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英国’14: 35.レンタカードライブ

 今回の英国旅行では、英国国内でのレンタカードライブを始めて実施した。それについてのアレコレを述べたい。

 【メリット】

 今回旅行したイギリスの田舎、コッツウォルズ地方は、見所が各地に点在していて、かつ、それらを結ぶ公共交通機関はあまり発達していない。・・・ようだ。たぶん。

 なので、レンタカーを利用する事で、格段に観光効率が上がる。それが何よりのメリットだった。

 【デメリット】

 不慣れな道を運転するのは、事故のリスクを免れ得ない。

 また、どうしても緊張が付随してくるので、観光の気楽さが若干低減される。この辺は個人の運転の技量や、普段の運転頻度などでも変わってくるだろう。私はそんなに頻繁に運転しないほうなので、このデメリットは大きかった。

 【借りる/返す】

 個人的な海外レンタカーにおける最大の難所はこれだ。特に「借りる」が難しい。理由は簡単で、私には十分な英語力がないからだ。海外旅行において、これ以上に複雑な英会話を要求される場面は、なんらかのトラブル時以外にはないだろう、というくらい難しい。

 今回もなんとか借りることはできたものの、結局最後までなにをきかれてるんだかよくわからない部分があった。たぶん、「保険はこのコースだとこういう条件でどうたらこうたら・・・」ってなことを言っていたんだろうけど、詳細は不明のままだった。インターネットの文字情報で全部契約させてくれれば楽なんだけど、なぜか保険などについては窓口で直接交渉になるんだよな。不便な話だ。

 そん曖昧な理解状況で借りてしまうことは当然かなりリスキーなので、万人にはまったくもってオススメしません。公共交通機関で楽しめるプランを選びましょう。

 一方で返すのは、事故ってさえいなければ簡単だ。所定の駐車場に行けば、なんだか機械を持った人がいるので、その人に書類やらキーやらを返せばいいだけ。タクシーを降りるより簡単。あっという間に終わる。

 【ヒースロー空港ターミナル5】

 2014年7月現在、AVISとBadgetの2社だけは、ヒースロー空港のターミナル5の建物内に、レンタカーの発着場を持っていた。なので、ヒースロー空港のターミナル5に離発着する便で渡英するなら、上記2社を利用するのが便利だと思われるし、私もそうした。

 なお、他のレンタカー会社にした場合や、他のターミナルについた場合、レンタカーを借りるには、ターミナルから各レンタカー会社のシャトルバスに10分ほど乗って、少しはなれたところにある駐車場にいくという、面倒くさい手続きをとる必要がある。大変面倒くさいこと請け合いだ。

 空港から車で出発する、または帰ってくる経路は、比較的明確な道路標識があって、分かり易かった。

 【カーナビアプリSygic】

 カーナビは、借りた車にもついていたもののそれは利用せずに、日本から持参したスマートフォンにインストールしておいたナビアプリ、Sygicを利用した。

 ナビの精度はほぼ完璧だった。イギリスドライブで必ず取り沙汰されるラウンドアバウトのナビも、「500メートル先、ラウンドアバウトを、2つ目の出口へ(英語)」などと教えてくれるので、わかりやすかった(それでもやっぱり混乱したけど)。

 また日本から持参するナビである、ということには別のメリットもあった。旅行前に使い方を練習しておけるし、訪れる予定の観光地や駐車場、B&Bなどをあらかじめ地点登録してもおけるので、現地で操作にもたつくことがないというのは、スムーズな観光にとても役立つ利点だった。

 紙の地図を買ったり、レンタカー会社でナビをレンタルするよりも、圧倒的に安くて高性能。海外レンタカードライブをする上では、Sygicやそれに類するものを検討する事を、強く、強く、オススメしておきたい。

 【道路事情】

 まず大前提として、イギリスは日本と同じ左側走行。車も右ハンドル。なので大多数の海外ドライブでありがちな、左右逆転の混乱がないのは、英国圏最大のメリットだった。

 道路はM、A、Bの3ランクに分かれている。日本で言えば、Mは高速道路、Aは国道、Bは県道、というニュアンスだろうか。どこも無料なので、それぞれの間に明確な境界がなく、走行中に自然にMからAに、AからBに移行していった。

 Mは日本の高速道路を走る感覚で問題ない。道は広く、綺麗なので、走りやすい。概ね周囲の運転マナーもよいので、不安なく走れるはず。100km/h~120km/hくらいで巡航しているのも日本と同じ。

 Bはあまり走らなかった。B&Bの回りとか、駐車場近辺の路地とか、ごく限られた場所で、ごく限られた範囲を走っただけなので、語るべき事は多くない。どこも細く狭い道だったけど、Bなんざそういうものだろう、と思えた。

