日記: 12月20日(2007年)

 年の瀬も押し詰まった今日この頃皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 ってなわけで、年末年始年度末年度初め恒例、要するに毎年やる時期がいまひとつ一定でない「蝿公国的オンラインゲーム大賞」を、今年も発表!

 今年やったオンラインゲームを可能な限り思い出すと・・・

 Vanguard(VG)
 ロード・オブ・ザ・リングオンライン(LotRO)
 モンスターハンターフロンティアオンライン(MHF)
 三国志オンライン(3ON)
 エバークエスト2(EQ2JE)

 ノミネート作品はこんなところかな? 他には思い出せないので、仮にプレイしていたとしても、思い出す価値もないほど印象に残らなかった・・・ということにしておこう。

 以上のノミネート作品を見てみると、今年の傾向は、1)MO/MMORPGばかり、2)日本語版が多い、という傾向が見て取れる。日本のMMORPG界の発展を願う私としては、大変嬉しい傾向だ。特に量産型クリックMMORPGではないものの選択肢が増えてきたことは、大変評価したい。

 さて、この作品群に序列をつけるとすると・・・下位は簡単だけど、上位が難しいところだな。抜きん出たのもなければ、がくんと下がるものもない。うーん、ちょっと上位に差をつけられないので、今回は

  入選:VG、MHF、EQ2JE
  落選:LotRO、3ON

 という、非常にアバウトな位置づけでお茶を濁すとしよう。

 まず落選の2タイトルから。

 LotROは、決してできが悪くはないし、良くまとまっていた。ただそのまとまりがあまりにも小さく、全体としてこじんまりとした印象を拭い去れないものになってしまっていたのが致命的だったように思う。ゲームのプレイ体験が薄いものになってしまって、興奮もそこそこ、没頭度もそこそこ、面白さもそこそこ、というような、中庸なゲーム、中途半端なゲームというのが、私の感想だ。私の評価において、同じように中途半端だったVanguardとの決定的な差は、その中途半端の裏返しに、完全だった場合のスケールの大きさが見えるかどうかにあった。

 3ON(なんて略し方はするのかも知らない)は、まぁ論外。上記のLotROは、私の記憶にさして残らないゲームとなるタイトルに過ぎないようだけど、そのLotROですら同列に並べたことには申し訳ない気持ちでいっぱいになるくらい、3ONはノミネート作品の中では群を抜いた駄作だ。私はつまらないゲームはプレイしなければいいだけで、別段文字をもって貶める必要はないと思っている。だから多くは罵らないけど、センスがなくてつまらないのと、志がなくてつまらないのでは大きく異なる。一応仮にも日本の大手ゲーム企業が、こんな情けないものを造り、かつ、売っていることには、非難の声を上げざるを得ない。

 続いて、入選の3タイトル。

 入選タイトルについては、それなりに長く遊び、その感想らしきものをすでにどこかに書いているので、繰り返しになるような内容を、ことさら改めては述べない。ただ入選で悩んだ内容については述べなければ意味不明なので、それに絡む部分を述べたい。

 まずVG。3タイトルの中では、最も完成されておらず、最も出来が悪く、最も革新的なゲームだ。公正な判断をするのなら、実際になされた内容のみをもって評価すべきで、その場合VGは他の入選作よりもやや落ちる。だけどVGの掲げた理想の輝きに、ワタクシ、かなり目がくらみました。そしてもうその眩い光輝は失われているんだけど、その光が見えていたときの興奮は今でも鮮明に覚えていて、それで評価が揺れてしまった。この興奮を「ゲームの1要素として評価」すべきかどうか、「興奮させてくれたことに対する評価」をすべきかどうかは、非常に難しいところだけど、私の主観的序列を求めるこのランキングでは、是とした。また、VGは入選3作品の中で唯一のオリジナル作品であるという点も、他2作品と比べたアドバンテージとした。

 続いてMHF。オンラインでこれだけ高質なアクションができるRPGはなかった。他媒体で同シリーズを未プレイだった私にとって、この新鮮さはほとんど革命と言ってよく、この一点だけで通常なら年間トップでも間違いはない作品だ。ただMHFの場合、露骨なコンテンツの使いまわし作品であること、オンラインゲームとしての体裁があまりに整っていなかったこと、コンテンツ供給が稚拙だったこと、などが大いに引っかかった。VGとは正反対に、制作運営サイドの理想の低さが落とした影の濃さが、大いに評点を下げている。私としては、理想の低さをもって生み出されたこのゲームを、破格に評価するわけにはいかなかった。

 そしてEQ2JE。しばらくプレイしない間に、文句なしに良いゲームになった。ゲームとしての質は、リリース直後とは天地の差がある。リリース直後にプレイし、半ばで挫折した人には、是非もう一度やって欲しい。SOEの回し者ではないけど、EQ2の評価があの時点のもので終わっては、ここまで改善した製作チームがあまりに不憫だ。またゲームそのものの質の高さに加えて、ローカライズの質の高さがすさまじい。ここまでのローカライズをして、どれほどの利益になっているのか心配になってしまうほど、自然な訳になるよう細心の注意が払われている。会話でない部分、例えば情報欄の説明部分とか戦闘ログなんかは、かなりおかしな機械翻訳のままだけど、これらは費用対効果の薄い部分だと判断して、ばっさりと切ったんだろう。妥当な判断だと思う。今後の欧米産MMORPGのローカライズの手本となるべき作品だ。・・・でも、所詮は復帰ゲーム。今年出たゲームを押しのけて1位にしてしまうには、少し抵抗があった。

 というわけで、蝿公国的オンラインゲーム大賞2007は、落選2作、入選3作という、あまり面白みのない結果になった。来年はWHOがくるのか、はたまたダークホースが来るのか。なんでもいいから入選ゼロはやめてくれよ! 頼む!

