日記: 11月7日(2015年)

 先日「いきなりステーキ」なる立ち食いステーキチェーン店に、はじめていってきた。

 不祥事で一気に株を落とした、あのペッパーランチと同じ経営母体による、新しい業態のステーキハウスだ。

 そこそこに評判がよいらしく、このところ雨後のタケノコのように、ニョキニョキとあちこちに新店舗が開店している。であれば、そろそろ私も体験しておきたいな、と常々思っていたところ、ちょうど仕事帰りに店舗があったので、これ幸いと立ち寄ってみた次第だ。

 作法がよくわからなかったのだが、店員さんに初来訪である旨を伝えると、親切に注文手順を教えてくれた。

 それによると、1)あてがわれた自分の席(といっても立ち食い席だが)でサイドメニューを頼み、2)おもむろにカット場に出向いて肉を頼む、という2段階注文制度らしい。なんだかちょっぴり面倒くさい。

 私はとりあえず肉を食いたいだけだったので、サイドメニューはスルーして、カット場に向かった。

 ―サーロインを300gください

 カット場の人(包丁をブロック肉にあてがって)「300gですとこのくらいの厚さになりますがよろしいですか?」

 ―よろしいです

 カット場の人(肉を切断し、測りにのせる)「295gですがよろしいでしょうか」

 ―よろしいです

 カット場の人「焼き加減はレアがお勧めですがいかがいたしましょうか」

 ―じゃあレアでお願いします

 ・・・ってなやり取りを経て、注文が完了した。

 その後、結構待たされてから、焼きあがったステーキが、私の席に運ばれてきた。

 ビジュアル的には写真の通り、何の問題もない。というか、実においしそう。つけ合わせなどは最低限、と言った感じで見た目には寂しいが、肉だけが食いたい私にとっては、むしろ好ましい。

 そして食う。

 ふむふむ、美味い。肉! 肉! これが食いたかった! と期待を裏切らない一品だった。安肉にありがちな、あちこち筋張ったりしている、というようなこともなく、どこをとっても柔らかい、普通にいいお肉だった。

 とはいえ、冷静に考えると、このサーロインステーキは1グラム7円という価格設定だから、100グラム700円ということになる。グラム700円スーパーで買ったら普通はA4以上の肉につけられる値段になるわけだから、そうそう質の悪い肉のはずもない。そう考えると、お買い得感も目減りしてしまうな。

 さりとて、300gで2100円のステーキというのは、その辺のファミレスのステーキを注文した場合に比べれば、やっぱりお得感がある。それでいて肉の質はファミレスの平均値よりも良いように感じられたのだから、そう考えれば悪くない。

 ってなわけでいきなりステーキ。自炊に比べると割高だけど、外食としては割安に、手間も時間もかけずにステーキを楽しめるという点で、そう悪くない立ち位置にありそうだ。今後も、頑張った自分へのご褒美、というような使い方で、機会があれば使っていくことにしよう。

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