サイコンが盗まれたことで、マンションの駐輪場の治安に対する信頼感がガクンと下がってしまった。もう、こんなところには置きたくない。
ってことで、マンションの自室前にあるポーチに駐車をするというプランを検討してみることにした。
しかし、「マンションにおける自転車の自室保管」、とくに「ポーチでの保管」は、ウェブ上でのマンション生活談義の中でも、とかく問題視されることが多い話題だ。近隣住民とのトラブルは避けるにこしたことはないので、慎重に実施しなければ。
ということで、まずはトラブルの元となる項目を調べ、その正しい解釈と自分のマンションに適用した場合のシミュレーションをしてみることにした。
主な争点は以下の通り。
- マンション内持込による汚れ
- マンション内持込による傷つき
- マンション内持込の規約違反の有無
- エレベーター運搬による汚れ
- エレベーター運搬による傷つき
- エレベーター運搬による同乗者の迷惑
- エレベーター運搬の規約違反の有無
- ポーチ内保管の規約違反の有無
さて、ではそれぞれについて考えてみよう。
【マンション内持込について】
ウェブでこの問題に関する批判のひとつにあるのは、持ちこむことによる汚れ、傷つきの問題だ。そういう問題があるために、規約で持ちこみそのものを禁じているところもあるらしい。
この件は主に、「綺麗な新築マンション」で引き合いに出される問題のようだ。綺麗な新築マンションの購入者の心理としては、それを傷つけ、汚すような要因はなんであれ悪に違いない。だから自転車の持込が問題視されるのはよくわかるし、その対策として初期段階でいろいろな制限を設け、その結果規約で禁じる、というような流れも理解できなくはない話だ。
しかし幸いなことに、私のマンションにはそういう規約はない。それに築年も経っているので、少々の汚れや傷に目くじらを立てる人も少なそうだ。もちろん、私はあえて汚す気も傷つける気もないし、細心の注意を持って運搬するつもりではあるけども、例えちょっとばかり壁面などに接触しても、既についている汚れや傷に埋もれて、私の接触箇所などは判別不可能であることは間違いないだろう。
この件を引き合いに出される心配はなさそうだ。
【エレベーター内持込について】
この件だけは少し心配している。
傷や汚れの件に関しては、マンション内持込の件と同様の理屈で、既に年季の入っている当マンションでは、あまり問題になるとは感じていない。エレベーターに持ちこむこと自体は規約で禁止されてもいない。
ただ問題になりそうなのは、「エレベーターで運搬中に誰かが乗ってきた場合の迷惑」だ。自分が同乗する側だったら、やっぱり「狭いなおい」と思うに違いない。乗ってくる人が心の広い人であればいいけど、そうでなければなにかトラブルにもなりえる。規約に新たな条項が加えられないとも限らない。
できるだけ同乗者を避け、同乗者が乗ってきたときには限りなく低姿勢で臨むつもりだけど、こればっかりはどう転ぶかはやってみなければわからなそうだ。
【ポーチについて】
ポーチ内保管は、多くのマンションの例に漏れず、我が家でも明確に規約違反となる。
これはポーチの扱いが「専用使用権がその住民にはある」というものであり、自転車の保管場所としての利用はその権限外となるからだ。なので、ポーチに自転車を置いた場合、管理会社や同じフロアの住人にそのことを指摘されれば、「ごめんなさい」というほかはない。
ただし、である。
指摘されるかは、また別問題かもしれない。同じマンションの、同じ角部屋にある上下の部屋を見てみると、ポーチに鉢植えやら、小さな物置やらを置いている。また、角部屋ではなくポーチもない隣家などは、玄関先に子供用の三輪車を置いていたりもする。この状況で私の自転車がダメという指摘を管理会社からされるとは、現状考えにくい。
なので、この件に関しては「違反だけどおとがめなし」というラインを狙えるんじゃないかと、淡い期待をしている。
【重要なのは当事者の判断、感情】
ということで最終的には、管理会社の判断とマンション住民の感情、というぶれ幅のある要素に、問題の帰趨は依存しそうだ。要するに「やってみないとわからない」というところか。ウェブ上にある意見は、新築なのか、築年が経っているのか、住民の年齢構成はどうなのか、などで主張が大きく食い違っているので、あまり参考にならない。
管理会社はポーチの問題だけについては権限を持っているだろう。規約を根拠に自転車の撤去を指示してきたら、こちらには抗弁するすべがないので、おとなしく玄関の中に自転車を引き込むしかない。でも言ってくるかは微妙なラインだとおもわれるので、実際に言われるまでは、状況に甘えてみよう。またマンション内やエレベーター内の持ちこみに関しては、規約に記されていない以上、管理会社は自発的にはなにも言ってこない公算が高い。
逆にマンションの住民は、ポーチの利用に関してはお互い様という部分が大きいので、なにも言ってこないような気がするけど、マンション内やエレベーターへの持ち込みの現場を目撃された場合には、なにかを言ってくるかもしれない。トラブルのリスクを減らすためには、できるだけ他の住民と遭遇しないのがベストではあるけど、長期間にわたって全く遭遇しないというのは、現実的ではないだろう。遭遇した際には、エレベーターでは極力同乗を避ける、同乗しそうになったら譲る、待つ、やむなく同乗となった際にはスーパー低姿勢で臨む、というような態度を徹底して、気分を害さないように努めていくしかないだろうな。
うーむ、快適な自転車通勤も一日にして成らずだ。