こんなことを考えるのは私だけかもしれなくて、だからこんなことを言うと、変な人に思われるかもしれないんだけど、でも言う。
電車で、やたら窓際にこだわる人が嫌いだ。
別に窓際が好きなのはいいんだけど、その好みを、他人に迷惑をかけてまで貫くごく一部の人が嫌いなのだ。
混雑した電車に乗ろうとすると、昇降口に陣取って「ここは俺の縄張りだ」とばかりに動かない人がたまにいる。私は仕方なく、その人をよけて奥に入るんだけど、「なんでコイツをわざわざ避けて入らないといけないのか」と少々納得がいかない時がある。そんなに窓際が好きなら、せめて一回降りて、最後に入りなおせばいいのに。いい大人が、昇降の流れを阻害してまで、昇降口に陣取る神経が理解しがたい。「お前は子供か?」と言ってやりたくなる。
ちなみに、同じ窓際でも、戸袋に隠れる部分というか、長椅子の末端部分の、昇降口サイドの手すりの裏のスポットにいるのは、昇降の流れをほとんど阻害しないし、あそこは長椅子と戸袋と手すりに三方を守られた、なにか不可侵なイメージのある場所なので、特に腹は立たない。あそこは早い者勝ちの、ベストスポットだ、と言う認識が私の中にあるせいだろう。
逆に、昇降口のまんま目の前に陣取る人は、そのベストスポットを逃したくせに、未練たらしく壁際をキープしようという、潔くない醜悪な精神を想起させ、昇降の流れを阻害するという物理的な迷惑に加え、精神的にも見ていて実に不快だ。
というわけで、私は昇降口に仁王立ちする、幼稚で、厚顔無恥で、無知蒙昧で、迷惑千万な種族を唾棄するのであった。