カテゴリー別アーカイブ: 日記: 2012年10月

日記: 10月31日(2012年)

 私が何度評価しているMCC食品株式会社。

 今回はここの重慶飯店監修麻婆豆腐醤を試してみた。

 私は麻婆豆腐が好きなので、面倒のない「豆腐以外なにもいらない形式のレトルト麻婆豆腐ソース」を、割とヘビーユースしている。メーカーはいろいろと試してみて、丸味屋、CookDoときてフジッコのものに最近は落ち着いていた。値段、手間、味のバランス的にフジッコが攻守最強と思っていたのだ。

 そんな私の前に現れたのがこのMCCの重慶飯店監修麻婆豆腐醤だ。MCCというだけで無条件に期待してしまうほどに、私はMCCのレトルトを信用してしまっているので、発見した次の瞬間には買い物かごに入れ、レジに向かっていた。どんな味なのか、楽しみだ。

 この麻婆豆腐ソースの面白いところは、電子レンジ用ということだ。深い皿に賽の目に切った豆腐を並べ、ソースをかけて電子レンジでチンせよ、と外装に記載されている。これは面白いな。鍋を使わないということで、洗い物が1つ減るのもうれしい。とはいえ、その分味も落ちるようでは問題があるが、果たして・・・。

 この調理法に多少の不安はあったものの、初回なので素直に記載に従うことにした。深い皿に豆腐を並べ、ソースをかけ、電子レンジを使う方法で調理してみる。やってみるとわかるけど、一丁の豆腐を並べられる皿は、案外大きな皿が必要だった。我が家にある皿ではかなりギリギリだったので、大きな皿の持ち合わせがない場合は注意されたし。

 電子レンジへ投入し、5分待つ。

 出来上がった麻婆豆腐を軽くかき混ぜ、食う。

 ほほう。

 悪くない。鍋で煮込んだ麻婆豆腐とは少し風合いが違うけど、出来栄えが今までのものよりも日本向けにローカライズされていない、というか、本格的な雰囲気があった。和風麻婆豆腐特有の「スープ煮込み豆腐」っぽさがなくて、「豆腐の味噌和え」という雰囲気が強い。また味のほうも山椒や香辛料がよく効いていて、たまにシャリっと山椒の粒を感じるほどだ。さすがMCCという満足のいく味に仕上がっていた。うん、うまいうまい。

 これは、和風麻婆豆腐が食べたい、という気分の時には向かないけど、そうじゃないときにはかなりオススメできそうだ。調理方法は、電子レンジでもいいけど、次回は少し水を加えて、鍋で煮こんでみてもいいかもしれない。

 あまり売っていない商品だと思うけど、見つけたらまた買っておこう。

 (全然関係ないけど、MCCの「神戸三国志伽哩」も気になる。げぇ!孔明!?)

日記: 10月25日(2012年)

 Amazon日本サイトで、ついにKindleストアがオープンした。

 私は常々、国内の電子書籍の隆盛を待ち望んでいたんだけども、なかなか進歩してこなかったこの業界。いくつかの企業が、先行するかたちで電子書籍プラットフォームを立ち上げては、書籍数やサービス内容、先行きの安定感のなさなどから、消費者がついてこないという、空回りな状況が続いていた(ように見える)。

 消費者が国内の新興プラットフォームついていかなかった理由には、上記のようなものに加えて、「いずれAmazonがくるんでしょ。そこで終わりじゃん。そんなところで本を買ってもなぁ」という「黒船Amazon脅威論」があったように思う。少なくともしばらくは、プラットフォームによる囲い込みが指向されるに決まっていて、クロスプラットフォーム(どのプラットフォームで買った本であっても、あらゆる端末のあらゆるアプリで見ることができる)などは夢のまた夢なのだから、消費者に長いものに巻かれろ的な心理が働くのも当然だ。

 そしてその待ち望んでいたAmazonという名の黒船がついにやってきた。

 早速私も、書籍(北方水滸伝3)とコミック(ジョジョリオン1)を買って、Androidアプリで読んでみた。

 まずは購入。今回は購入はPCサイトで行ったので、これはAmazonで日ごろ通販するのとまったく同じだ。ブラウザを使って、見慣れたAmazonのインターフェースで本を検索し、購入ボタンを押す。この時、すでに読むための端末を登録してあれば、購入と同時に、その端末への転送も行われるし、登録していなくても、あとから「My Kindle」ページで転送できる。

