動けない生活はつらい。飯は不味いし、テレビは横にしか見えないし、気がつけば「やだねったら、やだね」と箱根八里の半次郎を自嘲気味に口ずさんでいた。
そんな動けない生活で一番つらかったのは、言うまでもなく大便だ。汚い話で恐縮だけど、看護婦さんに自分の恥ずかしいところと、そこから出てきた戦果との、両方を処理してもらわなければならない。これは極めて屈辱的な行為になる。だから椎間板ヘルニアくらいの拘束期間の場合、自力で動けるようになるまで大便を我慢し続ける人もいるようだ。
が、私は悟りを開いていたので、なんにも気にせず(いや、したけど)、2度ほどベッドの上での排便と言う、羞恥プレイを堪能することになった。
手順はこうだ。
まず排便したい旨を伝える。するとチリトリ状の容器が寝ている私の尻の下に挿入される。このとき掛け布団はかけたままだ。そしてその状態で排便する。行為が終わったら、その旨を伝えると、容器ごと便が持ち去られる。看護婦さんが尻を拭いてくれる。病室にはしばらく大便の香りが充満する。
うわああああああ。思い出すだけで恥ずかしいわ!