カテゴリー別アーカイブ: 日記: 2022年09月

日記: 9月6日(2022年)

 私は音に鈍感らしい。

 いままで特に強くは自覚してこなかったのだけど、いろいろな経験を踏まえてみると、どうやらそうらしいということに、最近急に思い至った。

 これは聴覚が弱いとかそういうことではなくて、特定の単純な「音」や「音の繰り返し」に関して、良い、悪い、といった感性、判断軸を持ち合わせていない、その幅が狭い、というような意味での鈍感さの話だ。

 例を挙げよう。

 これを最も痛切に感じるのは、エンジン音、排気音、といった種類の音について言及されるケースにおいてだ。

 私は車にせよバイクにせよ、それを運転したり、いじったり、眺めたりするのは、平均よりも好きなほうだ。いわゆる車好き、バイク好き、という人間だと自認している。

 だけども、車好き、バイク好きの間でよく話題にのぼる「エンジン音がいいねー」「排気音がいいねー」というようなことになると、これがもう、全くわからない。どういうエンジン音だと「良い」のか、どういう排気音だと「良い」のか。逆にどうなら「悪い」のか。そういう感覚が一切わからない。

 これらは私の中では、くくって言えばどんな音であっても「騒音」であって、それ以上でも以下でもない。V8エンジンの音も、耕運機の音も、大差がない。望みを言うのであれば、静かであればあるほどいい、という程度の存在でしかない(なお、これらを人様の迷惑にならない範囲で楽しむことを否定する意図はないので悪しからず。あくまでも「私にとっては」騒音と同レベルの存在だということだ)。

 同じようなことは、ゲームの、特にリアル系のFPSのレビューなどでも、たまに感じる。

 それは「射撃音がいい」というような表現を目にするときだ。明らかに的外れな音だったり、よほどチープな音だったりということでもない限り、ゲームAのM4の射撃音と、ゲームBのM4の射撃音とに、優劣をつけることが、私にはできない。明らかに両者の音質が違っていたとしても、どっちがいいのか悪いのか、というような判断軸がない。それっぽい音が鳴ってさえいれば、どっちでもいいよ、としか思えない。

 これに付随する要素なのかもしれないけど、最近流行のASMR動画についても、その価値がさっぱりわからない。流行っている以上は、多くの人たちの共通認識として価値があるのだろうけど、私には理解できないのだ。

 「音楽」であれば、そこに好みがないわけではなく、私なりの「良い」「悪い」がある。だけど、それが単発の「音」に近づくにつれ興味を失っていく。

 どういうエンジン音が、どういう排気音が、どういう射撃音が、どういうASMRが、多数派の絶対的価値観として「良い」のか。それを私が理解できる日は遠い。

日記: 9月1日(2022年)

 ヴォクス・マキナの伝説というAmazonオリジナルアニメを観て、ゲーマー視点で面白かったので紹介したい。

 この作品がどういう作品かというと、見た目通り「洋風アニメ」と言ってしまえば、まぁ、それはその通り。だけど、なによりも特徴的なのは、これが「TRPGのセッションをアニメ化したもの」だというところだ。

 良くは知らないんだけども、ウェブで軽く調べた情報をつぎはぎして理解したところによれば、

  • 数年前に海外の声優グループが
  • YouTube配信でTRPG(D&D)のセッションをする配信を行ったらしく
  • それが人気が出たため
  • その内容をアニメ化する企画をキックスターターで立ち上げ
  • 本作に至った

 とかなんとか(つぎはぎ情報なので正確かは不明)。これはなかなか面白い経緯で、それだけで気になる気になる。

 そして実際に視聴した感想も、TRPGベースということで、漂う世界観がなんとなく古き良きRPG世界な感じなのが、実家に帰ったかのような安心感があって、私には大変面白かった。

 PCゲームでいうのであれば、バルダーズゲートあたりが最も近い感じだ。設定が同じ。暗さと明るさの配分が同じ。雰囲気が同じ。含有成分が同じ。原材料が同じ。

 というか、バルダーズゲートをまたプレイしたくなったなぁ。そういえば、ちょっと前にバルダーズゲート3が出ていたけど・・・うん、日本語はないうえに、まだまだ未完成のようだな。残念無念。

 閑話休題。

 さすがにアニメ化するだけあって、おそらくベースのルールをかなり逸脱しているのであろう、アニメ的なトンデモ能力や展開もたくさんありはした。それでも根底にある世界設定が、いかにも古き良きゲーム的、D&D的だったりする点などには、思わずにんまりしてしまった。私が期待する古き良きRPG世界にしては、エロ、グロ、下ネタが多すぎるきらいはあったけどね。そこは大人のアニメということで目をつぶろう。

 とにかく世界を覆う全体の雰囲気に、古来よりのゲーマーとの親和性の高さがあって良い。登場キャラのキャラクターシートを想像して、こいつはローグだな、レンジャーだな、ドルイドだな、エルフだな、ノームだな、ローフルだな、カオティックだな、とか考えるのが楽しい。おっさんはそういうのがいいんだよ。うむうむ。

 ってなわけで、ヴォクス・マキナの伝説。

 ぱっと見、カートゥーン調というか、良く言ってもターンAガンダム調の、バタ臭さ全開な洋風アニメという感じで、おそらくちゃんとしたアニメ好きの人には、サムネイルの時点で躊躇われるようなアニメなのだと思うんだけど、私は逆にアニメアニメした画風のほうが苦手なので、そういう先入観を持たずに見始めることができた。

 是非、未視聴の方にも、先入観なしに見てもらいたい。すごくストーリーが面白いとかいうわけではないけど、古来からのゲーマー諸氏なら、舞台設定だけで白飯1杯(控えめ)くらいはいけるはず。オススメだ。