私がこのサイトに掲載しているメールアドレスは、ウェブサイト作成者の連絡先という形で、広大なインターネット界に大公開し続けて、もう11年になる。昔はウェブサイトにメールアドレスを載せていても、よほど有名なサイトでもない限りは、どうということはなかったし、むしろ掲載するのが一種の決まりのようなところがあった。
しかしそれから長い年月が経過し、今やウェブにメールアドレスを公開することは、「スパム被害を拡大する自殺行為」と、ほとんど同義になっている。
そんな私の、しかも11年間公開し続けたメールアドレスは、もはやメールアドレスとしての用を成していない。極々まれに、私宛のメールが来ることがあるにはあるけど、毎日寄せられるメールの99%はスパムメールだ。数にしておよそ100通/日。これでもISPのメールサーバーが、相当数のスパムメールをフィルタリングしてくれているらしいから、おそらく純粋な数では500~1000通のスパムが来ていることと思われる。
そんなわけで、長くご無沙汰だった知人がこのアドレスにメールをよこしてくれても、発見率が60%程度だったりして、メールが来ていることに気が付かない、あるいは相当日にちが経ってから気が付く、ということが割りと頻繁に起こっている。これは大変申し訳ないんだけど、かといってどうにもできないのだから困り者だ。
現在・・・というかもう4,5年になると思うんだけど、実用的なメールは、エキサイトのフリーメールを使用している。今だったらもっと別の選択肢があるのかもしれないけど、当時は色々試した中で一番使いやすかったのだ。このメールアドレスは、ごく一部の人にしか教えていないので、今のところスパムらしきものは滅多に来ない。
で、やっと本題の、このエキサイトメールなんだけど、このところ迷走している。
去年末に、エキサイトメールのシステムの総入れ替えがあった。なにを改善する気だったのかは、今となっては定かではないんだけど、それによって、大幅にユーザビリティーが低下してしまったのだ。
具体的には、古き良きHTMLベース・・・とでも言えばいいのか、要するに文字ばかりの地味なインターフェースだったエキサイトメールが、そのシステム変更を境に、よりグラフィカルな、今風の、そして動作が重く、操作がしにくいものになったのである。おそらくエキサイト側としては、古臭いインターフェースを、「ナウい」感じにしたかったんだろうけど、その考えかたそのものが間違っていたわけだ。
おそらくは、非難の嵐だったものと思われる。システム換装初期に、データベースの切り替えに失敗して、2週間ほど殆ど使い物にならなかった時期があったこともあり、ユーザーは新システムの廃止を強く望んだものと思しい。その証拠に、システム換装後数週間で、エキサイトが下した決断は「旧システムに戻します」というものだったのだ。
これは凄まじい決断だ。業界のことは良くわからないけど、新システムの導入にかかった費用は、かなり莫大なもののはずだ。それをスッパリあきらめたということは、よほど危機的なクレーム量だったのに相違ない。普通に考えて、この新システムの導入責任者の責は重いだろうなぁ。マーケティングも足りないし、導入時の混乱からしてディレクション能力も足りなそうだし、そもそもセンスがなさそうだ。かわいそうだけどね。
そんな「旧システム返り」が決定したエキサイトメールが、いよいよ本当に旧システムに戻った。やっと新システムの動作の重さに慣れつつあって、不満が風化しかけていたところだったんだけど、およそ半年振りの旧システムを使ってみると、涙が出るほど動作が軽くて、感動してしまった。そして同時に、新システムがいかにダメシステムかも、再認識。
結局、日々使うものは、見た目より中身、ってことだな!