日記: 10月25日(2012年)

 Amazon日本サイトで、ついにKindleストアがオープンした。

 私は常々、国内の電子書籍の隆盛を待ち望んでいたんだけども、なかなか進歩してこなかったこの業界。いくつかの企業が、先行するかたちで電子書籍プラットフォームを立ち上げては、書籍数やサービス内容、先行きの安定感のなさなどから、消費者がついてこないという、空回りな状況が続いていた(ように見える)。

 消費者が国内の新興プラットフォームついていかなかった理由には、上記のようなものに加えて、「いずれAmazonがくるんでしょ。そこで終わりじゃん。そんなところで本を買ってもなぁ」という「黒船Amazon脅威論」があったように思う。少なくともしばらくは、プラットフォームによる囲い込みが指向されるに決まっていて、クロスプラットフォーム(どのプラットフォームで買った本であっても、あらゆる端末のあらゆるアプリで見ることができる)などは夢のまた夢なのだから、消費者に長いものに巻かれろ的な心理が働くのも当然だ。

 そしてその待ち望んでいたAmazonという名の黒船がついにやってきた。

 早速私も、書籍(北方水滸伝3)とコミック(ジョジョリオン1)を買って、Androidアプリで読んでみた。

 まずは購入。今回は購入はPCサイトで行ったので、これはAmazonで日ごろ通販するのとまったく同じだ。ブラウザを使って、見慣れたAmazonのインターフェースで本を検索し、購入ボタンを押す。この時、すでに読むための端末を登録してあれば、購入と同時に、その端末への転送も行われるし、登録していなくても、あとから「My Kindle」ページで転送できる。

 続いて端末への書籍データのダウンロードを行う必要がある。Androidアプリを起動すると、初回起動時にはアカウントの登録が促される。ここで登録を行うと、アカウントにアプリの情報が紐付けられるようだ。紐付けた後には、上述したように、PCサイト上のメニューに「Androidへ転送」などのメニューが出るようになる。複数の端末を登録しておけば、おそらく複数の選択肢が出るのだろう。

 PCサイトで本を購入した場合、購入後に書籍データをAndroid端末にダウンロードする必要がある。1)ストアから書籍を端末に転送し、2)端末側で転送された書籍のリストを同期して、3)ダウンロードする。この辺のステップが若干冗長に感じられて、買ったら自動で転送でいいように思ってしまうけども、購入書籍数が増えてくると印象はまた変わるのかもしれない。ちなみにPCでは読むことができないので、なんらかの携帯端末への転送は必須となる。

 そして読む。読書感は一般的な電子書籍アプリと大差ないが、しっかりよく出来ている。フォントは読みやすく、背景色やサイズ、行間、余白などを調整することができる。辞書機能が標準装備されていて、タップで単語を選択すると、その意味を辞書で調べてくれたりもする。もちろん日本語対応だ。

 まだ読書体験そのものはほとんどしていないけど、第一印象はかなりいい感じだ。水準を満たしたアプリと、水準を大きく上回るプラットフォームの規模感。申し分ない。今後、Amazonというビッグネームに私が期待しているとおりに、順調に掲載書籍数が伸びていってくれれば、そう遠くない将来に、私の読書の大半はKindle経由になるかもしれない。

 大げさではなく、今日はひょっとしたら「日本の読書スタイルを大きく変えた日」となるのではないか。そんな気さえする私なのでした。

日記: 10月25日(2012年)」への1件のフィードバック

  1. アバター画像Jamめも

    これがDeath Chainsaw [ DC ] だ

    と、大層なタイトルを掲げて長らく放置してたBlogを久々に更新 いやいや、GW2に没頭してるあまり更新する暇がなかなかないのよね 世間ではDCは活動してな…

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