ケンジントン・ガーデンズは、有名な公園ハイドパークの西に広がる公園だ。ハイドパークとの区分けがわかりにくくて、ハイドパーク内をひたすら西進すると、気が付いたらケンジントン・ガーデンズにいる、というような配置になっている。故ダイアナ皇太子妃が住んでいたケンジントン宮殿があることでも有名だ。
今回のロンドン訪問ではここでやっと、「初めての場所」を観光することになった。
ロンドンの公園は、ハイドパーク、セントジェームスパーク、リージェントパークと歩いたけども、ケンジントン・ガーデンズはそれらに勝るとも劣らない、気持ちのいい公園だった。
ロンドンは(というか、欧州はみんなこうなのだろうか?)公園が多くて、そのどれもが実に贅沢で広々とした敷地を持っている。これは素直に羨ましい環境だ。公園内は都会の喧騒とは無縁で、一歩足を踏み入れれば、今自分が世界都市ロンドンのど真ん中にいることを、完全に忘れさせてくれる。今いる場所が、かつて7つの海を支配した大帝国の中心部だとは、なかなか信じがたいほどだ。
敷地内にあるラウンド・ポンドという、いかにも英国らしいそのまんま過ぎる名前の丸い池には、無数の水鳥がひしめき合っていた。人間慣れしているその水鳥たちは、恐れることなくこちらの足元まで来てくれる。うろうろと水辺を歩き、跳ね、飛び回る様子を、至近で目にすることができるのは心躍るものだ。
おしりふりふり歩き回るガチョウやハクチョウの姿に、心癒されるのは万国共通らしく、白人も、黒人も、インド人も、日本人も、にんまりとその姿を見つめて、午後のひと時を静かに過ごしていた。
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