台湾のガイドブックには必ず載っている、といっても過言ではないB級グルメのひとつが、この阿宗麺線だ。
麺線というのは、そうめんのような細い麺を短く切り、スープでどろどろに煮込んだ感じの料理。食べ物というよりは、飲み物。箸は使わずに、れんげだけで食べる。麺線は台湾の定番グルメのひとつのようで、この阿宗麺線だけではなく、夜市などでも必ず売る店を発見できる。前回の旅行時には、ホテルそばの屋台街で購入して、朝ご飯にしたりした。
そんな麺線を売る店の中でも、ひときわ有名な代表格が、この阿宗麺線だ。麺線は、麺と一緒に牡蠣やモツが煮込まれることが多いようなんだけど、ここのはモツが煮込まれていた。大腸麺線、ってやつですな。強烈なカツオ出汁のスープに、どろどろの麺線、そしてモツ、仕上げにパクチーといった装いが阿宗麺線だ。
この1杯を求めて、店には行列ができていた。店には売り場だけしかなく、テーブル席などは用意されていない。みんな椀を受け取ると、左手に椀を、右手にれんげを、というスタイルで店の周りでずりずりと立ち食いしていた。
私もそれを見習って、立ち食いでずりずり。うむ、有名店だけあって、しっかりとした味だ。以前に屋台で食べたものよりも、やはり美味しい。
とはいっても、所詮煮込んだそうめんスープなので、正直なところ、こんなに行列するほどか? と思わないでもない。超感動する、かというとそんなことはない。だけど、これが台湾人にとってはソウルフードなのだろう。うむうむ。ずりずり。