この時期に出かけるのは、基本的には自殺行為だ。特に私のように、ただ単に道路を走って、旅気分を味わって、どこにもよらずに戻ってくるような放浪趣味で出かけることは、単なる渋滞体験をもたらすだけになるので、断じてオススメできない。
にもかかわらず、やっぱりせっかくのお休みなので、空いている早朝に出かけ、昼に戻ってくるというプランで行ってきた!
コースは、新奥多摩街道を西進し、武蔵五日市から秋川渓谷沿いを走り、払沢の滝までいって、南下して南秋川渓谷を経て、奥多摩湖には向かわずに上野原まで下って、東京へ戻るというミニプラン。
何度か通ったことのあるコースなので、これといって真新しいことはなかったけど、自然の中を走って帰ってくるのは、いい気分転換になってよかった。少しシールドを開いたヘルメットの中に入ってくる空気が、夏の高原のそれのような、深い緑の薫りになりつつあって、季節の移ろいを感じることが出できたよ。
私はいつものように、恐ろしくのんびりとマイペースで走っていたんだけど、そうすると次から次へと私を別のバイクが追い抜いていった。特に奥多摩湖が目前に迫る、南秋川渓谷沿いではその傾向が甚だしくて、多くのライダーが私を猛スピードで追い抜いていった。ここでちょっと笑ってしまったんだけど、私を猛然と数台のバイク軍団が追い抜いていったと思ったら、その数百メートル先で警察が網を張っていて、追い抜いていったバイク軍団が一網打尽に捕まってうなだれている、というのを目撃したりもした。でもまぁ、それは瑣末な事件だ。
その後国道20号で、シャレにならない渋滞が10kmほども続いていた下り車線を横目に、がらがらの上り車線を東京方面へ走り、帰路についた私は、「あぁ、やっぱり連休にはうかつには出かけられないな」と痛感したのでした。