 そしてAだ。Aは本当にピンきりだった。Aの中でも広いものになると、Mとほとんど変わらない道幅がある。でも狭いものになると、対向車線とすれ違うのも難しい道幅になる。場所によっては舗装もあちらこちらではげていて、デコボコだったりもする。これはAじゃなくてBにすべきだろ、と思うんだけど、Aである場合が多い。

 Aで困るのはもちろん後者の狭くデコボコのAのほうだ。そんな条件の道であるにもかかわらず、現地の人は70km/h~90km/hでかっ飛ばしているのだ。対向車とすれ違うのも怖いし、後続車もぐいぐい迫ってくるので、自分だけのんびりとも走れない。そんな環境で何日も運転しているうちに慣れてはいったものの、渡英直後の運転では本当に驚いた。

 ただ、英国人の運転マナーは良いと感じた。上記のように狭い道でも飛ばしはするものの、それは制限速度がそこまでだから、という風情だったりする。制限速度が下がる区間ではきっちり減速して、制限速度が上がるとまたきっちりと飛ばす。きっちりきっちり、決まり通り。横断歩道に歩行者がいれば停車する人が多いし、すれ違いの困難な道では、率先して広い場所で停車して対向車に道を譲る。

 【道路標識】

 まぁ、わかるかな、というものがほとんど。日本と同じか、簡単な英語(「STOP」とか)で書いてある標識が多いので、予習はそんなにしなくても困る事は少なかった。

 ただ距離の単位がマイルなのにはまいった。全く直感的にわからない。M道路で「次の出口まであと1マイル」という標識を見てもピンと来ない。メートル法をとっとと採用して欲しいものだ。

 あとはなんだろう。横断歩道に近づくと、ギザギザの道路標識があるとか、そういうのが懐かしく思い出される。

 【駐車場】

 今回の旅行では多くの場合、街や村の公共駐車場に停めた。料金無料の場所を除くと、ほとんどは機械式の料金支払機を使った。その支払い手順が日本にはあまりない方式で、「前払い&駐車券掲示」というようなものだった。

 手順はこうだ。

 まず駐車する。駐車したら、徒歩で料金支払機にいく。そこに「1時間50ペンス、2時間1ポンド、3時間・・・」などと書いてあるので、停めたいだけのお金を投入する。すると駐車券が出てくる。それをもって自分の車に戻る。自分の車のダッシュボード上など、外から見える場所にその駐車券を置いておく。

 というような次第。

 駐車場には定期的に見まわりの人がきて、そのときに正しい駐車券が掲示されていない車は、ナンバーを控えられるかなにかして、罰金となるそうだ。どの程度の頻度で見まわりが来るのかは怪しいものだけど、小銭をケチって旅先でトラブルになるのはごめんなので、毎回きっちりと支払っておいた。

 このシステムの難点は、「先払い」だということだ。ある観光地に到着し、車を停める時点で、その観光地にそれから何時間滞在するのかを判断しないといけない。でも、はじめて訪れた観光地を堪能するのに必要な所要時間というものは、案外見当がつかないものだ。

 例えば立ち寄った場所が思いがけず魅力的な場所で、当初の予定よりも長く滞在したくなった時などは、このシステムは大いに困る。駐車場まで戻って駐車券を発券しなおすか、あきらめるか、というような立ち回りが必要になる。私もそういう失敗をストラトフォード・アポン・エイボンで1度した。それからはケチケチせずに、最初から十分以上に長く見積もった時間のお金を支払ってしまうことにしたんだけど、すっきりしないシステムだと思う。

 駐車場のスペースは、はっきりと狭かった。かなりぎっしりと詰め込むようなレイアウトになっている。駐車したあとに、ドアを開いて車から出るのが大変、というような狭さの場所が多かった。

 【路上駐車】

 どうもイギリスの市街地では、各家庭の駐車場が路上であるケースが多いらしい。おかげでそこかしこに路上駐車されていた。路上駐車される事が織り込み済みの道路事情なので、それによる交通の阻害はほとんどなかったものの、景観的には若干の残念さを感じた。

 【ドライブイン】

 日本でいうところのサービスエリア、パーキングエリアのようなものが点在している。M道路や大き目のA道路沿いにあるようだ。スーパーやドラッグストア、軽食屋、ガソリンスタンド、トイレ、時にモーテルなどからなる複合施設。

