カテゴリー別アーカイブ: 日記: 2014年03月

日記: 3月28日(2014年)

 格ゲーには、刺し合い重視のゲームと、コンボ重視のゲームとがある。

 刺し合い重視の格ゲーの最たるものは、私的にはサムライスピリッツだったし、スパ4なんかもわりと刺し合いが重要なゲームだ。こういったゲームでは、プレイ時間の中で「最初の1発を当てるまで」の読み合いの時間が占める割合が高い。一方でコンボゲームとしてはヴァンパイアやらKoFやらが頭には浮かんで、これらはそんなに読み合いをせずに、とりあえず突っ込んでいって、あたってからの攻防、ハンドスキルで勝負する、というようなコンボゲームだった(私がヘナチョコプレイヤーだからかもしれないけど)。

 そういう設計の根幹部分における大きな違いを考えずに、例えば「KoFの刺し合いはサムスピに比べて緊張感がない」などという意見がナンセンスだというのは、よくわかる話だと思う。
 
 で、同じような違いは、実はMMORPGのRvRにもあるよね、というのが今回のお題だ。

 「刺し合い」や「コンボ」という呼称はMMORPGにはマッチしないから、「戦術」と「戦法」ということにしよう。「戦術」はどうやって当たるかという当たるまでの行軍を指して、「戦法」はどういうスキルやクラスのオーダーで戦うか、という当たった後の戦闘行為全般を指すことにする。

 戦術重視のゲームの場合、最初の当たり方でほとんどすべてが決まってしまう。初期のDAoCなどは戦術重視のゲームの代表格で、最初に致命的なハードCCを当てたほうが勝つ、というようなゲームだった。耐久力よりも攻撃力が高く、殴られれば長くは耐えられない。だから、いかにして先に殴り、勝つか、というような戦いになる。スキルよりも移動に重点が置かれていて、長いスパンでのDPSよりもバーストに重点が置かれた。機動力が非常に大事で、迂回や奇襲が致命的な威力をもって刺さる。

 一方で戦術よりも戦法に重点が置かれているゲームだと、効率の良いスキル運用や、チーム構成が勝敗を分ける。例えばGW2はこういった要素が強かった。ハードCCによる致命的な損失というものは少なくて、CCも1つのダメージソースに過ぎない。お互いにCCを駆使し、行動を阻害しながら、与ダメージを伸ばし、被ダメージを抑え、じわじわと有利を拡げていって、やすりで削るように勝利を形作る。ダメージよりも耐久力が高く、移動よりも戦闘効率に重点が置かれる。奇襲はもちろん大いに有利を作るけど、戦法で優れば覆せる。

 MMORPGの歴史的にみると、戦術重視偏重だった初期DAoCの先手の有利さというのは、とかく非難を受け、後発のMMORPGではどちらかというと、戦法に比重をおくようになっていった。戦術重視の急先鋒たるDAoC自身すらも、その戦術重視の性質をマイルドにするために、拡張パックでパージ(CC解除)を導入したりして、戦術の重要性を下げ、相対的に戦法レベルでの攻防をよりフォーカスするようになっていった。世の流れは完全に、戦法寄りということになる。

 さて、そこでTESOだ。

 TESOの「戦術:戦法」比はどんなもんなのかな。個人的には、そろそろ戦術要素が大きめのゲームが出てもいいかなぁ、と思うんだけど、はてさて。

日記: 3月23日(2014年)

 TESO待ちの期間をTES世界にどっぷり浸って過ごすべく、今週末はいまさらスカイリムを1から遊び始めなおした。

 このゲームおもしろいわー。

 没入感だけをとってみれば、TESOよりも上まである。シンプルなのに、キャラメイクの幅は広くて、何度プレイしても違うゲームのように遊べるし、箱庭ゲームの醍醐味がこれでもかと詰まってる。おかげで3連休が一瞬で吹き飛んでしまって、楽しいような悲しいような、複雑な心境だ。

