休日、やや体調が悪く、家でだらだらとしていると、ベルが鳴った。
いつもなら平穏な休日を満喫するために居留守を使うところだけど、つい魔が差して出てしまったのが失敗だった。
「NTTですが、XXさんはADSLをお使いですね? そこで光回線にしませんか、云々・・・」
―(セールスか・・・)あー、今ちょっと体調悪くて考えられないんで、結構です
「あ、それではまた来ますのでいつ頃ならよろしいでしょうか?」
―いや、興味が出たら自分からアクセスしますから、来なくていいです
「いえ、いくつか質問にお答えいただければ、すぐにでも光回線にできますから」
―あの、ホント体調キツいんで、ドア閉めてもらえます?
「ええ、ですからすぐ手続きはできますから」
―いや、だから自分で調べますんで。マジで体調キツいんで閉めてください
「じゃぁ、手続きはこちらで行いますから、番号だけおし・・・」
―閉めろっつーの(ドアをつかんで、がちゃん)
あまりにしつこいので、私ははっきりと拒絶の意志を示して、ドアを閉めた。少々面倒くさい問答だったけども、これで終わるかに思われた。しかし・・・。
「(ドアの向こうから)閉めろじゃねーよ・・・ブツブツブツ」
なんと、ドアの向こうでぶつぶつとセールス員が悪態をついているではないか。
ゴゴゴゴゴ。私は切れた。
―(ドアを再度開いて)おい、今何つった? ちょっと名前教えてもらえる? あんたじゃ埒あかねーから本部に連絡するわ
「え、あ、う・・・もういいよ!(逃走)」
うおおおおおおおおおおおおおおおお!! 後味悪いぜ!!
腹の虫が納まらない私は、NTTのサポセンに間髪いれずに抗議の電話を発射。セールス代行業者への教育内容、実態把握状況の説明、今回の件がマニュアルにのっとった態度ではないことの確認(当たり前だ)、適切ではない個人情報流出の危険性の確認、等々をし、下手人を割り出して調査することを約束させて、やっと溜飲が下った。
実際これは結構怖いことだ。結果的にトラブった両者間で、一方は一方の住所氏名年齢電話番号あたりを概ね把握していて、もう一方はまるで何も知らない。状況が不利すぎて、笑えてくる。相手が変質者だったら私の命運が尽きるところだ。あーこわ、こわ。
あー、もう。歩合制のセールス代行は、すぐこういう風に質が落ちるのが困るな。