当サイトが、開設20周年を迎えた。
開設10年の特集を組んだときから、さらに10年が経ったとはにわかには信じがたいけど、実際経過しているのだから恐ろしい。時が経つのは本当に早い。
最盛期に比べると訪問者もグッと減り、最も多かった頃(※Norrath Walkerを除く)で1000ほどあったユニークアクセス数も、今では30くらいになっている。読まれる量が減る、という意味では、公開する意味というか、更新工数というコストに対するリターンは、かなり目減りしているといえる。しかしその一方で、長く続いているという事実そのものが、さらに長く続けていこうという活力になっていたりもするので、モチベーションは相変わらずというところだ。
悪くいえば惰性。良くいえばライフワーク。でも本当のところは「意地」かもしれない。
いずれにしても、こうして長く続けられた要因の最も大きなひとつに、少数といえども読んでくれている人が一定数いる、という点があることは間違いない。この文章を今読んでいるあなたがたあってこそだ。本当にありがとう。今後ともよろしく。
サイトを開いた1997年は、インターネット黎明期だった。検索エンジンといえばYahooが主流で、Yahooでの検索対象となるためには、Yahooに「載せて」と申請をし、それをYahoo側が手作業で登録するという、今思えばかなりアナログな、手づくり感あふれるインターネット界がそこにはあった。私も1997年5月23日に開設するとほぼ同時に、Yahooのゲームカテゴリに登録申請したものだ。
それから2年。当初「Nezの部屋」という名称だった当サイトは、「Fly Dukedom」という名称に変更され、幾度となくレイアウトを変更しながら、やがて現在と同じ「青」を基調とした形になっていった。
サイトを「青」にしたという事実は、その後のリアル、バーチャルを問わない「色を選ぶ」というシーンで、往々にして「青を選ぶ」という決まりごとを、自分に定めることにもなった。ゲームのキャラクターしかり。バイクしかり。車しかり。ケータイしかり。サイトデザインが自分の人生の選択方式にまで影響を与えることになるとは、自分でも思わなかった、面白い現象だった。
EverQuestの特集サイト「Norrath Walker」の盛況で、にわかにアクセス数が増えたのもこの時期だった。Norrath Walkerに関していうと、1日で1万アクセスくらいあったろうと思う。1997年のサイト開設以来、アクセス数が欲しい、アクセス数が欲しい、と願い続けていた私にとって、2年目の1999年に突如訪れた、念願のアクセス数バブルだった。
Norrath Walkerの設計は「アクセス数が増えるかどうか」というストレートな欲求で更新内容を考えていた。EQをプレイしてすぐに、プレイヤーが欲しい情報は、アイテムと狩場の情報、それもできるだけ迅速な情報だと悟った。だから即座にそれに特化したコーナーを設け、そしてできるだけ頻度を上げて更新をした。また先行するDiabloやUOの有名サイトで、掲示板の議論が活発なのがうらやましかったりもしたから、コミュニティスペースも作った。ニーズを考えて、コンテンツを用意する。EQというモンスタータイトルと、そのわりに国内情報や競合が少ないことともプラスに働いて、その成果は数字になって帰ってきた。苦労が実を結んだ。
しかしその一方で、アクセス数が欲しいというのは、本当の願いではなかったということも、そこでわかった。正確にいえば、手に入れたから興味がなくなったのかもしれないが、いずれにしてもこれを期に、アクセス数への執着がパタリとなくなった。それどころか、サイトを更新しても、それをあまり拡散しないようにした。今知っている人と、偶然「よくぞ見つけたな」という人だけを対象に、細々やっていくほうが性にあっている、自由に書ける、とわかった。それ以外の人に「見て!見て!ぼくを見て!」というのをやめた。ご機嫌伺いのようなことをやめた。受け狙いを考えないようにした。
結局のところ、私には有名人であり続ける胆力も気力もなかったのだろう。一般人に戻ろうと思った。
1990年代末から2000年代初は、ナローバンド最後の時代だった。ウェブコンテンツとしては、ネタ満載のテキストサイトが流行り、技巧を凝らしたフラッシュが流行った。私は流行を無視して、淡々と平文でネタにもならない日常と、その時々のゲームを小規模に紹介していた。反響は激減したけど、落ち着いたサイト更新環境を取り戻した。
余談ながらこの期間の末期に、少しだけ過去の「有名人」の効果が蘇った。別人格でオンラインゲームの公式キャラクターのような振る舞いをした。これはこれで実に楽しい、輝かしい一時だった。ただ守秘義務もあったので、このサイトでは一切触れはしなかった。だからこの項とはあまり関係がない。
