ザ・クルーシリーズには前作にも今作にも、ドリフトなる運転技術にフォーカスしたプレイリスト(一連のレースイベントの集合)があって、それなりの存在感を持っているんだけども、これがどうにも苦手だった。
理由は簡単で、ドリフトがうまくできないからだった。
レースゲーム界においては、ドリフトというものは説明不要な、義務教育レベルの技術だとされているようだ。「ドリフトしろ」と言われることは多々あれど、「どうやればそれができるのか」について説明してもらえることはほとんどない。アクセルを踏め、くらいのフランクさで、ドリフトしろと言ってくる。
でも、そんなこと言われても、一般人にはどうやるのかわからないのだ。
そして、意外なことに、今や情報の氾濫しているインターネットの海にすら、初心者向けのドリフト解説コンテンツ、というものが、なぜかほとんどない。驚くほど見当たらない。「初心者向け解説」を標榜しているドリフトコンテンツの99%は、「俺のドリフトすごいから見て」というものばかりだ(私調べ)。
ってことで、前作も今作もドリフトのプレイリストは苦手で、最低難易度でゴリ推せるもの以外は、クリア不能なものとしてスルーしてきた。
・・・のだが。
今作のプレイ半ばで、なにやら急にドリフトのコツがつかめてしまった。
なんでだろう。たぶん、パッドのおかげかもしれない。それか、このゲームのドリフトが簡単なせいかもしれないな。
とにかく、まだヒヨッコながらも、実用性のある長さのドリフトを行うことができるようになったのだ。今までは、ドリフト状態を持続しようと思っても、すぐに中断してしまっていて、実用には程遠かったというのに。
こうなってくると、今まで避けてきたドリフト系のコンテンツが、急に面白くなるから不思議だ。
今まで敬遠してきた領域が解放されたカタルシスもあってか、うねうねずりずり走ってレースをこなしていけることに、新鮮な快感を覚えている。
楽しい。楽しいぞ、ザ・クルー:モーターフェス。