 今回は純粋な暗殺者タイプのキャラクターにした。片手、軽装、隠密、をメインにして、他には目もくれない。生産はバランスを壊しがちなので封印。サブ的に上げる(上がる)のは、弓、回復、開錠、会話、スリ。

 これでとりあえず今まで組したことのなかった、帝国サイドのファクションクエストを一気にやり終えて、いくつかのサブクエストもこなして、レベルは20を超えた。

 いやー、スカイリムでは暗殺プレイをほとんどした事がなかったんだけど、これはまた面白いなー。待ち構えている6人くらいの敵を、武器を構えさせもせずに、1人ずつ闇に葬ったときなどは、震えるものがあった。こういうバランスを崩壊させるようなヒロイックな暗殺プレイは、MMORPGなんかでは絶対にできない、オフラインゲームならではのものだなぁ。

 ってことでスカイリム。TESOまでのつなぎとおもって、軽い気持ちではじめたんだけど、思っていた以上の破壊力だったよ。名作はいつまで経っても名作だと再認識させられた次第だ。

日記: 3月13日(2014年)

 暇つぶしの思考実験。

 私が長年見てきたところによると、MMORPGのプレイヤーは以下の2軸で分類するとしっくりくる。

  • メカニクス: ハンドスキルの上手さ、飲み込みの速さ、ゲームセンス、ゲームキャリア、などなど。知識的、技術的な優劣の要素。
  • ロールプレイ: 数値的なメリットと、数値に表れないキャラクター設定などへのこだわりとのバランスの取り方の要素。

 メカニクスに関しては、単純に上手いか下手かの問題だ。MMORPGの場合、極端なエンドコンテンツを除いては、メカニクスに優れていなくても、十分に楽しむ事ができるということが、広範な層にアピールできる要素になっている。MMORPGの場合、他のジャンルに比べれば要求されるメカニクスが低めなので、技量が多少低くてもメカニクス上位たりえる。

 ロールプレイというのは、要するに「戦士をする場合オーガが有利だけど、見た目はエルフが好き」という場合にどちらをとるか、というようなことだ。こういった部分をどこまで妥協して、どこまでは数値を取るか、というようなレベルの話。本当の意味でのロールプレイ(演技)までは要求しない。

 これらの要素の大小の組み合わせで、以下のような分類ができる。

  • トップレイダー(メカニクス大、ロールプレイ小): 最難関コンテンツを最速でコンプリートするような層。種族はおろか性別の選択までも、数値上の有利不利を大きな判断基準にする。数値を追い求める事が第一で、他の要素は二の次。多くのギミックを、単なる障害で疎ましいものと感じる。他のクラスは別世界の住民だと思っていて、特に優越感を表明することもない。
  • コアゲーマー(メカニクス大、ロールプレイ中): 最難関コンテンツを2番手でコンプリートする層。トップレイダーに近しい価値観を持つが、トップレイダーほどには些事を捨てきれない。一般層が街で目にする上位陣は概ねこのクラス。トップレイダーへの劣等感や、他のクラスへの優越感を稀によく見る。
  • マニアック(メカニクス大、ロールプレイ大): マイノリティ嗜好をもち、しかもそのことを自慢気に思っている天邪鬼な層。メカニクスは悪くないが、最難関コンテンツに挑むための育成、準備、情報収集のような、誰もがするような地味な作業は苦手。ゲーム序盤、中盤では頼りになるが、最終盤になると失速していく。
  • ソルジャー(メカニクス中、ロールプレイ小): 攻略本を見ながらゲームをクリアするタイプ。基本的にはゲームクリア(またはそれに類する目標達成)のみを目的としていて、種族選択なども最適解を常に知りたがるが、自分ではそれを割り出せない。メカニクス不足はプレイスタイルでカバーできるので、それなりの実績は残す。上位レイドギルドで兵隊として活躍するのが夢。
  • トゥルーニュートラル(メカニクス中、ロールプレイ中): すべての階層にチェンジできる素質を持った中庸の徒。多くの「ゲーム好き」はここからMMORPGの門を叩き、他のクラスへと変貌していく。
  • ゲームファン(メカニクス中、ロールプレイ大): ゲームを大いに、かつ、気楽に楽しんでいる層。用意されたギミックの多くを義務ではなく権利として楽しむことができ、かつ、ロールプレイ的な楽しみ方も存分にしている。ある意味、大人の遊び方ができているタイプ。
  • フォロワー(メカニクス小、ロールプレイ小): なんとなく参加、友人に誘われて参加、相方がやっているから参加、というような主体性に欠ける層。やれといわれたことをしている、というような態度が見え隠れ。なにが楽しいのか自分でもよくわからないで遊んでいる。遊び始めたきっかけとなるものがなくなると、真っ先にやめるタイプ。
  • コミュニケーター(メカニクス小、ロールプレイ中): キャラクターを動かすこと、仲間とわいわいやることが楽しく、難しいコンテンツ攻略などには興味がないという層。が、報酬アイテムにはそれなりに興味がある。いわゆるひめちゃんはここ。仲良しギルド。レイドにいくよりハウジング。
  • ロールプレイヤー(メカニクス小、ロールプレイ大): コミュニケーターに近いが、そのなかでも極端に自分の架空のキャラクター像にこだわりを持っている層。何をしているのかよくわからない黙々タイプ、突き抜けたロールプレイをしているので面白いタイプ、などいろいろなタイプが生息しているが、いずれもレアで異彩を放っているという点で共通している。