2000年代半ば以降は、ブログの時代になった。ブログ化したことは、更新の仕方やスタンスなどに、少なからぬ影響を与えた。最初の転換期だ。ここまでが「原初ウェブ時代」。ここからは「ブログ時代」となる。自分的にも、世の中的にもだ。古き良き「お父さんの部屋」のような素人くさい個人サイトは、これ以降、一気に消滅していくことになる。メモ帳とFTPとで素人がサイトを作ることはなくなった。
10周年をむかえ、その特集記事なども書いた。10周年記事を読み返すと、今となっては懐かしい人々がコメントを残しているのを見て取れる。まぁ、訪問者は今の倍以上いた時期だ。
この頃使用していたのは、Movable Type(MT)だった。データベースの使えないレンタルサーバー環境で利用できる選択肢はMTだけだったからだ。MT時代の思い出は、やはりスパムとの戦いの歴史だろう。対策してはそれを乗り越えてくるスパムたち。10MBしか容量がないISP標準のレンタルスペースを使用していたのに、スパムを数日放置していたら、数百MBにまで容量が膨らみ、ISPからお叱りのメールを受けたりもしてしまった。
そこでさくらのレンタルサーバーに移行することになった。これが第2の転換期だ。
それまではなんだかんだいって、「ISPと契約したら無料でスペースがついてきた」から、それを活かさないともったいないという発想で、ウェブサイトを運営しようというノリがあった。いわば受動的な動機だった。
しかしレンタルサーバーでウェブサイト運営となると話は変わってくる。ウェブサイトを運営するためにこそ、サーバーを契約するのだ。主従がついに逆転した。能動的な動機に変化した。
とはいえ、やることが変わったわけではない。この先は今日に至るまで、変わらず低調な、細く長い運営を続けることになった。変わったことといえば、使っているブログシステムが、MTからWordPressに変わったということ、それにサイト名を「Fly!」に変更したことの2つくらいだ。
これが、20年の大まかな歴史になる。まだ、思い出せる。思い出せるうちに記録しておこう。そしてまた、30年の時にでも、思い出しなおすかもしれない。そうしたらまた書くだろう。
そんなこんなで20年。どこまで続くか楽しみだ。
あらためて、よろしくお願いします。
20年、おめでとうございます。
最近めっきりPCのオンラインゲームをやらなくなったので
動いてるところをお見掛けすることもなくなりましたが
一読者として愛読しています。
ありがとうございます。
変な話ですがコメント常連ではない方が最初に祝ってくれた、というのが非常にうれしいですね。
コメント常連以外の読者なんていないのではないか、という不安は零細ブログには常に付きまとうものなので、その疑念があざやかに晴れてよかったです。
オンラインゲーム界から離れているというのは残念ですが、いまだにしがみついてる老兵の動きを暇な時にでも観察してもらえれば幸いです。
20周年Grats!
私も他のサイトで実は車関係のサイトで知り合っていた人がたまたま同じMMORPGで一緒に遊んだとか偶然の出会いがあったりとかありましたね。
偶然「よくぞ見つけたな」みたいなサイトでさらに偶然が重なったので、世間話からすぐに気が付いて面白かった記憶があります。
そもそもNezさん自体は私自身はNorrath Walkerをよく見ていたので知っていたけど、同じMMORPG好きとしてはゲームでは出会う事はなく一緒に遊んだのはRiftが初めてですね。
もしかしたら何処かで合っていたかもしれないが絡んでは居ない!
Thx!
うむ。Riftが最初だね。結局Awayukiさんのイメージの大半はRiftのそれ。あとはSecret World。なので基本的にテクニカルタンキーキャラのイメージだ。なお第一印象は「気難しそうな人だな」だった。実利重視のサバサバ系。
昔を懐かしんで調べたら、まだテレホーダイのサービスが続いている件
テレホーダイが深夜だったがために人生を狂わされた人は多い。有難いサービスだったと同時に業も深いといえる。かも
20周年おめでとうございます。
また20年後にもお祝いできる事を楽しみにしてます。
ありがとうございます。
今回コメントくれた勢のなかではぼねぽが1番古いだけなら古いかも(私が認識した人、という意味で)。初見はAoKだった気がするからEQと同年の1999年で18年目だ。
そして20年後の前に、10年後の30周年を目指す!お楽しみに。
20周年ですか。
あの時14歳だった貴殿もすでに14歳。隔世の感がありますね。
確かにこのブログは自分の人生のある一部分でした。今後ともよろしくお願いします。
20周年なのです。
そしてそのコメント面白い! バーチャルオンラインゲーマー蝿14歳をよろしく。
人生のある一部分とか言われると泣きそうになる。と同時に元気になった。光栄の至りです。ありがとう!