日記: 12月20日(2007年)」への5件のフィードバック

  1. アバター画像chico

    夜更かししすぎた!
    寝る前にコメントでもつけとこう
    MHは結構いろいろ歴史あんだよね
    初代作成したチームは偉大だと思う
    その後のシリーズを作ったスタッフは無能すぎたと思う

    VGは世界が広くていろいろ出来て面白かったけど
    コンテンツが完成してないのに世界が広すぎたから
    無駄に移動距離が多かったのがダメだったのう
    EQ2JEのように後で化けるのに期待はしてみよう

    EQ2JEは間違いなく良作と言える
    いろいろ不満点はあるものの
    これだけ完成度が高いMMOは見たことがない
    WHOまでの繋ぎにやってみるかなって程度だったけど
    十分楽しめてるお!

    レビューのように点数つけてみれば順位つけれたかもね
    ゲーム性 運営能力 グラフィック 音楽 とか定番でw

    返信
  2. アバター画像Nez/蝿

    MHFは出来はいいんだけど、それは旧作から進化してない出来の良さなんだろうねー。
    VGはあのフィールドと構想の広大さを生かす力(=時間、金)が足りなかった。
    EQ2JEは逆に広さが少しなすぎるのが、カジュアルで楽だけどたまに物足りない。

    3行でまとめてみた。

    なお、評点方式は絶対に後付けの点数になるので
    (あらかじめ頭にある順位になるように考えて合計点をプラマイする)
    私のようないい加減人間にとっては、あまり意味がないと考えてる。
    ゲーム誌等で同様のことをしていても信用しない。

    ゲームとゲームの比較ではなくて、1つのゲームの中の
    各要素の比較に用いるなら、まぁ使えそうかなー。

    返信
  3. アバター画像Chef

    俺はたぶんVGにそうとう甘い点数を与えると思うなあ
    なんてったって初MMOだし
    トカゲの村の奥にある神殿の中で試練をこなしたりノームの鉱山の中のロボットを殺したら中からもっと強いパイロットが出てきた(確か名前はJ2E)とかわりとはっきり覚えてるw
    グループが固定以外全然組めないとか毎日ゴールデンな時間にメンテしてた事は大きくマイナスだけど
    それでもかなりの感動と興奮を与えてくれたゲーム
    今はチャンク落ちとか相当改善されたらしいけど
    いまだにレイドコンテンツはないそうな
    出す出す言ってた日本語版は永遠に出ないんだろうなあ

    MHFは逆に厳しかったな、だって同じ事させられるの4回目だもん
    シリーズが新しくなれば新しくなるほどつまらなくなってってる気がする

    EQ2は上の二つに比べてとにかくストレスが少ないね
    VgにあってEQ2にないなんかほぼないんじゃないかと思うぐらい完成されてて
    EQ1をあまり知らないのが少し痛い

    あとVgにあった、ルートされたアイテムを「欲しい、欲しい人がいないなら貰いたい、いらない」の3つから選んでロットするシステムがすごくよかったのでEQ2にも是非入れて欲しい

    返信
  4. アバター画像v

    MHFシリーズは初プレイだったのでアクションは楽しめたのですが過去作から何の進歩も無いのがどうにも。新作の資金繰りに出したのですか?と印象。

    VGの世界の広さはただ広いだけでコンテンツが少なすぎのために死にエリアが多かった記憶があります。
    色々な意味で期待していたのでとても残念(全部書くと長文になるので略)な子。

    EQ2は英語版だけプレイですが目的がはっきりしているのでプレイ側は楽ですね。ただやはりグルーピングがきつそうですが。街が賑やかなのは楽しい。

    LotRO、3ONはプレイしていないのでスルーします。

    純粋なMMOがもう受けないのかもしれませんね。

    返信
  5. アバター画像Nez/蝿

    流行性感冒で倒れていた蝿さんです。

    Chefさん:
    VGのノーム鉱山の出来はよかったね。
    最奥部が謎の重力緩和エリアだったあの演出は、
    私の中でVGの一つのピークだった。
    あのダンジョンの演出を見て、「VGはまだまだ戦える」と
    感じたんだけどなぁ。

    vさん:
    私はあのVGの茫漠とした空間感覚は好きだったんですけどね。
    ラクダとかウマでなにもない砂漠を駆けてるのも、
    シルクロード旅団だぜ!みたいな気分でて。
    ただ、空間と空間の間にあるべき、濃いコンテンツがなかったのが、
    というか、10の要素を、1を広大な空間に、9をダンジョンに、
    というような割り振りでよいのに(見切り発車ならなおのこと)、
    なまじ均等配置したがために、全体の濃度が満遍なく
    希薄になってしまったような感じがする。

    なお、EQ2のグルーピングはあまりきつくない気分。
    「友達がいない」状態なら、初期のEQ1よりも楽カモ。

    VGメインにてご返答。ゴホゴホ。

    返信

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