 続いて端末への書籍データのダウンロードを行う必要がある。Androidアプリを起動すると、初回起動時にはアカウントの登録が促される。ここで登録を行うと、アカウントにアプリの情報が紐付けられるようだ。紐付けた後には、上述したように、PCサイト上のメニューに「Androidへ転送」などのメニューが出るようになる。複数の端末を登録しておけば、おそらく複数の選択肢が出るのだろう。

 PCサイトで本を購入した場合、購入後に書籍データをAndroid端末にダウンロードする必要がある。1)ストアから書籍を端末に転送し、2)端末側で転送された書籍のリストを同期して、3)ダウンロードする。この辺のステップが若干冗長に感じられて、買ったら自動で転送でいいように思ってしまうけども、購入書籍数が増えてくると印象はまた変わるのかもしれない。ちなみにPCでは読むことができないので、なんらかの携帯端末への転送は必須となる。

 そして読む。読書感は一般的な電子書籍アプリと大差ないが、しっかりよく出来ている。フォントは読みやすく、背景色やサイズ、行間、余白などを調整することができる。辞書機能が標準装備されていて、タップで単語を選択すると、その意味を辞書で調べてくれたりもする。もちろん日本語対応だ。

 まだ読書体験そのものはほとんどしていないけど、第一印象はかなりいい感じだ。水準を満たしたアプリと、水準を大きく上回るプラットフォームの規模感。申し分ない。今後、Amazonというビッグネームに私が期待しているとおりに、順調に掲載書籍数が伸びていってくれれば、そう遠くない将来に、私の読書の大半はKindle経由になるかもしれない。

 大げさではなく、今日はひょっとしたら「日本の読書スタイルを大きく変えた日」となるのではないか。そんな気さえする私なのでした。

日記: 10月6日(2012年)

 久々に読書。いや、別に久々でもないんだけども、まぁそんな話だ。

 この3連休、実家に戻って行きつけのラーメン屋で安心の昼食を取った後、ふと通りかかった古本チェーン店ブックオフのドアにこんなチラシが貼ってあった。

 「読書の秋セール。10月6~8日の3日間、210円以上の本半額!」

 半額ということは、1冊の値段で2冊買えるということだ。誰にでもできる計算を瞬時に行った私は、特に読みたい本があったわけでもないのに、半額セールにつられたてふらふらとブックオフに進入。いろいろと吟味した結果、3冊の本を買い込んだ。

 買ったのは以下。

 ・水滸伝・一(北方謙三)
 ・水滸伝・二(北方謙三)
 ・水滸伝・三(北方謙三)

 はい、3冊とも水滸伝です。買ったのが3巻までなのは、その店に4巻が置いてなかったからだ(5巻はあった)。歯抜けで買うのも気持ち悪かったし、ここは1つ3巻までを買って、様子を見てみるとしたわけだ。

 さて、なぜいまさらの水滸伝なのか、って話なんだけども、これは北方版なのだ。北方版はかねてから、原典とはまったく別物の内容だという評判は聞いていた。なので、これを読むことは、何度も読んだ水滸伝とは異なるので、「いまさら」というほどのことでもないのだ。ただ同時に、原典の水滸伝がいたく好きな私としては、北方版は邪道というか、偽者というか、そういう印象があって、いままではこれを忌避してきた。

 でも、ちょっとブックオフで立ち読みをしてみたら、のっけからぐいぐいひきつけられる内容で、「こういうのも面白いかもしれん」と思って、今回買ってみた次第だ。

 3連休で2巻半ばまで読んだ感想としては、そののっけの印象のまま、いやそれ以上に相当面白かった。原典の不自然さというか、成立過程、成立年代を理由とした各種設定の不十分さや不統一とは対照的に、登場人物の行動や立場にしっかりとした理由付けがあったり、それに矛盾がなかったりと、高度に理論武装された、近代的な水滸伝になっている。

 その結果には、原典好きとして承服できる設定変更と、そりゃねえよっていう設定変更があるんけども、その辺の好悪をやいのやいの言う楽しみも含めて、原典好きにも大いにオススメできる作品だ。私はただの食わず嫌いだったようだ。もちろん原典を知らない人にもオススメできる、良質の娯楽小説だと思う。

 問題は、長い、ってことかなぁ。文庫本にして19巻。読書が第一の趣味、っていう人じゃないと、全巻読みきるのに年単位の時間がかかりそうだし、読んでいない期間に以前までに読んだ内容を忘れてしまいそうだ。私も、はたして4巻目以降に手す気になるものか、難しいところだぞ、むむむ。