最初の違和感はかかとだった。
左足のふくらはぎからかかとにかけてが硬い。凍ってしまったように感じる。つま先を上げることが難しい。無理やり屈伸をしたりしてほぐせば、硬さはすぐに和らぐが、歩いたり立ったりしていると、またすぐに硬くなる。
これが結局、椎間板ヘルニアの初期症状だったんだけど、このときはまだ筋肉の異常、つまりただの運動不足によるものだとか、就寝中に緊張していて固まっているせいだとか、そういうものだと思っていた。
しかしそんな見立てに冷水を浴びせるように、3ヶ月ほどで脚の異常は次のステップに進み、それはもう少し暴力的なものになっていた。
立ち歩いていると、左足のひざの裏側からふくらはぎにかけての、脚の内部が痛むようになった。痛む箇所が「脚の中」という感覚で、「骨をつねられている」という表現がしっくりくるような痛みだ。脚の表面をさすったり圧迫したりしても、到底届かない場所が痛く、慰みにならない。神経に病因があるのだな、ということは直感的にわかった。
でも、我慢できない痛みではなかったし、少し座っているとすぐに痛まなくなるものだったので、そのまま放置していた。そのうち治るだろう、と高をくくっていた。ちなみに中国旅行に行ったときは、この状態だった。
だが、一向にこの症状は改善しなかった。脚の痛みをごまかす生活は、時間がたつほどに悪化していって、やがて私は10分と歩けない体になっていた。
中国旅行記完結の予感
中国旅行はまず写真をスキャンする環境が
必要になるという障害が。
あのころはデジカメなんてなかったんだよなぁ。