 日本でもサービスエリアに立ち寄ると妙に楽しくなる(私だけ?)のと同じように、ドライブインもそんな妙に楽しくなる空気があった。売られている軽食がやけにおいしそうに見える。また、そこに集う現地の人々の様子も、観光地や都会で現地の人々とは違うたたずまいで、興味深いものだった。

 【ラウンドアバウト】

 日本でいうとロータリー。イギリスで運転をするというエピソードには付きものの怪物。

 イギリスの交差点では信号のかわりにラウンドアバウトなるシステムが採用されていることが多く、その独特の交通ルールが、よそ者の運転を阻んで久しい。という触れ込み。

 ルールは基本的には簡単で、1)時計回り、2)自分より右から来る人優先、3)出る時だけ左車線、というような感じになる。正直1)と2)はすぐに慣れる。問題は3)だけだった。

 3)は大きなラウンドアバウトでのみ発生する事象だ。小さなラウンドアバウトの場合、そもそもラウンドアバウト内が1車線しかないので問題はない。入って、出るだけの作業だ。

 しかし大きなラウンドアバウトの場合、3)の問題が立ちふさがってくる。大きいラウンドアバウトでは、内部が同心円状に複数車線になっている。その場合、一番左(外側)の車線は「次の分岐で出ていく人」の車線になっている。だから、ラウンドアバウトに進入したら、まずは速やかに右車線(内側)に寄る。そして円弧状の道路をぐるぐると走る。やがて自分が出ていきたい分岐が次にくることをいち早く察知したら、左車線に移る。そして目当ての分岐に到達して出ていく。こうすることで、各分岐を過ぎた直後には、理論上は一番左の車線には走行車がないはずであり、「各分岐から入ってくる車がスムーズに入りやすい」というようになっているわけだ。この作業を、かなり短いスパンで行わなければいけない。これが難しかった。

 一週間弱のドライブの中で身につけた、うまく初見のラウンドアバウトを抜けるコツは、「最初から出口の位置をイメージしておく」ということだった。

 まず何番目の出口で出るかをカーナビのアナウンスで聞いておく。そしてラウンドアバウトに差し掛かると、だいたいの場合そのラウンドアバウトの形状を模した進行掲示板があるので、それを見て「何時方向に抜けるか」を確認する。例えば、以下のような流れだ。

  • カーナビが「2つ目の出口を出ろ」といっている
  • 道路標識に描かれたラウンドアバウトは、「6時から進入、8時、11時、3時の3方向への出口が描かれている」
  • よし、11時に出るんだな、とイメージできる

 こうすることで、「2つの出口ってどこだよ!?」などと慌てることもなく、超短期とはいえ明確な走行計画を立てることができる。このテクニックを身につけてからは、ある程度は落ち着きをもって走ることができた。

 【プジョー508】

 レンタカー会社で割り当てられた自動車は、プジョー508という車種だった。日本で買うと乗り出し400万円くらいするようだ。うほほほ。

 なかなかに格好いい車体で、どこに停めても見劣りのしない、風景負けもしない、いい車だった。カナダではヒュンダイでがっかりしたから、今回は良かった良かった。

 とはいえ、車に関しては完全に素人なので、走行感とかそういうことはよくわからなかった。ま、軽快にノートラブルで走ってくれたので問題はなかったよ。

 燃料はなんとディーゼル。ディーゼル車なんて運転するのは初めてだったけど、これまた特に燃料由来の走行感の違いのようなものは、素人の私には分からなかったのでありました。

プジョー508

Newbury Chieveleyのドライブイン

Gloucesterの駐車場

Biburyの路上駐車

Chipping Campdenの駐車場

Oxfordの駐車場

難解な駐車制限標識

Heathrow T5での返却

英国’14: 34.プレミアムエコノミー

 今回の旅行ではプレミアムエコノミーというクラスのシートで渡英した。

 プレミアムエコノミーというのは、エコノミーとビジネスの中間にあるクラスになる。航空会社によって、どの程度エコノミーと差別化しているかは異なるものの、概ね「少し席が広い」「エコノミーよりも5~10万円ほど高価」というのが主要なアイデンティティーになっているようだ。

 今回利用した航空会社はブリティッシュエアウェイズの場合、公式サイトの表現を引用すると

  • 足元広々のワイドシート
  • キャビンクルーの手厚いサービスが行き届く小規模のキャビン
  • 豪華なお食事とバーサービス
  • 各座席にノイズ低減ヘッドフォンと機内エンターテイメントシステム搭載
  • ゆとりのある無料手荷物許容量

