はい、そんなわけでWvWvWの戦況は低調です。特にこの日は敵の元気がなく、日本のコアタイムになるとマップはJQ色一色。散発的に抵抗勢力が出没しては、JQ本隊に轢き殺されるという様相。
それでも心が折れない一部の敵勢力は、JQ本隊を避けるようにゲリラ戦を展開。北東のタワーを取り返せば、南西のタワーを取られ、南西を取り返せば南東が取られ、南東を取れば北西が取られ・・・というイタチごっこ。ポイントにはなるのだけど、遊びとしては物足りない展開が続いた。まぁ、彼我の戦力差を考えれば、相手がそういう戦術に出るのは当たり前なんだけどね。しかし追う側としては、少々刺激が足りない。
そこで、一計を案じた。
「空き巣を丁重にお出迎え作戦」だ。
・・・って、これでは意味がわからないけども、要するに待ち伏せ作戦だ。
取り返したタワーの中に居残り、もう一度、敵のゲリラ隊が取り返しにやってくるのを待つ。敵がやってきたら、扉が破られるまでじっと息を潜めてさらに待つ。この際、礼節を重んじ、扉の前に整列しておく。扉が破られたら、ずらっと居並ぶ一同で、「いらっしゃいませ」の敬礼とともに、一斉にAoEを中心に攻撃。門に集中した敵兵を、一気に焼き払う。という作戦だ。
まずは整列して待機だ。背の順を考慮して、美しく見えるようなレイアウトで並んでおく。整列後は、敬礼のエモートの確認なども行う。マップを見ながら「今度は南東いったー」「次くるんじゃない?」「またここスルーかー」などと戦線の動きを観測して、敵部隊の到来を今や遅しと待ち構える。
そして待つこと15分くらい。
敵兵登場!
ガンガンガンガン。破壊槌で門が削られる音が響く。こちらの抵抗がないことを見て取ったのか、やがて敵の歩兵までもが、門前で門を殴り始めた。敵兵もよもや門を挟んだ反対側に、おもてなしの軍団がいるとは思うまい。調子に乗った敵兵の攻撃を前に、門の耐久値が瞬く間に削られていく。
門の耐久値がゼロに近づくにつれ、おもてなしのために居並ぶ面々にも緊張が走る。果たして作戦はうまくいくのか。それともただのネタになるのか。「まぁ、どちらにしてもおいしいか」などと思いながら、運命の瞬間を待つ。
そして・・・
オープン!!
門が開くと、時間が止まったような一瞬の静寂があった。「あれ?なにこいつら?」「え?中に敵いたの?」。そんな驚きが敵最前線に走ったように思う。
そして次の瞬間、事態を把握できた極一部の敵最前列と、こちらのおもてなしチームとの間で、最初の戦火が切られた。
攻撃開始!「いらっしゃいませ~」
本当に/saluteをしていた何名かの勇者を含め、全員が良好な視界を確保できていた我々は、門前の一箇所にまとまっている敵を相手に、一斉に攻撃を開始した。一方、我先にと門に殺到していた敵部隊は、他人が邪魔で視界が悪く、さらに破壊槌が邪魔でなお視界が悪く、これからなにが起こるのかさえ、大多数の人にはよくわかっていないようだった。
組織立った反撃体制が整う前に、まとめてこんがり焼き殺され、射殺され、斬り殺される敵部隊。かろうじて状況を把握できた最前列の数名のささやかな抵抗が終わると、ほとんど一方的な掃討戦となり、わずか1分足らずで圧倒的な勝利を収めることができた。
VCではあまりの大成功に笑いが止まらない。作戦を計画し、それが図に当たり、しかもそこにはサプライズと、ほんのちょっぴりのユーモアがあった。いやー、最高だ。