近場のチッピング・カムデン、ヒドコート・マナー・ガーデンの観光を終えて、一旦立ち寄ったのがブロードウェイだ。
ブロードウェイというとどうしてもアメリカのミュージカルのメッカを想像してしまうけど、もちろんそうじゃない。この街もやはりコッツウォルズの代表的な街のひとつであり、また、我々の宿泊したB&Bから1番近い街でもあった(正確には間にウィラージーという小さな村があるが)。近いだけにいつでもいける、という感じでこれまで観光していなかったんだけども、ここへきてようやっと観光した、というところだ。
その名前の通り、道幅が大きくとられているこの街は、広々とした空間が印象的な街だった。周囲の建物の建材こそ、やはり蜂蜜色のレンガでできていて、コッツウォルズらしさを醸し出してはいる。でも、どちらかというと「こじんまり、チマチマした街並み」を想像しがちなコッツウォルズからすると、その優雅な道の広さは、やや異質な雰囲気だった。イギリスの田舎というよりは、アメリカやカナダの田舎、という感じ(知らんけど)。
道幅の広さの効能もあってか、商業的に利用し易い街らしく、メイン通りの店は素朴というよりは、いかにも観光地的な、あるいは地元民の普段使いとしてなのかもしれないけど、とにかく商売に長けた感じがあった。農民ではなく商人の街、というような雰囲気。ま、これはこれで、変化球として興味深いんじゃないかな。
ちなみに、そもそもなぜこの街は道幅が広いのか、ということなんだけども、なんでもここは昔、2頭立ての馬車を、峠を越えるために4頭立てに換装する宿場街として機能していたらしい。そんな交通事情から、道の広さと街の名前とが決まったのだそうだ。街の一角にはそのことを示す石碑があったりもして、なるほどといった風情だった。