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日記: 8月8日(2011年)

 TERAのオープンβテストが始まったので、少しプレイしてみた。ちょっと長いけど、感想などを。

 試したのは3クラス。

 ・オフェンシブタンクっぽい二刀流
 ・ディフェンシブタンクっぽい槍盾
 ・サブヒーラーっぽい魔法使い

 モンハンで言うと二刀流は双剣で槍盾はランス。魔法使いは、まぁ、魔法使いだ。各キャラ20分~1時間程度、合計2~3時間のプレイなので、たいしたことはわからないということは、はじめにお断りしておく。

 まずゲームそのものなんだけど、そんなに悪くはないかな。標準的なアジア産ゲームの中では、ちゃんとしているほうだと思う。ざっくりと言って序盤はAIONクラスの出来栄えに見えた。ただアジア産のゲームの常として、ゲーム世界全体に重量感がなくて、ゲーム体験がふわふわした感じになり、育てたキャラに自分なりの価値を置きにくい。すぐに「どうでもよく」なってしまう。たぶんこれは個人的な事情や嗜好が原因だろうし、いつものことなので諦めるけど、そういう違和感を抱きながらのプレイになった。

 プレイヤー層は、たぶんかなり若い。RIFTは当然のことながら、FF14よりも若い気がする。おかげ見ていてこっちが恥ずかしくなるような名前や発言には不自由しない(例えば、「名前:久闇の槍士ハエ」みたいなノリだ。そんな熟語この世にねーよ、みたいな造語も多い)。だからそういった層に混じって、同じレベルに立って遊ぶこと自体が、自分のプライドに許されない部分があって、遊び方がどうしても一歩引いたものになってしまう。そんなことは気にしないのが一番いいんだろうけど、高等教育を受けた身としてはなかなか難しい。かかか。年齢を問わない素晴らしい娯楽であるオンラインゲームにおいて、「年齢層による住み分け」というのは、今後の発展を考える上で必要になってくる、重要な着眼点だと思う。

 グラフィックは綺麗で、基本的にAION路線。グラフィックへのこだわりの少ない私からすれば、もう十分すぎるほど綺麗で高品質だ。少し世界が明るすぎる点に個人的な違和感があって、それは前述のふわふわ感にもつながる、主観的なマイナス部分だ。だけどゲームっぽさ、非現実的な華麗さを強調するというのは、それはそれでひとつの方向性なので、客観的には問題ではないだろう。「幻想世界感を強く打ち出している」という前提で、高いクオリティを出せていると思われる。

 キャラクターメイクに関しては、以前少し述べたように、首から上のバリエーションが豊富で、首から下のバリエーションは皆無、という仕様だ。要するに、イケメンにもブサメンにもハゲにもロンゲにもエラにもシャクレにもできるけど、チビにもノッポにもヤセにもデブにもヒンヌーにもパイオツカイデーにもできない。ノンターゲット仕様の当たり判定による有利不利を踏まえると、キャラクターのボリュームに関わる調整は許容したくなかったのかもしれない(でもロリ子やたぬきはPvPで殴りにくいように思うんだけどなぁ。その辺のバランスや仕様はどうなってるんだろう)。

 インターフェースは大変わかりにくい。これは韓国産のゲームの多くに関して言えるんだけど、UIの野暮ったさは、もう1つの文化として定例になってきている。直感的にはそれがなんだかわからないデザインの上に、読む気も失せるような小さな文字で、用途がわかるようにと説明が付記されている、というフォーマットだ。相変わらずこの辺のUIデザインにはお金をかけてないな、と思う。アジア産のゲームは5年以上前から、UIに関する進歩の気配がない。とはいえ、FF14よりはよほどいい。

 クエストとそのナビゲーション周り、マップなども不親切だ。方向指示が弱く、クエストジャーナルも見にくい。この辺は例えばRIFTなどに比べると、大きく劣っていると思う。AIONは数日しかプレイしなかったけど、その何年か前の作品であるAIONですら、もっとこの辺のデザインはよかったという記憶があるから、ゲームナビゲーションのレベルは、イマドキのものとしては低いと思っていいだろう。とはいえ、FF14よりはよほどいい。

 で、戦闘だ。ノンターゲットを標榜した、ある意味「FF14がやりたかったこと」を実現するゲームなわけだけど・・・うーん。戦闘行動の多くでモーションに一定のロックがかかってしまうので、当初ノンターゲットに期待したような「FPS的な軽快さ(DDOのような)」ってものは、ほとんどない。基本棒立ちで殴り続けて、たまに回避行動、というようなルーチンになりがちだ。モンハンとの比較も目にするけど、それとも大きく違う。ターゲットをオンマウスだけで行う従来のMMORPGの仕様、というのがおそらく最も正しい。「これならターゲットをロックする仕様の戦闘でも同じことができるんじゃない?」という疑惑に、にわかには反論できないレベルにとどまる動きだ。素材はいいと思うだけにもったいない。とはいえ、FF14よりはよほどいい。

 ってことで、全体的なファーストインプレッションは、ライトテイストなAION亜種、かな。AIONと同じように「韓国製MMORPGもなかなかやるじゃん」と「やっぱ韓国製は韓国製だな」が同居したイメージで、そこから脱却するほどの、尖った魅力は今のところ見えていない。

 綺麗なグラフィックと、そこそこなシステムと、ダメなコンテンツ。いつも通りのそんな感じだ。

 さて、最後に使ったクラスの感想でも述べて締めとしよう。

 ズバリ双剣が一番楽しかった。というか、一番ノンターゲットっぽく動けた。殴って、モーションみたら前転回避して、また殴って、回避して、というような流れを自然に作れた。まぁ、冷静に考えるとこれも、前方AEのモーションをみたら回避行動、みたいな、もう使い古されたスクリプト対応にすぎなくて、ノンターゲットである意味はないんだけどね。でも「まぁ、一応、アクションしてるかな」と、わずかにでも思えたのがよかったとしておこう。

