靴を買い換えたはいいが、じっと手を見てみれば、夏用のメッシュグローブもそろそろ限界だ。
ってことで、買い換えましたよ。
今まで使っていたのは、かれこれ何年目だろうか・・・下手したら10年以上無理矢理使いつづけた、ボロボロのメッシュグローブだ(写真左側)。写真がピンボケていてわかりにくいけど、表も裏も、もうこれでもかと摩耗していて、とうに限界を超えている。
メーカーはPowerage。うーん、Powerageっていうメーカー名が既に懐かしさを醸し出しているな。調べてみるとPowerageは現存しているようなので、懐かしいとか言ったら失礼なんだろうけど、当時も今も、今一つ目立たないというか、広報活動が全然活発じゃないな、このメーカー。
Powerageの話をもう少し脱線して続けると、昔、バイクウェアが今よりもっとダサいというか、バイクバイクしていて、一般受けしない世界観(古き良きイエコンのようなデザイン)の中にあったころ、Powerageのアパレルはまだしも許せるデザインと、バイクに求められる機能性とを両立している、数少ないメーカーだったように思え、割と愛用していたのだ。
だから、ダサさがマイルドなバイク用のアパレル、という稀有な存在を探し求めていた当時の記憶と、Powerageというメーカー名とは、私の中で有機的に結びついていて、懐かしさにつながってしまうというわけ。
今ではそのほかのメーカーも、バイクウェアっぽさと、カジュアルっぽさを融合した、「当世のバイクウェア」というようなデザイン路線を確立して、逆にどんなメーカーでも、そんなに当たり外れがないような感じになっている。
また世間の価値観がバイクという趣味を、かつての「よくわからない迷惑な走り屋集団」ではなく、「モータリゼーションされたアウトドア趣味」という新しい解釈でとらえるようになったことも、バイクアパレル界に与えた影響は大きい。アウトドアウェアの文脈でバイクウェアを再構築するようになった、と喩えればわかりやすいだろうか。山登りの人が山登りの服装をしていても恥ずかしくなく、逆に軽装だと恥ずかしく見えるように、バイク乗りの人がバイク乗りの服装をしていても恥ずかしくなく、逆に軽装だと恥ずかしい。そういうような価値観がやっと醸成されたおかげで、バイクウェアの許容範囲は格段に広がった。いい時代になったものだ。
閑話休題。
買ったグローブの話だ。
今回買ったのは、コミネのプロテクトヴィンテージメッシュグローブだ(写真右側)。
Amazonでポチポチしながら10分くらいでサクッと選んだ。見た目が悪くなく、レビューが普通以上のものなら、他には特にこだわりはないぞ、というチョイス。
そろそろいい歳になったわけだし、大人の財力を見せつけるがごとく、高級なパンチングレザーなグローブにでもしようか。という案が3秒ほど脳裏をよぎったけど、即座に「機能性とコスパを重視すべし」という持ち前の判断力が回復し、無事コミネマンの仲間入りをすることと相成った。
またメーカーの話になるけど、昨今はコミネがすごく頑張っているようだね。バイクアパレル界において、コミネがコスパの代名詞としての地位を確立して久しいけど、そうなった頃から、このグローブを購入した今日までに、バイク用のアパレルを買い足す機会がついぞなかったから、あまりコミネに接してはこなかったものの、その評判やコミネマンなる一族の隆盛については、各所で仄聞してきた。
今回ついにその仲間入りを果たした。次にこのグローブをつけて走行する際にでも、その実力を感じてみよう。