2日目の夜は、プライムリブが旨いと評判のレストラン、Chuck’s Cellarに行った。
プライムリブには1つ思い出がある。
その昔、カナダ旅行に行ったときに、はじめて「プライムリブ」という単語を目にした。その時は、きっとこれは単なる肉の部位名であって、その部位を焼いたステーキが出てくるのだろう、と思って気軽に注文した。しかし配膳されて出てきたのは、半分生の肉だったから驚いた。旨いは旨かったんだけど、実はそのときは「なんだこれは」という警戒心が強くて、落ち着いて味わうことができなかった。
その後、ウェブで調べてみればなんということはない、米語圏で言うところのプライムリブとは、英語圏で言うところのローストビーフとほぼ同義であるということだった。なーんだ、そうだったのか。ローストビーフだと思えば、もっと楽しめたのになぁ。プライムリブに正面から挑めなかったことは、1つの後悔として心に残っていた。
あれから5年。ついにそのリベンジをすべく、今回の旅行でChuck’s Cellarに挑んだのだ。
店名の通り、店は地下室(Cellar)で薄暗い。ワインセラーのような酒の貯蔵室を模したような内装になっていて、雰囲気がある。日替わりで生演奏も行われていて、さらにいいムードだ。
が、店内は驚くほど混雑していて、にぎやかだった。それも日本人客が多い。わいわいがやがやとしていて、せっかくのシックな雰囲気は5割減だ。自分もその一員だから、文句を言う筋合いではないんだけどね。しかし事前の調査では、どちらかというと少なくとも日本人には知られていない穴場、のような評判だったんだけどなぁ。これは過去の話だったようだ。
それともう1つ特筆しておきたいのは、冷房がガンガン聞いていて寒かった、ということだ。常夏のハワイとはいえ、3月の気候はせいぜい日本の6月くらいのもの。そこで設定温度18度以下だろう、というレベルの冷房直撃は、なかなかにしんどかった。
さて注文したのは、もちろんプライムリブ。
この店はメインを注文すると、サラダバーとスープバーとパンとがついてくるので、メインが出来上がるまでは、これらで間をつないだ。ハワイ滞在中の食事では、わりと野菜が取れないので、そういうことを気にする向きにはもってこいだろう。
そして待ちに待ったプライムリブがやってきた。
小さいほうのカットを選んだので、たったの336グラムだ。多いわ!
かつてカナダで遭遇したのと同じ、いやそれ以上の生肉然とした風貌(レアで頼んだからな!)。あの時は未知との遭遇で一歩引いてしまったけど、今はそれが頼もしい。
切って、食う。やわらかい。うまい。
たぶんカナダで食べたものも同等においしかったと思うんだけど、心理的に安心しているかどうかで、やっぱり印象は大きく違ってくる。料理の素性がわかったうえで食べている今回は、なおさらうまい。うまい。うまい。
正直料理としては大味といえば大味で、和牛ステーキのようなレベルではないな、と思うんだけど、この大味さを野趣あふれる味と解釈して、野生の肉に溺れよう。
切っては食べ、切っては食べしているうちに、最初はきついかな、と思っていた336グラムを、しっかり食い切ってしまった。ペロリ、とまではいかないものの、無理ではない量だった。
付け合わせに選んだ、マッシュポテトともども無事に皿を平らげ、会計とともに過去の後悔をも清算して、気分よく店を退出した私なのでした。
ごっつい肉がなかなか出てこないので調子でも悪いのか心配したがこれで安心!
ふふふ。安心してください、食べてますよ。
でもハワイは肉が多いというよりは、飯が多いというイメージだったかな。
日本の影響なのかパンよりライスをよく見たけど、その量が多かった。