日記: 3月13日 (2004年)

 今月は「新宿鮫(大沢在昌・光文社文庫)」を読んでる。現在4巻目だ。

 テレビドラマかなにかでもやっていたし、直木賞も受賞しているし、ってことで有名すぎるこの作品。作者の大沢在昌は学生時代1年間に1000冊の小説を読んだという逸話のある変態だ。1日に2冊強。あり得ない。

 この作者の作品は、これで10冊目くらいだろうか。どれも面白かったので、はずれる危険性を感じることなく、素直に購入できた。「新宿鮫」の存在はもちろん知ってたんだけど、なんとなく有名作品は硬いような気がして、後回しにしてしまっていたのだ。それを最近になって、やっと読んでみることにしたわけである。

 この作品は有名すぎるので、未読の方で内容を知りたい人は、Webで各自検索してもらうとして、ここは感想だけを述べよう。

 面白い。

 ジャンル的には半ば絶滅寸前の感のある、いわゆるハードボイルド小説で、言い替えれば現代都市冒険小説とも言えなくもない。子供の頃のケーサツゴッコの魂を揺さぶってくれるような、心を熱くさせてくれる小説だ。火サスでやってるような、近年流行りの正当派ミステリとは、風味が少々異なる、ヒロイックでダンディーでセクシーなエンターテインメント作品なのである。

 ってなわけで、今頃になって読んだ私が言うのも「今更かよ!」って感じだけど、未読な万人にオススメしたい作品でした。

 この作者の作品で他には、「はしらなあかん夜明けまで(講談社文庫)」が個人的には良かったかな。「新宿鮫」と比べると、「はしらな~」の方が作品としては軽いので、読書慣れしてない人はこちらから入る方がいいかも。さらに軽いのは「アルバイト探偵(講談社文庫)」シリーズ。これはほとんどライトノベルのノリなので、そういうノリに慣れている人にはオススメである。

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