年齢がいくつになっても「やったことがあってもおかしくないのにやったことがないこと」というものはある。
今回の私のそれは「集荷してもらって荷物を送る」だった。
きっかけは古いPCデスクだった。
2018年にPCデスクを買い換えた、ということはリンクの記録の通りなんだけども、買い換えたあとも、もともと使っていた古いPCデスクは処分せず、家の中の別の部屋に放置したままだった。いつか使う日がくるかもしれない、というような考えで捨てられずにいたのだ。
そんなPCデスクにも、いよいよ脚光を浴びる時が来た。
テレワーク華やかなりし昨今。自宅のみならず、実家でもテレワークを行うことが増えてきた。しかし実家のPC環境は、そのスペックこそ自宅に比肩しているものの、設置してあるPCデスクがかなり貧相で、作業しにくいものだった。
どんなPCデスクかといえば、ホームセンターで4800円くらいで売ってそうな、華奢でコンパクトなPCデスクだ。キーボードやマウスを置く場所を、スライドして出すようなデザインの、「誰が買うんだこんなヤツ」と我々コアゲーマーが思うような、アレだ。両親だ。両親が太古の昔に買ったのだ。一言相談してくれれば、と当時思ったものだけど後の祭りだ。
とはいえ実家のものだし、買ったからには使わないともったい。ということで10数年にわたって、実家のPC環境には、呪いのアイテムのように、この「貧相なPCデスク」が付いて回っていた。
しかし、テレワークを機に実家のPC環境をヘビーユースするようになると、さすがに耐えがたきを耐えられなくなってくる。それに、この「貧相なPCデスク」も、10数年も使ってやったのだから、さすがにもう使ってやる義理もないんじゃないだろうか。
そこで思い出したのが、この自宅の旧PCデスクだ。
これは一線を退いたものの、まだまだ使えはするものだし、長年私の主戦機を支えてきた歴戦の古強者。実家にこれをもって行って使えば、問題の多くは解決するに違いない。
ということで、前置きが長くなったけど、要するにこのPCデスクを集荷して、送ってもらった、というのが今回のストーリーだ。
まずPCデスクを分解し、前もって用意しておいた段ボールに詰めた。
梱包サイズは96*80*14cm。重量は30kg弱。といったところに落ち着いた。
分解して梱包するだけで、結構な重労働。ちょっと休みたくなってしまったけど、ここで作業を止めては、部屋のオブジェとして放置されるものが、PCデスクから、段ボールの塊に代わるだけになってしまう恐れがある。ここはひとつ勢いに乗ったまま、発送までこぎつけなければ。
さて、しかし、うーん。
これをどうやって送ってもらったらいいのかな。やったことがないのでよくわからないぞ。ネットオークションで物を売る、とかいうこともしないので、荷物を送るということに関して、自分はかなり無知なのだ。
その辺を理解するために、クロネコヤマトのホームページを熟読し、勉強を開始した。荷物を送るといえばヤマトで間違いないだろう。信頼と実績のクロネコヤマトだ。
まずはサイズからくる規格・値段だけども、このサイズだと、クロネコヤマトの規格では「宅急便」では対応できず、「ヤマト便」というちょっとお高いコースになるらしい。ふむふむ。
とはいえ、それでも値段は2500円前後に収まるようだ。自力で車で運ぶとしたら、高速道路料金とガソリン代とで3000円は超えるので、十分お値打ち価格だ。もちろん、実家で新しくPCデスクを買うよりもはるかに安い。そしてそもそも、この荷物はミニには入らない。
よし、ヤマト便で荷物を送ることにしよう。
次に荷物の送り方だ。
普通の宅急便や小包であれば、コンビニにでも持って行って、伝票をもらって、書いて、貼って、支払って、預ければいいのだろう。しかし、ヤマト便となると、コンビニではお願いできないようだし、かといって30kgもの重量物を、自分で担いでヤマト直営店に持っていくのも、現実的ではない。それをヨシとするようなら、ある意味実家にも自力で運べてしまう。苦労はしたくないから依頼するのだ。
で、さらに調査を進めると、「集荷」というシステムがあるとわかった。いや、知識では知っていたけど、自分で使うことはなかったから、生きた情報としてはよくわかっていなかったのだ。
ヤマト便の場合、集荷の依頼は電話でするらしい。さっそく電話をしてみた。
自動応答の「~の場合は1を、~の場合は2を」ってなやつを解き進めていった。「集荷のご依頼は1を」。これだ。1。
ぷるるるるる。ぷるるるるる。
ガチャ。
ヤマト「AIがお答えします」
えええ。まさかのAIが電話口に登場した。電子音声が応対してくる。これはすごいな。ヤマト、ここまで進んでいたか。
でも、すごいな、とは思ったものの、こちとら集荷依頼が初めての素人さん。人間のオペレーターにいろいろ聞いてから依頼したい。納得が欲しい。
AIオペレーターとの会話は10秒足らずで即座に打ち切り、「その他のご依頼は3を」でつなぎなおして、人間のオペ子さんと会話をして、集荷の依頼をすることにした。
結果からすると、諸々納得して集荷の依頼を行うことができた。その後の展開も早く、電話をしてから2時間後にはヤマトの集荷担当の方が訪問してきて、荷物を預けることができ、その場で伝票記入、送料の支払いまで完了した。出前迅速。
ということで、私のはじめての集荷体験は終わった。手馴れた人にとっては普通のことかもしれないけど、いや、これはすごいシステムだな。電話して、2、3時間待つだけで、デカい荷物を持って行ってくれて、さらに数日たつとそれが遠隔地に届くとは。
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