B&Bから10分ちょっとのドライブで到着したのは、コッツウォルズの著名な街のひとつ、チッピング・カムデン。ハイストリートの街並みの美しさと、その一角に遺されている古いマーケットホール跡が特徴的な街だ。
この日の最初の見物の場所としてこの街にやってきたため、到着したのはまだ午前の早い時間だった。そのため、まだ街は動き出しておらず、多くの店は開店準備中といったところ。かわいらしい店も多かっただけに、そのどれひとつとして入ることが出来なかったのは残念だった。でもそのおかげで観光客も少なく、静かな雰囲気の中で、街の様子をうかがうことができたので、逆によかったかもしれない。
メイン通り沿いの建物は、歴史を感じさせる蜂蜜色のレンガでできた、これぞコッツウォルズというような街並みを形成していた。現役で営業中の小売店の店舗やホテルが、歴史を内包している様は、不思議な異世界感を与えてくれる。多くの建物には、それと調和するような植物によるデコレーションが施されていて、過去の止まった時間と、今の息づいている時間との融合が印象的だった。
ただ、おそらく住民のものだとは思うんだけども、せっかくの綺麗なハイストリート沿いに、びっしりと乗用車が駐車してあったのは、少々もったいないな、と思った。この街に限らず、今回訪ねたイギリスの多くの場所で、住居前の路上がその住民の駐車場、というケースは普通のようだった。地理的にも車がないと生活できないし、古い町並みは保存しないといけないから駐車場も満足に作れないし、路駐というのは妥当な線なんだろうけどね。