日記: 1月17日(2019年)

 私の「ゲームを買う」体験の変遷。

 そんなタイトルの話。

 【1980年代半ば】

 私の最も古い「ゲームを買った」記憶は、この時代のものだ。購入対象は、ファミコンのカセット。

 この時代のファミコンのカセットは「デパートや大型スーパーのおもちゃ売り場」または「町のおもちゃ屋さん」で主に売られていた。ファミコンのカセットの陳列場所は、だいたいどの店でも、レジのそばのカギのかかるガラスケースの中だった。いかにも厳重な売り方だったけど、玩具界においては、手のひらサイズで数千円というのは、金塊に等しい重量価格比の貴重品なのだ。

 ガラスケースの前で張り付くようにしゃがみ込み、陳列されたカセットのパッケージをガラス越しに凝視し、その絵柄だけで面白そうかどうかを判断し、購入していた(財力の問題で「買う」よりも「眺める」ことが大半だったが)。

 あのガラスケースが、妙に懐かしい。

 【1980年代後半~1990年代半ば】

 この時代になると「ファミコンショップ」的な専門店が登場する。品ぞろえの薄いデパートや大型スーパーでは、ゲーマー少年の要求にはもう応じきれなくなっていたため、購入の主戦場はこういった専門店に変わっていった。

 中古品の売買、というサイクルが展開されはじめたことが、この手の店の最大の特徴だろうか。またファミコンショップ、という名前であっても、スーファミやゲームボーイ、次世代機のソフトも、時代の変遷につれて売られていた。

 こういった店では、カセットの空箱が展示されていたり、カセットがガラスケースの中に入っていても、専門店の気安さもあり、それを手に取らせてもらえたりした。情報誌の発達も相まって、ゲームを吟味して選びやすくなった時代だ。

 この手の店は今でもあるだろうけど、私が利用していたのはだいたい上記のような年代になる。機種で言うとサターンまで。

 私の、店舗に赴いてゲームを買う、という体験はここで尽きた。

 【1990年代後半~2000年代】

 通販全盛期。と同時に私の買うゲームがPCになった時代でもある。

 この時期になると、ゲームはほとんど通販で購入するようになり、自分の足で店舗に赴くことはなくなった。最後に店頭で購入したPCゲームは、ウルティマオンラインかもしれない。インターネットの発展によって、通販が飛躍的に便利になったことに加え、そもそも通販でしか買えない海外のゲームをプレイするようになったことも大きい。

 これがパッケージを購入した最後の時代だ。この時代に購入したPCゲームの、特に海外から届いたゲームのパッケージは、異国の香りがして開封するのが好きだった。

 【2010年代~】

 ダウンロード販売時代到来。

 遊びたいゲームの99%がダウンロード販売に対応した結果、そもそもパッケージを買うことすらなくなった。PCの前で、ブラウザでオンラインショップを開き、ダウンロードしたいコンテンツを選択し、クレジットカード入金で購入する。

 今現在の姿だ。

 もう店舗に買いに行くことはおろか、邪魔になるパッケージを郵送してもらうことすら考えられない。ダウンロード販売していないようでは、そもそも購入の選択肢に入らないことも多い。昔は当然のようにしていたことを、今ではもうしたくなくなっている。

 時代は変わったものだ。

 でも、こうやって不便だった過去を思い返すと、なぜかほんわかした気持ちになったりもする。

 そんな昔ばなしでしたとさ。

日記: 1月17日(2019年)」への3件のフィードバック

  1. アバター画像venk

    >>ガラスケースの前で張り付くようにしゃがみ込み、陳列されたカセットのパッケージをガラス越しに凝視し、その絵柄だけで面白そうかどうかを判断し、購入していた

    超あるある!!
    小2ぐらいだったか、未だ忘れられないのがハイドライド3。
    ドラクエ2で「RPGおもしれー」ってなって、なんか同じ匂いのするパッケージイラストから
    「これもおもしれー間違いなし!」って思って買ったはいいけど、腹減って死ぬし、
    装備重くて歩けなくなるし、小学生低学年には納得のクソゲー認定で詰んだ思い出。

    大人になって調べてみると洋ゲー並みの(というかそもそも洋ゲーなんか?)突き放しっぷり
    だけどなかなかの良ゲー評価なんだね。まあ、そんなもんだよね。

    Amazonで当時のパッケージイラストを確認したらいまだに憎らしいと感じた。
    決行根に持つタイプだな、俺。

    返信
    1. アバター画像Nez/蝿 投稿作成者

      やったことないなハイドライド。ファンタジー系はおおむねパッケージ詐欺というか、劇画調で格好良すぎるのが多かったイメージ。
      私が「ガラス越しに見たヤツ」で印象深かったのはナムコの3900円シリーズかなー。プラスチックの内箱がない省エネパッケージでそして安い。そういう手で来るかー、と子供心に感心した。そしてバベルの塔は名作だった。

      返信

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