2002年、日韓ワールドカップ終了直後に、Online Strikerという名の、サッカー選手22人を別々のプレイヤーが操作するというシステムを持つ、新しいオンラインゲームのαテストが始まった。
αテストの目的は、このゲームの可能性を世に示し、企画そのものの買い手を捜すという、なかなか豪快なものだった。
開発会社のこの自信ありげな売り込み方法にたがわず、Online Strikerのオンラインゲームとしての出来は、プレイヤーを選ぶという面こそあったものの、なかなか優れたもので、一部のコアなオンラインゲーマーの間で、その人気はたちまち上がっていった。日韓ワールドカップの余熱と、当時では斬新なコンセプト、加えてαテストゆえの無料サービスという点がうけ、サービス開始から数週間は、用意されたサーバーの絶対数(=試合会場)が少なかったこともあって、ゲームに参加するだけでも困難、という盛況っぷりを示した。
開始直後の混乱期が去り、さすがに参加不良が発生するほどの盛況さはなくなっていったものの、依然として試合が夜半過ぎまで行われる日々が続き、やがてプレイヤー主催の大会やリーグ戦も、催されていくようになっていった。プレイヤーコミュニティの形成、プレイヤーチームの結成など、ゲームの外殻を形成する諸事も、みるみる発展していったのである。
かくいう私も、このゲームにどっぷりはまり込み、おそらくその年の年末まで、プレイしなかった日は数日しかなかったんじゃないか、というほどにプレイを重ねていった。
その後このゲームは、開発会社の売込みが功を奏し、スクエア・エニックスに買収されるという成功を収めるに至った。プレイヤーたちも、プレイヤーにかなり近いスタンスを取っていた、いわば親愛なる開発会社の成功を喜び、スクエア・エニックスという大会社の支援によって、Online Strikerが更なる発展を遂げるであろうことに期待した。
しかし、それから3年。Online Strikerはスクエア・エニックスに買収され、αテストが終了してからというもの、世間に露出することが次第に少なくなっていき、いまやその存在自体が忘れ去られてしまうまでになってしまった。
業を煮やしたOnline Strikerを愛したプレイヤーたちは今、同コンセプトのフリーなオンラインゲームであるDream Cupへとその活動拠点を移し、Online Striker亡きあとの欲求を解消している。
Online Striker好きが、Online Strikerの代替物として作ったDream Cupは、リリース以来改善に改善を重ねていった。そして今や、Online Strikerを超えているかもしれない域に、個人製作のフリーウェアとしては最高レベルの域にまで達している。いや、ある部分では実際に、Online Strikerを超えているといっていいだろう。だから、もういまさらOnline Strikerが復活したところで、あまり歓迎されないかもしれない。企業ベースのリリースとなり、プレイが有料となれば、その可能性はより顕著なことだろう。
でも・・・。でも、だ。
日韓ワールドカップから4年。あの時と同じワールドカップの余熱を感じる時期になり、妙にOnline Strikerのことが思い出されてならない。鈴木に、中田に、稲本に、宮本に自分を見立て、なかなかつながらないサーバーと、おかしなボールの挙動を眼前にしてなお、擬似空間でサッカーボールを追いかけた、あの頃の熱い想いが懐かしくてたまらない。そんな今日この頃なのであった。
昔あった・・ネットゲームのわくわく感が
今では感じられなくなった・・という話しを
したら「年くったね」で終わるのだろうか。
確かに年食ったと思うし、あえて言うなら、
今時のゲームについていけないのだけれど・・
あの頃、みんなが感じてた(・・と思われる(w )
「技術」に対するワクワクした気持ちを、
再び味わってみたい。
オンラインゲーム限界論については、
http://flydukedom.rdy.jp/flydukedom/2006/02/282006.html
のとおりな気分。
技術は・・・そーだなー。
4人プレイが8人プレイになるとすごく進歩した気になるけど、
1000人が10000人になっても進歩を実感できない。
そんな感じかなと。