 といったところが売りになっている。

 実際に利用してみた感想は、まあまあ、といったところかな。

 私に関して言えば、「このくらいのメリットにお金を出すなら、別に安いエコノミーでいいかな」と思ったけど、高齢者や体の弱い人、それに体の大きな人などは、長時間のフライトを快適に過ごすための投資として、5~10万円というのは、考慮に値する選択肢になるかもしれない。

 シートの快適性に関しては、確かに広く、かつ、リクライニングがより深く傾くので、かなり向上する。ただこのあたりの印象は、非常に個人差があるだろうな、というのが実際のところだろう。

 思うに、個人によって「座った時の休みやすい姿勢」というのは違うものだ。だから、エコノミーとプレミアムエコノミーとの違いが、「座った時の休みやすい姿勢」にどれだけ寄与するかも違ってくる。私に関していえば、この点はさほどプラスに働かなかった。

 またスペースの広さは、居住性を大きく向上させたけど、これも元々どれだけ窮屈だったかで、印象が大きく変わるに違いない。私はエコノミーでもそんなには狭いと感じないサイズの人間なので、やっぱり恩恵は小さかった。スペースの広さのいい点は、通路沿いの席じゃない場合に、トイレなどに出やすい、ということかな。それは確かに重宝したけど、トイレに行きやすくするために5万円、ってのは違うだろうしなぁ。

 あとは、食事は確かによかった気がする。同じ便のエコノミーのものと食べ比べができるわけではないから、本当に良かったのかはわからないけど、まぁ、いままでの経験上からすると美味しい部類だった。ブリティッシュエアウェイズのくせに、だ。

 そんなわけでプレミアムエコノミー。今後も積極的に使うかというと、今のところはそんな事はなさそうだけど、偶然安かったり、自分が年老いたり、高齢者を連れて行ったり、っていう場合にはまた選択するかもしれない、というところかな。

備え付けの備品

リッチな献立表

英国’14: 33.The Oakley Court

 帰国日の前日に泊まったのが、The Oakley Courtというホテルだ。

 立地はヒースロー空港から車で20-25分ほどのところ。ウィンザー城の近くに位置していて、初日に泊まったHeathrow/Windsor Marriott Hotelからもそう遠くないところにある。翌日の帰国に備えて、ヒースロー空港の近くに泊まりたかったものの、さすがに初日と同じところでは芸がないので、このホテルに白羽の矢を立てた、という次第だ。

 このホテルは、いわゆるマナーハウスとか、カントリーハウスと呼ばれる、古い貴族の館を改造したホテルで、いままでの庶民的な宿とは一線を画すエレガントさだった。旅程の最後にきて、ちょっと冒険してみたわけだ。

 とはいっても、立派なのはあくまでも敷地や建物の外枠。内側はというと、そんなに洗練されてもいないな、というのが感想だった。

 そりゃ、敷地を流れるテムズ川やそれを望む庭園、桟橋やテラスカフェなどは、実に優雅なもので、そこにいるだけで異世界感を感じられる素敵な場所だったよ。でも、内部の設備は最新とは言いがたかったし、従業員もプロフェッショナル揃いというよりは、アルバイトに毛が生えたような面々、というような雰囲気で、内実が伴ってはいなかった。なんとなく二流のコスプレホテルというような印象だったというのが、正直なところだ。

 想像よりもお手ごろな宿泊費用だったけど、その値段からしてみても、「ハードはいいけど、ソフトは普通以下」という評価が妥当ではないかなと思う。

 ただ、それでもやっぱりハードウェアの破壊力はすさまじかった。チェックインした時点では「これは期待はずれかもしれないな」と思っていたんだけど、夕食どきに庭園のテラスカフェで食事をして、印象がガラリと変わってしまった。

 グロテスクなゴシック建築の建物を背景に、緑の芝生とゆったりと流れるテムズ川を眺めながら、傾きかけた陽光に照らされて頂くディナーは、さすがに一級品の思い出になった。この経験は、同じ値段で、より設備の整った、最新式のホテルに泊まっても、ちょっとやそっとじゃ味わえない。このハードウェアあってこそ輝くユニークなひとときだ。

 結局、そのディナーの印象がすこぶる良かったおかげで、ホテル全体の印象も跳ね上がってしまった。ハードウェアの魔力にころっと騙されているようでしゃくだけども、今思い返しても、「あのホテルにして良かったな」と思っているのだから、まぁそれはそれでいいのだろう。

