台湾旅行で食べてきた料理に「魯肉飯」というものがあった。ミンチ状の脂身でつくった豚の角煮(ミンチ状なので角ではないが)をかけたご飯、というような料理だ。詳細な定義についてはWikipediaでも参照されたい。
で、これが実に美味かったんですな。庶民的なジャンクフードといった位置づけのもので、日本における立ち食いそばや牛丼のような、B級グルメの醍醐味が詰まった料理だった。これは是非日本に帰ってからも食いたい。そんなことを思って、自作してみたりもしたんだけども、やっぱりどこか違う。いや、かなり違う。くそう、あれを食いたい、食いたい、食いたい。
ってことで、今度はアプローチの仕方を変えて、魯肉飯の通信販売でレトルトを購入してみたよ。
それが今回紹介する鬍鬚張魯肉飯(ひげちょうるーろーふぁん)のレトルトだ。
鬍鬚張魯肉飯は、台湾の有名な魯肉飯チェーン(たぶん)で、日本における吉野家や松屋に相当するような店だと思われる(たぶん)。私も先の台湾旅行では、民権西路駅近くの実店舗で食べた。正直チェーン店ということもあって、お気に入りの食堂のものには劣るものではあったけど、当然、私の自作したまがい物に比べれば、比べるのも失礼なほどに本物の魯肉飯だった。
その鬍鬚張魯肉飯が通信販売をやっているということで、今回注文してみたのだ。
この通販。どうもそんなに頻繁に注文があるようなわけでもないらしく、注文から到着までに10日以上かかるという、昨今の通販事情では珍しい、昭和の通信販売的な対応だったんだけど、こちとらレアな客であることは十分認識しているので、それしきのことでは慌てまい。
で、やっと届いたものは、普通の例えばカレーのレトルトと同サイズの、一見極普通のレトルトパウチだった。中身がカレーやパスタソースだといわれても疑わない。これを湯煎で2、3分あたためて、白米にかけて食えばいいらしい。まぁ、やってることは完全にレトルトカレーやパスタソースと同じだ。
ワクワクしながら指示のままに湯煎をして、白米にかけた。立ち上る香りは、六角というか、五香粉というか、とにかくやはりどこか独特な中華の香りで、「これだよ、これ」と思わずつぶやいてしまった。
内容は少々、というか、かなりつゆだくで、すさまじい量の汁とともに具がご飯の上に載った。このつゆだくっぷりは少々過剰だな。ご飯の量にもよると思うけど、次からは投入量を調節したほうがよさそうだ。
ご飯の上には、米粒大の脂身と極少々の赤身とが乗っている。とても貧相なその様相は、しかしそれこそまさに私が求めていた、台湾であの日みたビジュアルだった。期待が高まる。
いざ食う。
うまい!
豚の脂と、醤油と、香辛料と、よくわからんが複雑な出汁と、そんなものが絶妙に混ざり合った味覚。やっぱり中華料理はすごいな。こんなクズみたいな肉片を、こんな美味いものに化けさせるとは。これぞB級グルメの真骨頂だ。
あっという間に大盛り一膳分ほどの魯肉飯を完食。魯肉飯通販作戦は、大成功に終わった。
1つ懸念することがあれば、やっぱり健康かな。これ、基本的に「味のついた動物性脂肪」で飯を食うというもので、要するに脂飯ということになる。完全にメタボ食だ。美味いものを食うために生きているという、私のような人種でなければ、ひょっとすると眉をひそめるかもしれない。
しかし、Fly Dukedomでは鬍鬚張魯肉飯を応援しています。
カロリーの事は気になりますが、ガッツリ食べてみたくなりました(´ー`)
日本でも専門店とかでお手軽に食べられないかなぁ♪
がっつり食ってOK!
専門店はわからないけど、都内だといくつか食える場所はあるみたい。
ひげちょうも昔は都内にあったらしいけど、不人気で撤退したそうな。