先月、何を思ったか実家で風呂のリフォームが行われた。
今の実家は、元々はいとこ一家が住んでいた家で、その後いろいろあって我が家が住むようになった家。築年数でいうと50年以上ではないかと思われる、年季の入った和風建築だ。
そんなこの家の風呂は、子供時分のいとこの家に遊びに行ったときの記憶では、風呂釜がステンレスの風呂桶のすぐ横についている、昭和スタイルの風呂だった。
しかし我が家が譲り受けた(というか買った)25年ほど前の時点で、すでに一応現代風の風呂釜が屋外機に分離したスタイルに変更されていた。デザインは今見てもそうおかしくない。当時はかなり先進のモデルだったに違いない。
この風呂は、譲り受けるに際して作り変えた、というわけではなく、そのだいぶ前からリフォームされていたようなので、譲り受ける5年前にリフォームされたとしても、風呂に関して言えば30年ものの風呂、ということになるだろうか。
30年ものとはいえ、実家の風呂は自宅のマンションの風呂に比べれば格段に広いし、慣れ親しんでいるぶん使い勝手もよくて、個人的にはわりかし気に入っていたのだけど、潔癖症気味の母が言うには、「実はこの風呂がずーーーーっと嫌だった」らしい。他の家族が使っていた風呂が嫌、なのだそうだ。それで、今回のリフォームとなったわけだ。
いや、そんな嫌なら25年前にリフォームしておけば・・・と思わないでもないんだけど、人生の先も見えてきて、やっと散財する気になったのだろう。やりたいようにすればいいと思うので、私は傍観しつつ、外野として完成を楽しみに待つことにした。
リフォームは1週間ほどで完成した。
目地に取り切れないカビがうっすら残ったタイルをはがし、そこに樹脂の壁を張り、床も若干ぷにぷにした滑らない冷たくない材質に代わり、浴槽もひょうたんのような流体的な輪郭を持った、おしゃれなものになった。
とはいえ、所詮風呂は風呂だ。正直、今までにさして不満がなかった私としては、せいぜい90点が100点になった、という感想だったりする。だけど母がいたく喜んでいるようなので、50点が100点になったねやったね、というような顔をしておいた。なお、父は私とまったく同じ感想だったようなのだが、正直に90点が100点になった顔をしていために、まんまと母の不興を買っていた。ダメ男め。
さて、気になるのはお値段だ。
今回のリフォーム費用・・・140万円!
おぉう・・・。け、結構、た、高いな。
これから実家の風呂は140万温泉と名付け、せいぜいありがたく使っていくことにしよう・・・。