 私は自己分析的には、もちろん遊ぶゲームによってアプローチの仕方は変わるんだけども、多くの場合「マニアック」かなと思っているよ。大体一緒に遊ぶ人たちは、「コアゲーマー」「マニアック」「ソルジャー」「ゲームファン」が多い感じ。

 「コミュニケーター」とはほとんど接点がないので、ひめちゃんとやらをみたことがない。ボクのひめちゃんはどこなのー?

日記: 3月6日(2014年)

 近年のオンラインゲームの躍進はめざましい。世界の、日本のオンラインゲームシーンは日々着実に進歩を遂げている。

 一部の人による一部の人のためのマイナーな趣味だったオンラインゲームは、スポンサードされるプロ選手を輩出し、億単位の賞金が与えられる大会を開催し、万単位の視聴者が観戦するような、そんなショービジネスにすらなっている。日本が少し世界の後塵を拝しているのが残念ではあるけど、些細な問題だ。

 かつてオンラインゲーム界の閉塞感に関する記事を書いてから、8年が経った。

 ―「ハード、ソフト、ネットワークインフラ、そしてオンラインゲームを取り巻くコミュニティの在り方には、まだまだかなりの発展の余地があるはずだ

 そう書いた当時の私が想像していた、いくつかの「実現して欲しい未来」は、すでに現実のものとなっている。

 ―「「私の目をつけた」オンラインゲームというものが、遠い将来、きっとエンターテインメントシーンの主要なものになってくれると信じている

 まだ主要なものとはなっていないけど、シーンを作るところまでは、十二分に達している。

 本当にこれ以上ないほど、期待通りに事が運んでいる。すばらしいことだ。

 惜しむらくは、本当に惜しむらくは、自分がすでにこれからのオンラインゲーム文化を背負って立つ世代ではない、ということだ。そこにちょっと悔しさを感じてしまう。

 自分がオンラインゲーム黎明期を支えた(支えちゃいないけど)世代である、ということは、私のみならず、同じ時代を戦った仲間達に共通する誇りだと思う。でも同時に、オンラインゲームシーンが成熟期を迎えつつある今、当時よりはるかに恵まれた環境の中で、アクティブにオンラインゲームを楽しめる若い世代には、やはりどこかで羨ましさを感じてしまうのだ。

 うーん、やっぱり、歳食ったって事かなぁ。

 仕方がないな。人には与えられた舞台がある。完全にジーサンになったとき、オンラインゲームシーンはどこまで進んでいるのか。そんなことを楽しみに、今後も自分のオンラインゲーム道に邁進するとしよう。