ネットブックの検討から数日。いろいろな検討を重ねた結果、チョイスしたのは、ASUSのN10Jcだ。
N10Jcはネットブックというか、従前のモバイルノートの範疇になるのかな? スペック、性能、価格ともに、ネットブックと小型ノートの境目のような存在だ。多少のコスト&サイズ増よりも、性能を優先させた結果といえる。
N10JcはAtom使用のノートで、ディスプレイは10インチクラス、ってことでベースのスペック的にはネットブックといえる。しかしそれに加え、グラフィック処理を独立したGeforceのチップで行っているという部分が、ただのネットブックとは一線を画すところだ。これでCPUが良ければ、完全な高性能小型ノートなんだけども、その部分をAtomにすることで気楽さやモバイル性能を主張しているのだろう。ネットブックブームに寄っているともいえる。
N10Jcはもともとの搭載メモリは1GBなんだけど、そこだけは即攻で2GBに変更した。さらに、4Gamerに非常にためになるチューニングの記事があったので、それを参考にしてのカスタマイズも完了し、いざ使用だ。
・・・で、まぁいろいろやってみた。
【ブラウザ】
まずはいきなりブラウザをIE8にしたんだけど・・・これはちょっと使いにくかった。何が使いにくいかというと、このブログの更新だ。文字入力時のフォームの自動スクロールがおかしくて、更新できたもんじゃないのだ。出先でのサイト更新は、このノートで想定している主用途のひとつなので、それが満足にこなせないのは、私にとっては問題外だ。いま、このエントリーはN10Jcで更新してるんだけど、途中からブラウザ上での入力をあきらめて、テキストエディタに打ったものをコピペする作戦に転換せざるを得なかった。
・・・って全然N10Jcと関係のないレビューだな。これではIE8のレビューではないか。
えーと、とりあえず上記問題点を除けば、IE8を使ったWeb閲覧には何の不自由も重さも感じなかった。ネットブックの基本的な操作は、当然苦もなくこなせるようだ。逆に言えば、これができないようではネットブック以下といえる。
【タイピング】
さて前述したように、この文章はすべてN10Jcで打ってるんだけども、小型だからといって別にキーボードは打ちにくくないね。デスクトップや、A4ノートで打つのと大差ないイメージで打鍵できる。ただ、ShiftやCtrlの位置やサイズにまだ慣れないので、括弧や記号類、英文上の大文字などを打つのが少々難しいかな。とはいえ全体として、キータイプにはまったく問題はないように思えるよ。
【ゲーム】
まだ実はぜんぜん試してない。唯一試したのはEQ2だけど、さすがにEQ2は厳しくて、最低画質の設定でもFPSは一桁台だ。チャットや移動、生産くらいは、十分にできそうだけどね。当座のメインゲームであるEQ2が厳しいってのはちょっと残念だけど、これは想定の範囲内だ。6万そこらのモバイル機でEQ2がサクサク動くほどには、世間も進化していないはずだ。とりあえずは、ログインできる、くらいで満足しておこう。
とはいえ世の中のレビューでは、「MHFくらいは余裕」「FF11もOK」らしいから、その辺では楽観視してる。EQ2以外の私がPCで遊びそうなことは、大抵できるんじゃないかな?
というか、EQ2は数年前のゲームのくせに、どんだけハイスペック要求なんだろうか。
【動画】
ニコニコ動画、OK。You Tube、OK。
・・・ただし、重いやつはコマ送りになる。たとえば、出撃SAtMが重い! その重い一部の動画を除けば、「とりあえず見られる」程度なら、とりあえず問題はないようだけど、重いってのは大問題だよなあ、とほほ。
それと動画に限った話ではないけど、やはり解像度の壁は高く厚い。どうしても1画面に入る情報量が少なくて、動画サイトのような玉石混淆なところで、「あてもなく面白そうな動画を探すために眺める」というような動作をするには、自然とスクロールを多用せざるを得なくなるのが煩わしい。
のだけど・・・。
【ポインティングデバイス】
・・・やはりタッチパッドは慣れないな。ネットでの情報収集力を左右する画面のすばやい遷移操作が、なかなか自在に行えない。今まで触ったタッチパッドの中では、わりかし素直な反応をするほうだとは思うけど、それでもマウス使用時に比べるとだいぶストレスがたまる。
この記事を書くような、キーボード主体の作業はいいけど、ファイル操作やWeb閲覧などのポインタ主体のオペレーションには、素直にマウスを利用したほうがいいようだ。
【外観】
ここへきていきなり外側の話。見た目はいい。薄いゴールドがかったシルバーと、マットブラック、それにアクセントにシルバーパーツと、そんじょそこらのプラスチックっぽいネットブックとは違って、高級感があり、所有欲をくすぐってくれる。惜しむらくは、カラーバリエーションがないことだ。そのせいで少し所有欲が低下する。
サイズは店舗で比較したイメージだと、10インチモデルのEee PCよりもさらに一回り大きかった。とはいえそれほどの差でもなくて、「Eee PCが入るけど、N10Jcは入らない」というようなバッグは、世の中にそんなになかろうと思う。その程度の差。
欠点は重さかな。6セルバッテリーゆえというのもあるだろうし、別個GPUをつんでいる影響もあるだろうけど、手で持ってわかるほどに、並んでいたネットブックの中では際立って重さを感じた。気軽におでかけに持っていく、というよりも、旅の機材、というくらいに明確に持っていく意図を持っている場合に初めて携帯する気がわくレベルだ。
でもまぁ、見た目はかなり気に入っているし、そもそもこんなものを携帯電話のように「使うかどうかわからないけど毎日持ち歩く」ようなつもりもないから、問題はないとしよう。
あ、あと発熱も気にならないレベルかな。これは酷使していないので、まだわからない。
【付属品】
マウスと、ACアダプターと、キャリーバッグがついてきた。
マウスは小型でケーブルを収納できるタイプ。モバイルマウスを持っていなかった私としては、余計な追加投資がいらなくて助かった。
ACアダプター。比較しようがないけど、さほど大きくはない。可もなく不可もないんじゃなかろうか。でもマックのノートのような洗練されたデザインでも、もちろんない。この辺だけは、マックを見習って欲しいんだけど、コストの問題なのかなぁ。
キャリーバッグは、申し訳程度のもので、「包める」だけと思ったほうがいい。耐衝撃性も耐圧性もまずなさそうな頼りない造りで、過酷なシチュエーションにこのバッグで持ち込むのは自殺行為だ。これなしで500円でも値引いてくれたら、喜んで手放すところだ。
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ちゅーことで、半ば衝動買いに近い行動で手に入ったN10Jc。全体として好感触で、辛めにつけて75点くらいかな。なかなかいいおもちゃになってくれそうなので、こそこそと非実用的な作業にあてがってみる所存だ。ぐふふ。