外観

敷地内を流れるテムズ川1

敷地内を流れるテムズ川2

ラウンジ

テムズ河畔の庭1

テムズ河畔の庭2

テムズ河畔の桟橋

謎のオブジェ

英国’14: 32.Lowerfield Farm

 今回の旅行で4連泊したのがこちらのB&B、Lowerfield Farmだ。

 こちらのB&Bの特徴は、「コッツウォルズ北部にある」「日本語が少し通じる」「建物に味がある」「敷地が広い」「牧場併設」というようなところじゃないだろうか。

 立地的にはコッツウォルズ地方というくくりでいうと、北部に位置する。そのためコッツウォルズ探索の拠点としては、北部の名所はアクセスがしやすく、南部の名所はそれがややむずかしい、ということになる。今回の旅行でいえば、ストラトフォード・アポン・エイボンやウォリック城にはアクセスがしやすく、バイブリーやレイコック(結局いけなかった)には行き難い。

 日本語が通じるという点は、海外B&B初心者の私には、かなり心強かった。オーナー夫妻は日本で英語を教えていた経験があるらしく、ごく簡単な会話なら日本語で行うことができた。朝食のメニューや案内書なども日本語バージョンがあって、利便性がとても高かった。海外で日本語を目にする事をマイナスに捉える、本格派な方々も世の中にはいようかと思うけども、私においてはプラスにしかならない要素だった。

 建物は数百年前の農家を改造したもので、なかなか味わい深いものがあった。設備は完璧とはいかないものの(エアコンなどはないし、機密性も高いとはいえない)、くねくねと曲がった柱や、厩舎を改造した食堂の梁などには、ファンタジーRPGの宿屋や酒場のような雰囲気があって、旅情の高揚に一役買ってくれた。

 郊外にある「ファームハウス」というような分類のB&Bなので、敷地が広大なのも気分がよかった。レンタカーの駐車も悠々だったし、ただ庭に立って周囲を見渡すだけでも、晴れやかな気持ちになれるところだった。住宅街の中にあるB&Bなどでは、なかなかこういう開放感は味わえないだろう。そんな敷地の一角には牧場があり・・・というか、牧場の一角がB&Bというような割合だけど・・・そこで飼われている動物を愛でることも楽しいレクリエーションだった。

 唯一の欠点は、上の長所の裏返しではあるものの、「郊外にある」という事かな。B&Bなので基本的には夕食の提供はない。だから夕食はどこか別のところで食べなければならないんだけども、最寄りの村まで徒歩20分くらいかかる。車で行けば5分程度ではあるんだけども、車でいくと飲めないという問題が発生する。せっかく日本では飲めないようなイングリッシュエールがいろいろあっても、飲めない(飲んだけど)。これは悲しい。それにこんな立地だから当然だけど、レンタカーで訪ねる以外に利用するすべがない。ここは電車&バススタイルは無理だ。

 でもトータル的には非常にいいB&Bだった。もう一度コッツウォルズ旅行にいくとなっても、ここを選ぶかもしれない。

外観

1人向け部屋「Bredon Hill」

2階の廊下

Honesty Bar

動物たち1:にわとり

動物たち2:やぎ

動物たち3:だちょう

英国’14: 31.Heathrow/Windsor Marriott Hotel

 2014年の間に残りの英国旅行関連記事を片付けなければ。

 ということで、久しぶりの更新。ここからは3つの記事で泊まったホテル/B&Bの話をして、あとは雑記的なものを数件書いていこうと思う。

 まずは、初日に泊まったホテルである、Heathrow/Windsor Marriott Hotelだ。

 ここはまぁ、なんの変哲もない普通のアメリカナイズされたホテルだった。部屋は清潔だったし、間取りも大きめで過ごしやすかったんだけど、建物の規模が大きくて、ロビーから自室に行くまでにかなり歩かされたのには閉口した。前述したホテル内のレストランがカジュアルで使い勝手がよく、英国最初の食事をリラックスしていただけたのはポイントが高かった。

 このホテルを選んだのは、ただただ地理的な条件がよかったという点に尽きる。

 ヒースローからレンタカーで出るということは決まっていた。そしておそらくその時点で飛行機の疲れなどもある。だからあまり空港から離れていないところに泊まりたい。でも空港密接型のホテルだとせっかくのレンタカーがもったいない気がする。それに少しは運転に慣れておきたい。そういうことを総合して、「空港から車で20分」というこのホテルを選んだ次第だ。

 このホテルはウィンザー城やレゴランドという子供向けテーマパークに近いらしく、そういったものが目当ての家族でにぎわっていた。

 なお、今回の利用にあたっては、予約内容と違う部屋があてがわれるというトラブルがあった。苦情を申し立てて部屋を変えてもらい、事なきを得たけども、2009年のエジンバラ最初の夜(ダブルブッキングで部屋がなかった)に続いて、今回もこの国はダメなのか、と不安がよぎったという負の記憶を記録しておこう。

外観

遠景