日記: 5月1日 (2004年)

 早いもので今年ももう五月。暑い三月と寒い四月を経て、最近はすっかり春全開といった雰囲気だ。

 さて、うちの家の近くには、二つの大きな並木道がある。銀杏並木の国道と、ケヤキ並木のバス通りだ。

 国道の銀杏並木のピークはやっぱり秋で、秋になると葉が一斉に黄色く染まり、美しく道路を彩る。歩道橋に上って、道の真ん中あたりから並木を見渡すと、それはもうすばらしい眺めだ。「そのもの青き衣をまとい金色の野に・・・」という感じ。ただし、この銀杏は「メス」らしく、紅葉と同時に、大量の銀杏を産み落とし、非常に臭い空気を周囲に垂れ流すのが一大欠点だったりもする。道路に降り立つと、踏みつぶされた銀杏のカスが、アスファルトのあちこちにこびりついていて、とても汚らしい。

 一方、ケヤキ並木のピークは、やはりこの季節だ。毎年冬に剪定され、わびしい裸の木立になるケヤキが、この時期には再び枝をのばし、何事もなかったかのように堂々と葉を風に揺らしている。葉は春特有の萌葱色で、こっぱずかしい表現をすれば生命の息吹なんかを感じさせちゃったりするわけだ。

 このバス通りは、郊外の住宅地のモデルケースのような、緩やかなカーブを描く広めの(一車線に車二台は通れるアメリカンサイズの道路で、しかも路駐がほとんどない)坂道で、両サイドにはせいぜい二階建てまでの、こぎれいな一軒家が建ち並んでいる。こんなところを、少し強めの春の風に吹かれながら、青い空と瀟洒な家とに囲まれて歩けば、もう気分はのどかの三文字なわけである。

 ってなわけで今日も、この道をてくてくと歩いたのであった。

 ・・・ラーメンを食いに。

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