。と言われた。なるほどね。

 全ての事情聴取が終わり、連絡先の交換も終えた。

 車両の確認を警察にしてもらい、どうやら自走できそうだということで、私は自走して帰ることになった。相手方の車両は、ひょっとすると自走できないかもしれない。フロントタイヤとつぶれたフロントフェンダーが干渉しているようにみえた。レッカーを呼ぶとなると、コストがかかって大変だな、と薄っすら思ったが、私には関係のないことだった。

 事故車両を走らせるというのは、若干の恐怖があったものの、走り出してしまえば事故の影響はあまり感じられなかった。車内から見た愛車はほぼ今まで通りで、あの事故がウソのようだった。しかし、それを思い出させてくれるのが、排気音だった。

 どうやら事故の影響でマフラーを損傷してしまったらしく、定期的にマフラーから破裂音がする。「マフラーは静をもって尊しとす」の精神を持つ私としては、破裂音が道路に響くたびに嫌悪感がこみ上げた。

 なんとかその日は20kmほど自走して自宅駐車場に帰還した。そして後日、リアボロボロ&破裂マフラーの愛車に鞭打ってディーラーまでさらに自走し、めでたく入院と相成って今に至る。退院時期はきっとクリスマスあたり、いや下手をすると来年になりそうとのことだった。

 また、相手方保険屋からは0-10として全額賠償の旨が通達されていて、今はディーラーと保険屋との交渉フェーズに移行している。私は待つのみだ。

 やれやれ。

日記: 10月6日(2015年)」への4件のフィードバック

  1. Awayuki

    まずは怪我が無くてよかったですね。
    基本的に車は正面のオフセット衝突とか前面の部分の衝突安全性は煩く言われているが、後ろの追突に関しては余り厳しくないのですよ。
    特にコンパクトカー系だと後部座席に乗っている人の追突での死亡率が非常高く最近欧州の方では問題にされて来ているくらいなので、そういう車では追突されるというのは運転席でも結構危険性があります。

    ちなみに事故での怪我についての保証は車所有時に強制的に支払う自賠責保険が出ているので保険会社の懐は殆ど痛んで居なかったりもする・・・弁護士が介入すると出る保険金が上がるのは弁護士がきちんと積算するだけではなく、この辺りの事情もあったりと・・・・
    今回は物損だから関係ないけどね。

    返信
    1. Nez/蝿 投稿作成者

      確かに衝突実験映像の入ったCMなんかでも
      正面衝突シーンばかりだね。
      そういう意味では五体満足でよかったよかった。

      あとは早く愛車が退院してくれるといいんだけど、
      そればっかりはなかなかうまくいかなそう。

      返信
  2. しちみ

    ご無事でなによりでした。
    ただ、ダメージが後から出てくることもあるのでくれぐれもご用心を・・・

    最大の問題は今のところミニですね
    シャシにダメージが行ってないことをお祈りしています

    それから、冷たい対応に心が痛んでいらっしゃるようですが・・・
    うちの父が自己にあった際、相手は保育士の女性だったのですが、会うととても低姿勢なのですが、いつまでたっても金を払わず無保険で、挙句の果てに金が無いと言い出す始末でした

    相手がどんなに低姿勢でも気を緩めず、冷たく淡々と対応する。
    それこそ正しい対応だと思ってます

    返信
    1. Nez/蝿 投稿作成者

      ご心配ありがとうございます。
      世の中いろいろな人がいるから油断は禁物ですね。
      今回の相手方が常識的であることを祈るばかり。
      まぁ、すでに交渉相手が保険会社になっているので、
      相手方の性格によって運命が左右するフェーズは超えたはず…。

      返信

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