日記: 7月27日(2008年)

 ハリー・ポッターの最終巻が先週水曜に発売になった。やっとラストなのか、というのが第一印象だ。

 ハリー・ポッターを最初に読んだのは、西暦何年だったかまでは覚えていないけど、和訳本の3巻目が発売済みだった時期だ。当時同居していた母親が気まぐれに借りてきたレンタルビデオで、そのときから半年ほど前に話題になった、映画第1作を観賞したのがきっかけだった。

 長年ゲーム、それもRPGなんぞを好んでなんてやってるくらいだから、私はたぶんファンタジー好きの素養は大いにあるんだろう。でもそれよりも映画を見たときの印象は、鮮烈に蘇ったロンドン旅行の懐かしさと、子役の子供たちの愛らしさだった。

 その頃は、ちょうどロンドン旅行から戻って1年くらいだったと思うんだけど、訪英の影響でたぶん少し「英国かぶれ」していたというか、英国に親近感を覚えていた頃だったんだよね。帰国後に林望の著作を読んだり、英国車(ミニとか)がいいなぁとか思ったり、ハロッズの買い物袋を持つ人を鼻で笑ったり(ウソ)、フィッシュ&チップスを自作してみたりという、わかりやすい行動をとっていた。そんな私は、映画の中に描かれた、ファンタジックな英国風景にやられてしまったのだ。

 もちろん、子役の子供たちの魅力も大きかった。別にロリコンでもショタコンでもないけど、騒がれるだけの魅力を、確かに彼らは発散していたと思う。生意気なお子様たちのドタバタ活劇を、多分私は、ニヤニヤしながら鑑賞していたはずだ。

 で、映画を大いに楽しんだ私は、続きが気になってしょうがなくなり、すぐさま当時発刊されていた3冊の書籍を購入した。映画の映像が想像力をサポートしたこともあって、3作とも満足のいく読後感を得ることができた。生意気にも「原作のほうが映画よりよいぞ」とか玄人ぶったりもした始末だ。ま、ちょっと児童書を買うのは恥ずかしかったし、それ以上に「流行りもの」を買うのは恥ずかしかったということも、正直に述べておこう。

 さて時は流れて、あれから4、5年は経ったのだろうか。1~2年のペースで発刊された本シリーズは、いよいよ先週、最終巻に到った。正直4作目以降は、英国熱も、ポッター熱も冷めていたんだけど、それでも半ば惰性で、ここまで全巻を読んできた。熱が冷めたせいか、パターンに飽きてきたのか、それとも実際に質が落ちているのかはわからないけど、だんだんシリーズの面白さが衰えてきているようには思う。

 でも、これでやっと「オチ」だ。今まで広げに広げた風呂敷を、はたしてどうたたむのか。ここ数巻で得られなかった、早く先を読みたい、という気持ちを心地よく感じながら、ゆっくりと読んでいこうと思う私なのでした。

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