日記: 4月16日 (2004年)

 イラクの人質事件の三人が解放された。非常によかったと思う。

 本人達もさぞほっとしていることだろう。・・・だけど、内心複雑なんだろうな、なんて思ったり。

 思うに、三人のうちの何人がそうだったのかわからんけど(調べりゃわかるけど、まいいや)、慈善活動を独自にやっていた人って、内心

 「アメリカは加害者であり敵。イラクは被害者であり味方」

 ・・・って思ってたと思うんだよね。それなのに今回この人達は、弱くかわいそうな「味方」に誘拐され、殺されそうになり、そこを「敵」に助けられてしまった。そりゃ内心複雑に違いないわけですよ。

 そのせいか、テレビで報道されている、被害者本人の救出後の最初の映像(?)でも、被害者は感謝や謝罪、あるいは安堵の表情をあまり見せず、どちらかというと憮然とした表情を浮かべている。下手をすると、「助けてくれなんて、こっちからは言ってないからね」とさえ言いたげだ(深読みしすぎ?)。

 死の恐怖から解放されて、うれしくない人間はいない。それを素直に喜べないというのは、かわいそうな話でもあり、迷惑な話でもある。今朝、人質事件関連のニュースで、上記の映像を見たとき、そんなことを強く感じた。

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