カールトン・ヒルは、エジンバラ中心部のほぼ西端に位置する丘だ。街の中心部からそう距離もなく、気楽に歩いてエジンバラ市街の眺望を楽しめる場所だ。
・・・というはずなのだけど。
私の場合、ホリールードハウス宮殿から向かうという経路が失敗だった。
ホリールードハウス宮殿からだと、直線距離に近いルートが(少なくとも地図上では)ないのだ。そこでやむなく直線距離のほぼ倍と思しき、大周りのルートをとることにしたのだけど、これが非常に遠回りでつらかった。
人気のない裏路地のような道を進み、エジンバラ・ウェーバリー駅付近まで引き返してから、おもむろにUターンをするという経路。おそらく20~30分近くも歩くことになったかと思う。1日歩き通しで観光したあとのウォーキングは、それはそれは骨身にしみた。道中も目を楽しませるもののないつまらない道路で、気持ちをなぐさめるものがなにもなく、しかも、ホリールードハウス宮殿付近は、エジンバラ中心部の一帯の中では最も標高の低い位置にあって、高低差という点でも、ほぼ最高値に近い2点間の移動になってしまったのだ。遠い、つまらない、高い、の三重苦ウォーキング。ああ、しんどかった。
そのため、私のカールトン・ヒルに対する印象の大半は、「行くまでに疲れた」というもので占められてしまっていて、せっかくの丘からの眺望も、どちらかといえば寂寥感を帯びた色彩で記憶されてしまっている。正直眺めを楽しむよりも、ベンチに座っての休息を楽しむという気分が強かった。もったいないことだ。
それでも、カールトン・ヒルからの眺望は、噂どおりに美しくはあった。
ちょうど日が傾きかけている時間帯で、逆光に映えるエジンバラ市街や、遠くに望むフォース湾など、目に焼き付けておいて損はない光景が広がっていた。前述の理由のために、その日見た数々の忘れがたい光景に比べると、私の中ではどうしても暗い印象になってしまってはいるけどね。
なお、頂上付近にはいくつかのモニュメント(パルテノン神殿のパクリやら、工事中とおぼしきネルソン記念碑など)があるんだけども、正直さしてみるべき価値もなさそうにおもわれた。
写真は↓