 次点は槍盾。上記の双剣のアクションの「回避」の部分が「ガード」になるだけのキャラ。こっちのほうが簡単だけど、これだと動きが伴わないのでますますノンターゲットの意味がない。魔法使いに至っては、明らかに「ロックしたほうが楽」という気分になった。本来射撃キャラは、ノンターゲットでロケット砲ずばばばばってのは、楽しさを大いに提供できるカテゴリだと思うんだけどね。それが開始5分でコンセプトに疑問を抱かせちゃダメだろう。

 クラスを問わず、「ノンターゲットだとこんな戦闘になるんだ!すげえ!」っていうコンテンツを最初にこれでもかと並べないとダメですね。これは技術力ではなくプレゼン能力の問題です、はい。

 ってことでTERA。今のところ全くもって正式版をする気がしないんだけど、果たして逆転劇は起こるのだろうか。うくく。

日記: 8月4日(2011年)

 魔が差して噂のTERAのオープンβクライアントをDLしてしまったぜ、うえっへへ。

 か、勘違いしないでよね! オープンβだけ触るだけなんだからね!

 ってことで、キャラメイクをしてみたんだけど・・・うーん。

 まずは種族選択なんだけど、噂には聞いていたものの、やっぱりちっこいオッサンがいないというのは困るな。男キャラ縛りでいくと、選択肢がゴリラかイケメンしかない。どっちも鼻持ちならない。こまるわ。パンダとか幼女とかありえないし。

 仕方なくイケメンの中で一番友達になってもよかろうと思えるノーマルな人間を選んでキャラメイクを開始したんだけど、この時点で結構テンションダウンだ。

 次はクラス選択だ。クラス選択画面では、クラスが8つくらい(覚えてない)並んでいて、それぞれに概要説明と、難易度なるものが書いてある。

 ・・・難易度! こんなん書かれたらプライド刺激されてまうやろー。難易度★★とか選んでるやつ見下してまうやろー(ジョークです)。どう見ても★★★★★が1番かっこいいやろー(ジョークです)。

 ってことで、難易度★★★★★の、選ばれしもののみが使いこなせる(ジョークです)、ちょーかっこいい(ジョークです)、尊敬されてしかるべき(ジョークです)、エレメンタリストなるクラスを選択した。選んだあとで思ったんだけど、これもしやヒーラー? それは困るが・・・まあ、どうせ長くはやらんからいいか。

 そして見た目のカスタマイズ。身長設定、体格設定がない。8頭身のすらっとしたスタイル確定。もうね、マジで勘弁してくれよ。ちっこいオッサン種族がないなら、せめて身長と体格でエミュレートしようと思っていたのに台無しだ。もういいよ、イケメンつくるから。

 でも、それ以外はわりと細かく設定できるね。目の色とか眉毛の形が、実はプリセットの顔に引っ張られるという罠に気がついて、1回作り直させられるという理不尽を除いては、まぁ無難にプリティーなイケメンが完成した。なんでここまでカスタマイズできるつくりにしておきながら、目の色設定とか、眉の形設定とかがないんだろうね。不思議だ。

 ってことで、キャラ作成完了。開始は8/8らしいので、まぁその辺になったら一応触ってみようと思う。終わりの日にちも決まってるのかな? 気がついたら期間が過ぎていた、ってことにならないようにせねば。

日記: 8月1日(2011年)

 フジテレビの親韓偏向報道で世間が騒いでいる。

 この手のニュースを見ると、バーチャルオンラインゲーマー蝿14歳としては、ついつい日本のオンラインゲーム事情とダブらせて考えてしまう。

 今のTVで騒いでいる内容の一部は、日本のオンラインゲームシーンが通ってきた歴史と酷似している。韓国産のコンテンツが浸透し、そのファンが多数いるというのは、TVドラマもオンラインゲームも同じだ。タイムリーな話をすれば、ちょうど今この時期も、TERAのリリースに一喜一憂している人をあちこちで散見できる。

 オンラインゲームにおけるその現象は、TVにおける韓流ブームと同じ、というか、さらにその上をいくムーブメントだ。国産オンラインゲームよりも韓国産オンラインゲームをやる人の比率は、国産ドラマよりも韓国産ドラマを観る人の比率を大きく上回っているに違いない。すでに日本のオンラインゲーム界は韓国産オンラインゲームの上陸を完全に許し、駐屯されている段階に入っているのだ。

 ここでオンラインゲームとTV業界とに共通する私の感想は、韓国ごり押しうぜえ・・・ではもちろんなく、国産コンテンツ情けない、だ。

 韓国に悪感情を抱くのは簡単だ。でもそれはあくまでも感情の問題であって、右傾化しようが国粋主義を唱えようが愛国心に訴えようが、なんの解決にもならない。

 問題は、国産コンテンツがつまらない、というただ一点に尽きるのだ。

 韓国産オンラインゲームや韓国産ドラマは、例えば米国産オンラインゲームや米国産ドラマに比べれば、低品質だと思う。安価で低品質、それが問題となっている韓国産コンテンツの立ち位置だ。

 でも国産のコンテンツはそれにすら勝てない。コストがかかる低品質、それが国産コンテンツなのだ。

 もう国産のオンラインゲームの傑作は生まれ得ないのだろうか。せめて韓国産の量産型ゲームを駆逐する程度の盛況を見せることはないのだろうか。そんなことをおぼろげに自問しては、悲しい自答をしている。

 Fly Dukedomは日本のゲームメーカーの奮起を期待しています。